スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
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「さて」
目の前に居るこの家の当主は、まるで、"この家は俺の支配下だ"とでも言うように、どっしりと、胡座をかく。
対し、こちらは正座で、しかし見くびられてはならぬと重心を下に置く。
「話とは?」
変に機嫌を取らなくていい。
強気に、強欲にいけ。でなきゃ変わるものも変わらない。
「私の1級昇格の件について、だ」
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「はぁ〜〜〜〜〜〜……」
でかでかとため息をつく。しかも冥さんの前で。
「歌姫が落ち込むなんて珍しいじゃないか」
「何があったのか、是非聞かせて欲しいね」
と余裕の笑みを浮かべる彼女を見て言う。
「どうせ、何となく分かってるでしょう」
「まあね」
「即答…」
まあいつもの事だから大して気にはしないが、やはり少しはイラッとするものである。
そんなことより今は、
「…雪待の1級昇格が、ちょっと行き詰まってるらしくて」
「…ああ、雪待。あの子の実家は少し面倒だからね。推薦する前から心配していたんだけれど、やはりか」
「あーそっか。冥さんでしたね、推薦したの」
「ああ」
「どうしたら良いんでしょう…」
「んー…実は今回だけじゃないんだよ」
「え?どういう…」
「過去にも何度か、雪待を昇格をさせたのだけれど、どのタイミングでも、もれなく首を突っ込んできたんだ」
だから九条家嫌いなんだよねえ、としかめっ面をする冥さんにほぼヤケクソでこう言う。
「ベテランの冥さんなら何とかできません?」
「それとこれとは違うよ歌姫」
「あそこの当主はケチだからね。話していると虫唾が走る」
「うわ、冥さんらし」
冥さんでも、どうにも出来ない…となると、やっぱり本人に任せるしかないのか。
ヤバい心配すぎる…。
「…まあ、そこまで心配しなくても、あの子なら何とかするさ」
「ですかねぇ…」
こうしている間にも雪待の首が飛んでいそうでとても怖い。
あの子、そのつもりが無くても、すぐ会話を過激にする節があるからなー。
「やっぱり心配〜〜…」
「全く、君はいつから雪待の保護者になったんだか…」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「だぁから許可しろっつってんだろクソジジイ!!」
「無理だと言っているだろう!!人の話を聞かないか!!」
「お前のような者の推薦を認めるなど、九条家として不埒極まりない!!」
「はー!?これだから頭の固い保守的な奴は嫌いなんだよ!!」
「なんだと!?九条家を罵倒する気か!!」
かれこれ数十分ほど、このような会話を繰り返している。
なんでこうなったかって?目の前の爺さんが昇格を中々承諾してくれないものでついカッとなり、好き勝手言った結果である。
「あ、あのぅ……」と部屋の出入口でオロオロしている従者には目もくれずに言い返す。
「罵倒ねえ!そうだよ、よく分かってるじゃねえか!!」
「随分態度が大きいな!!俺を誰だと思ってるんだ!!」
お互いに手が出そうになった瞬間。
「あの!!!!!」
「お二人共落ち着いてください…!!他の方々にも迷惑でございます!」
涙目で必死に訴える従者を見て、思わず子犬を連想する。
「…ごめん」
「すまない」
「さて」
目の前に居るこの家の当主は、まるで、"この家は俺の支配下だ"とでも言うように、どっしりと、胡座をかく。
対し、こちらは正座で、しかし見くびられてはならぬと重心を下に置く。
「話とは?」
変に機嫌を取らなくていい。
強気に、強欲にいけ。でなきゃ変わるものも変わらない。
「私の1級昇格の件について、だ」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「はぁ〜〜〜〜〜〜……」
でかでかとため息をつく。しかも冥さんの前で。
「歌姫が落ち込むなんて珍しいじゃないか」
「何があったのか、是非聞かせて欲しいね」
と余裕の笑みを浮かべる彼女を見て言う。
「どうせ、何となく分かってるでしょう」
「まあね」
「即答…」
まあいつもの事だから大して気にはしないが、やはり少しはイラッとするものである。
そんなことより今は、
「…雪待の1級昇格が、ちょっと行き詰まってるらしくて」
「…ああ、雪待。あの子の実家は少し面倒だからね。推薦する前から心配していたんだけれど、やはりか」
「あーそっか。冥さんでしたね、推薦したの」
「ああ」
「どうしたら良いんでしょう…」
「んー…実は今回だけじゃないんだよ」
「え?どういう…」
「過去にも何度か、雪待を昇格をさせたのだけれど、どのタイミングでも、もれなく首を突っ込んできたんだ」
だから九条家嫌いなんだよねえ、としかめっ面をする冥さんにほぼヤケクソでこう言う。
「ベテランの冥さんなら何とかできません?」
「それとこれとは違うよ歌姫」
「あそこの当主はケチだからね。話していると虫唾が走る」
「うわ、冥さんらし」
冥さんでも、どうにも出来ない…となると、やっぱり本人に任せるしかないのか。
ヤバい心配すぎる…。
「…まあ、そこまで心配しなくても、あの子なら何とかするさ」
「ですかねぇ…」
こうしている間にも雪待の首が飛んでいそうでとても怖い。
あの子、そのつもりが無くても、すぐ会話を過激にする節があるからなー。
「やっぱり心配〜〜…」
「全く、君はいつから雪待の保護者になったんだか…」
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「だぁから許可しろっつってんだろクソジジイ!!」
「無理だと言っているだろう!!人の話を聞かないか!!」
「お前のような者の推薦を認めるなど、九条家として不埒極まりない!!」
「はー!?これだから頭の固い保守的な奴は嫌いなんだよ!!」
「なんだと!?九条家を罵倒する気か!!」
かれこれ数十分ほど、このような会話を繰り返している。
なんでこうなったかって?目の前の爺さんが昇格を中々承諾してくれないものでついカッとなり、好き勝手言った結果である。
「あ、あのぅ……」と部屋の出入口でオロオロしている従者には目もくれずに言い返す。
「罵倒ねえ!そうだよ、よく分かってるじゃねえか!!」
「随分態度が大きいな!!俺を誰だと思ってるんだ!!」
お互いに手が出そうになった瞬間。
「あの!!!!!」
「お二人共落ち着いてください…!!他の方々にも迷惑でございます!」
涙目で必死に訴える従者を見て、思わず子犬を連想する。
「…ごめん」
「すまない」
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