スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
ぼーっと外を眺める。
「……」
さっき見たモノが目に焼き付いていて、身体から力が抜けない。
対して先輩は静かに眠っている。
任務続きで疲労が溜まっているのだろう。
「…久我さんも、お疲れ様です。まだ経験浅いのに」
「ありがとう、ございます」
「まあ…」
藤波さんは1度言葉を区切り、次の言葉を探すように沈黙した。
「…なかなか慣れませんよね、こんな仕事」
「……そうですね」
嘘をつく。
慣れない?そんな訳ない。
だって俺は、
"元"殺し屋だから。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「九条さん、着きましたよー」
藤波の声が聞こえる。
うっすらと目を開け、また閉じる。
「…寝る」
「いや寝ないでください」
「寝るなら寮で寝ましょうよ」
「何故に」
「普通に迷惑でしょ」
千寿から鋭いツッコミが入る。
「…あ、九条さん…」
「んー?」
大変申し上げにくいのですが…と、藤波が言う。
嫌な予感しかしない。
「…任務…入りましたね」
「…………」
「……九条先輩…」
「哀れみの目を向けるな、余計抉れる…」
「さ、切り替えて行きましょう九条さん!」
「じゃ、俺高専戻ってるんで。あ、ファイトです先輩」
「千寿ぅー!!ありがとお"ー!!」
「情緒どうなってんですか貴方」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
寮に戻り、ある人に電話をかける。
「…あ、孔さん?」
「おお、久我か。聞いたぞ、呪術師になったってな」
なんだ、もう伝わってたのか。
「…はい。だから俺、殺し辞めます。…なんか急ですみません」
「いや謝んなくていい。……つっても正直、お前みたいな人材がいなくなんのは、かなり惜しいけどな」
「禪院…伏黒さんにも怒られますかね」
と苦笑する。
「大丈夫だろ。アイツお前に甘いし」
「あの人子供と妻いるでしょ」
孔さんが、ははっと短く笑う。
「ま、元気そうで良かったよ。伏黒には俺から言っておく。じゃあな」
「あざっした」
少しして電話を切る。
ポスッ
「…つっかれた〜」
このまま寝てもいいかな。
…いいか。
段々と瞼が重くなってくる中で、ふと思い出した。
「(あ)」
「(お面、車に置いてきた…)」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「藤波〜」
今日知ったばかりの名前を呼ぶ。
「任務嫌なんだけどー」
「私に言われましても…」
いやまあ誰に愚痴ったとて、任務の有無が変わるわけでは無い。が、その誰かに不満をぶちまけなければ、こんな仕事やってられん。
ダルーと両腕を投げ出すと、手に硬い感触がした。
「…ん?」
よく見れば、千寿にあげた狐面だ。
忘れてったのか置いてったのか知らないが、私は優しいから寮に戻ったら千寿の部屋に置いておこうと思う。
コレは[漢字]今[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]の千寿にはあった方がいい。
「ふぅ…」
ドアの方に、触れるか触れない程度に軽くもたれる。
何もする気が起きず、そこからはずっと、窓の外の景色に眼を注いでいた。
「……」
さっき見たモノが目に焼き付いていて、身体から力が抜けない。
対して先輩は静かに眠っている。
任務続きで疲労が溜まっているのだろう。
「…久我さんも、お疲れ様です。まだ経験浅いのに」
「ありがとう、ございます」
「まあ…」
藤波さんは1度言葉を区切り、次の言葉を探すように沈黙した。
「…なかなか慣れませんよね、こんな仕事」
「……そうですね」
嘘をつく。
慣れない?そんな訳ない。
だって俺は、
"元"殺し屋だから。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「九条さん、着きましたよー」
藤波の声が聞こえる。
うっすらと目を開け、また閉じる。
「…寝る」
「いや寝ないでください」
「寝るなら寮で寝ましょうよ」
「何故に」
「普通に迷惑でしょ」
千寿から鋭いツッコミが入る。
「…あ、九条さん…」
「んー?」
大変申し上げにくいのですが…と、藤波が言う。
嫌な予感しかしない。
「…任務…入りましたね」
「…………」
「……九条先輩…」
「哀れみの目を向けるな、余計抉れる…」
「さ、切り替えて行きましょう九条さん!」
「じゃ、俺高専戻ってるんで。あ、ファイトです先輩」
「千寿ぅー!!ありがとお"ー!!」
「情緒どうなってんですか貴方」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
寮に戻り、ある人に電話をかける。
「…あ、孔さん?」
「おお、久我か。聞いたぞ、呪術師になったってな」
なんだ、もう伝わってたのか。
「…はい。だから俺、殺し辞めます。…なんか急ですみません」
「いや謝んなくていい。……つっても正直、お前みたいな人材がいなくなんのは、かなり惜しいけどな」
「禪院…伏黒さんにも怒られますかね」
と苦笑する。
「大丈夫だろ。アイツお前に甘いし」
「あの人子供と妻いるでしょ」
孔さんが、ははっと短く笑う。
「ま、元気そうで良かったよ。伏黒には俺から言っておく。じゃあな」
「あざっした」
少しして電話を切る。
ポスッ
「…つっかれた〜」
このまま寝てもいいかな。
…いいか。
段々と瞼が重くなってくる中で、ふと思い出した。
「(あ)」
「(お面、車に置いてきた…)」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「藤波〜」
今日知ったばかりの名前を呼ぶ。
「任務嫌なんだけどー」
「私に言われましても…」
いやまあ誰に愚痴ったとて、任務の有無が変わるわけでは無い。が、その誰かに不満をぶちまけなければ、こんな仕事やってられん。
ダルーと両腕を投げ出すと、手に硬い感触がした。
「…ん?」
よく見れば、千寿にあげた狐面だ。
忘れてったのか置いてったのか知らないが、私は優しいから寮に戻ったら千寿の部屋に置いておこうと思う。
コレは[漢字]今[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]の千寿にはあった方がいい。
「ふぅ…」
ドアの方に、触れるか触れない程度に軽くもたれる。
何もする気が起きず、そこからはずっと、窓の外の景色に眼を注いでいた。
このボタンは廃止予定です