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この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

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スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#17


本殿の横から奥に回る道をみつけ、それを辿る。
鈴の音に近づくにつれて気配が濃くなっていく。
ここまでとなると、やっぱ土地神か。そりゃあ準1級なんてレベルじゃないなー、1級案件だ。
「(そろそろ上層部シバくべきか…?)」
ま、今回は丁度いいか。この呪力量なら高確率で領域も使えるでしょ。
こりゃ負けらんねーな。

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

「…九条先輩、アイツはヤバいですって」
俺と先輩の目線の先には、夥しい数の彼岸花と、異様な雰囲気を醸し出している土地神が居た。
土地神は俺が想像していたよりも遥かに禍々しい姿をしている。
「どんだけヤバくても、相手できんのは私らだけだよ」
「…でも」
「大丈夫だって。千寿は私が守るから」
違う、俺が不安なのはそれじゃない。
「…死なない…ですか?」
「だから安心しろって、君はちゃんと守る…」
違う、俺じゃない。
「そうじゃなくて…!!」

「先輩は…?」
喉の奥から絞り出すような、か細い声が洩れる。
「九条先輩は…死なない、ですか?」
無意識に腰の日本刀を握りしめて言う。
九条先輩は少し目を見開いたあと、やれやれとでもいうように苦笑し、小さく首を振った。
「大丈夫」
先輩は、ぽんっと俺の頭に手を乗せる。
そして自信に満ち溢れた口調でこう言った。

「私が負けるのは可笑しいからな」

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

「ってことで千寿くん」

「呪術界における領域とは何か分かったかね?」
「分かったかねってッ…!!この状況で理解できるとでも!?」
「いや、千寿ならできるかなって思って」
「俺そんな能力ないですよ!」
私達は現在、土地神の物理攻撃を躱しつつ領域についての講義をしている。
千寿もああは言いつつある程度は理解しているだろうし、そろそろ良いかな。ま、体力的にも限界だろう。
「そんじゃ鬼ごっこはここまで。百聞は一見に如かずと言うしね、さっそく領域バトルでもしようか」
「領域展…」
「[斜体]領域展開・天蓋ノ花[/斜体]」
私が掌印を結ぶよりも、更に早く土地神が掌印を結ぶ。

瞬間、私の目には、先程とは比べ物にならないほどの赤い彼岸花と、いっそ憎らしいほどに澄み切った青い空が映った。
「おっと…」
「先輩…」
と、千寿が私に呆れの目を向ける。
「すまん、アイツのが早かった」
「ええー…」
「ま、グダグダ言ってねーでさっさと押し合いしちゃおうか」
相手が術式を発動する前に、もう一度掌印を結ぶ。
「領域展開・唯我独尊」
一面に広がっていた赤と青を、私の領域が呑み込む。
完全に私の領域が勝ったとき、千寿が隣でポツリと呟いた。

「雪…?」

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

テスト期間入ったので、投稿頻度がめちゃくちゃ落ちると思われます。
もしかしたら一回も投稿できねー可能性がございますんで、気長にお待ちを。

2024/09/07 15:16

Ariadne ID:≫1p5msoFl29r8c
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