スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
「何でここに…!?」
「こっちのセリフだよ狐面!!」
「俺の名前は久我です!!」
「あーそうかよ!!」
「…何、知り合い?」
「はい、さっき話聞いた人ですよ。藤原さん」
「あ、もしかしてお連れの人?藤原です」
お、見た目超ヤンキーなのに案外しっかりしてるんだな、この人。
「ああはい、九条です。一応コイツの先輩」
「ふーん。というか、」
「おい狐面!ホントなんで来てんだよバカ!!」
「いやすみません…ホントに…。あと久我です」
あんだけ忠告したのによ…と藤原さんが愚痴をこぼしている。
いや千寿忠告されてたのかよ。
「っつーかさっきから何なんだよ、この匂い」
「見たいなら見ても良いけどね」
「あ?何かあんのか?」
「…供養なんかじゃねえぞ、こんなん。気色悪ぃ」
噂話じゃ無かったのかよ…と藤原さんがぼやく。
「…そのうち、警察にでも報告しないとですね」
「そうだね」「だな」
数秒ほど会話が途切れ、誰からともなく手を合わせる。
そしてまた、誰からともなく建物の外に出る。
3人で鉄扉を閉め、石階段の方へ戻る。
「ところで藤原さん、何でここに居たんですか?」
「いや、何かすげえ音したからさ。戦闘音、じゃねえけど」
「………」「………」
千寿と目が合う。
「…え、何だよ」
「いや、何でもないよ」
「はい、何でもないです」
「そうか…」
「…じゃねえよ絶対何かあんだろ!はぐらかすな!」
「何もないって!せ…久我が転んだんだ!」
「ちっげーy…です!」
「はー…まあいいけどよ。取り敢えず、警察には俺が言っとくわ」
「そう。よろしくね」
「あ、やっと見えましたよ階段」
「長かったなァおい」
「いや何で私のこと見んの」
「まあまあ…」
「じゃ、ここでお別れだね」
「元気でなー九条、狐面w」
「だから久我!」
「ははっ、藤原さんも元気で」
「おう」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
歩き続けて、やっと最初のところへ戻ってきた。藤波さんが帳を下ろしてくれた場所だ。
「いやー疲れました」
と、伸びをする。
「そうだね、私も疲労感エッグいよw」
伸びをした勢いで空を見る。先輩がさっき帳を破ったから、見上げれば星空が広がっている。
「外、いつの間にかだいぶ暗くなりましたね」
「時間かかったからねー。藤波さん呼ぶからちょっと待ってて」
「はい」
ふと、村の方を振り返る。
そういえば、村に入った時から一度も低級呪霊と鉢合わせなかった。九条先輩と神社に向かう時には何体か見たが、それも俺に危害を及ぼすほど近くには来なかった。
「(何でだろ…)」
コンッ カラカラ…
「お」
何の音かと思えば、俺の狐面が落ちた音だった。落ちた衝撃で村の方へ少し転がっていく。
多分紐が解けて落ちてしまったのだろう。
ゾワッ
「(え…)」
その時、村から凄く嫌な気配を感じた。何で?土地神は先輩が祓ったのに。
サッ
すぐに面を拾って先輩の方へ戻る。
「(何だよ今の…)」
「千寿、すぐ来るってさ」
「あっはい、分かりました…」
「…大丈夫か?なんかあった?」
「え…いや、別に」
「そうか?顔色悪いけど」
「大丈夫です」
「そう。なら良いけど」
「すみません、遅くなりました」
「いーや大丈夫。ありがとね」
何となく、また村を振り返った。
全身から血の気が引くのを感じる。
「久我さんも乗ってください」
「あ…はい」
車に向かう足が自然と速くなる。
村の方なんて振り返んなきゃ良かった。
村の大通りには、大量の呪霊が纏わりついた老婆が、何かをえぐり出そうとするかのような目付きで俺を凝視していたからだ。
