スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
「…お願いします」
「私の昇格を、認めてください」
今度はきちんと正座をして、深々と頭を下げる。
「…何故そこまで1級に拘るんだ?」
別にハッキリとした理由はない。ただの、
「ただの夢です」
子供じみた稚拙な夢だ。でもそれを本気で夢見ていた、幼い頃の自分に報いたかった。
それだけ。
「そうか」
「…そういえば言っていたな。幾分昔のことだが」
ああそうか。
私が子供の頃から、この人はずっとこの家にいて、私のそばにいた。
ある日突然、離れていってしまったが。
「まあ、ここまで言われればやむなしだな」
「…九条雪待、お前の昇格を認めよう」
「!!」
案外すんなり承諾するんだな…。
「ただし」
プライドの高いこの人の事だ。無条件で承諾する訳がなかった。
「失態をしでかすような真似をすれば、お前を九条家から完全に追放する。お前がこの条件を飲むのであれば良いだろう」
「…は…」
イカれてんのか…?この爺さん。
「2度も言わせるな。もし任務等で失敗をしたら、九条家の敷居を跨ぐことは今後一切許さん」
「…………」
要は、九条家当主である俺の顔に泥を塗るような真似をするな、という事だ。
なんと自己中心的な人間だろうか。そのうち家の人間に呪われて死ぬんじゃないか?
「…分かったよ、条件を飲む」
「さて、話は終わりか?」
「ああ。帰らせてもらうよ」
慣れない正座のせいで、少し痺れた足を出入り口へ進める。
「ときに雪待。お前、新入りを拾ったそうだな」
襖にかけた手が静止する。
「…そうだけど」
もう情報が回ってるのか。早いもんだ。
「[漢字]仲間[/漢字][ふりがな]失うもの[/ふりがな]が増えたな」
「アンタに言われる筋合いは無いね」
何とも言えない一抹の不安が心を過った。
「私の昇格を、認めてください」
今度はきちんと正座をして、深々と頭を下げる。
「…何故そこまで1級に拘るんだ?」
別にハッキリとした理由はない。ただの、
「ただの夢です」
子供じみた稚拙な夢だ。でもそれを本気で夢見ていた、幼い頃の自分に報いたかった。
それだけ。
「そうか」
「…そういえば言っていたな。幾分昔のことだが」
ああそうか。
私が子供の頃から、この人はずっとこの家にいて、私のそばにいた。
ある日突然、離れていってしまったが。
「まあ、ここまで言われればやむなしだな」
「…九条雪待、お前の昇格を認めよう」
「!!」
案外すんなり承諾するんだな…。
「ただし」
プライドの高いこの人の事だ。無条件で承諾する訳がなかった。
「失態をしでかすような真似をすれば、お前を九条家から完全に追放する。お前がこの条件を飲むのであれば良いだろう」
「…は…」
イカれてんのか…?この爺さん。
「2度も言わせるな。もし任務等で失敗をしたら、九条家の敷居を跨ぐことは今後一切許さん」
「…………」
要は、九条家当主である俺の顔に泥を塗るような真似をするな、という事だ。
なんと自己中心的な人間だろうか。そのうち家の人間に呪われて死ぬんじゃないか?
「…分かったよ、条件を飲む」
「さて、話は終わりか?」
「ああ。帰らせてもらうよ」
慣れない正座のせいで、少し痺れた足を出入り口へ進める。
「ときに雪待。お前、新入りを拾ったそうだな」
襖にかけた手が静止する。
「…そうだけど」
もう情報が回ってるのか。早いもんだ。
「[漢字]仲間[/漢字][ふりがな]失うもの[/ふりがな]が増えたな」
「アンタに言われる筋合いは無いね」
何とも言えない一抹の不安が心を過った。
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