「こっちのセリフだよ狐面!!」
「俺の名前は久我です!!」
「あーそうかよ!!」
「…何、知り合い?」
「はい、さっき話聞いた人ですよ。藤原さん」
「あ、もしかしてお連れの人?藤原です」
お、見た目超ヤンキーなのに案外しっかりしてるんだな、この人。
「ああはい、九条です。一応コイツの先輩」
「ふーん。というか、」
「おい狐面!ホントなんで来てんだよバカ!!」
「いやすみません…ホントに…。あと久我です」
あんだけ忠告したのによ…と藤原さんが愚痴をこぼしている。
いや千寿忠告されてたのかよ。
「っつーかさっきから何なんだよ、この匂い」
「見たいなら見ても良いけどね」
「あ?何かあんのか?」
「…供養なんかじゃねえぞ、こんなん。気色悪ぃ」
噂話じゃ無かったのかよ…と藤原さんがぼやく。
「…そのうち、警察にでも報告しないとですね」
「そうだね」「だな」
数秒ほど会話が途切れ、誰からともなく手を合わせる。
そしてまた、誰からともなく建物の外に出る。
3人で鉄扉を閉め、石階段の方へ戻る。
「ところで藤原さん、何でここに居たんですか?」
「いや、何かすげえ音したからさ。戦闘音、じゃねえけど」
「………」「………」
千寿と目が合う。
「…え、何だよ」
「いや、何でもないよ」
「はい、何でもないです」
「そうか…」
「…じゃねえよ絶対何かあんだろ!はぐらかすな!」
「何もないって!せ…久我が転んだんだ!」
「ちっげーy…です!」
「はー…まあいいけどよ。取り敢えず、警察には俺が言っとくわ」
「そう。よろしくね」
「あ、やっと見えましたよ階段」
「長かったなァおい」
「いや何で私のこと見んの」
「まあまあ…」
「じゃ、ここでお別れだね」
「元気でなー九条、狐面w」
「だから久我!」
「ははっ、藤原さんも元気で」
「おう」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
歩き続けて、やっと最初のところへ戻ってきた。藤波さんが帳を下ろしてくれた場所だ。
「いやー疲れました」
と、伸びをする。
「そうだね、私も疲労感エッグいよw」
伸びをした勢いで空を見る。先輩がさっき帳を破ったから、見上げれば星空が広がっている。
「外、いつの間にかだいぶ暗くなりましたね」
「時間かかったからねー。藤波さん呼ぶからちょっと待ってて」
「はい」
ふと、村の方を振り返る。
そういえば、村に入った時から一度も低級呪霊と鉢合わせなかった。九条先輩と神社に向かう時には何体か見たが、それも俺に危害を及ぼすほど近くには来なかった。
「(何でだろ…)」
コンッ カラカラ…
「お」
何の音かと思えば、俺の狐面が落ちた音だった。落ちた衝撃で村の方へ少し転がっていく。
多分紐が解けて落ちてしまったのだろう。
ゾワッ
「(え…)」
その時、村から凄く嫌な気配を感じた。何で?土地神は先輩が祓ったのに。
サッ
すぐに面を拾って先輩の方へ戻る。
「(何だよ今の…)」
「千寿、すぐ来るってさ」
「あっはい、分かりました…」
「…大丈夫か?なんかあった?」
「え…いや、別に」
「そうか?顔色悪いけど」
「大丈夫です」
「そう。なら良いけど」
「すみません、遅くなりました」
「いーや大丈夫。ありがとね」
何となく、また村を振り返った。
全身から血の気が引くのを感じる。
「久我さんも乗ってください」
「あ…はい」
車に向かう足が自然と速くなる。
村の方なんて振り返んなきゃ良かった。
村の大通りには、大量の呪霊が纏わりついた老婆が、何かをえぐり出そうとするかのような目付きで俺を凝視していたからだ。
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