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この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

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スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#16


[中央寄せ]*[/中央寄せ]

「先輩!」
「お、来たね」
「すんません…思ったより遠くて…」
「はは、良いよ別に。で、なんか分かった?」
「…はい。最低限の情報は」
ピンッと空気が張り詰める。
「そ。じゃ、説明よろしく」

俺は藤原さんから聞いたことをそっくりそのまま、九条先輩に伝えた。
「…本当だとしたら、結構ヤバいねーソレ」
天蓋神社って私がさっき行ったとこじゃん、と先輩が薄ら笑を浮かべながら呟く。マジかこの人。
「何でちょっと嬉しそうなんすか先輩…」
「呪いも強そうじゃん?ソイツとやりたいことがあってさ」
「ふーん…?」
大方、術式の試運転といったところだろうか。
次の段階にいくーだとかタイミングがーとか言ってたしそれもあるかな。
「私さ、天蓋神社に入ろうとしたんだけど、どっかのばあさんに凄い止められたんだよ」
「入ろうとしたんすね」
「だからまあ、神社に入ったのバレたら面倒なことになりそうっつーのは覚えといて」
「了解です」
「さ、そうと決まればさっさと行こうか」
「ですね」

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

そこら中に湧いている低級呪霊を祓いながら、ようやく天蓋神社の目の前まで来た、が。
「……なんか、」
「ヤバくないすか?」
「あ、わかる?ヤバいよね」
「さっき来たときもこんなだったんですか?」
「ここまでヤバくはなかったかな」
「取り敢えず誰かにバレないうちに入りましょう」
「だね」
2人で、[打消し]   [/打消し]私はさっきと同じように[打消し]    [/打消し]石階段に足をかけた瞬間。
シャーンッ!
「うわっ」「わお」
鈴を思い切り振ったような音が鳴り響いた。
「びっくりした…」
「今の、上から聞こえた?」
「はい、多分」
「じゃ早く行こう、走るよ」
「ええっ!?」

ダッシュで階段を上りきり、まだ少し後ろにいる千寿を横目に辺りを見回す。
何の変哲もない、誰もいない古びた神社があるだけだ。
「上だと思ったんだけどな…」
もう一度耳を澄ます。
「(ん?)」
「先輩速いって…!」
「千寿、静かに」
「?」
千寿は一瞬困惑したような表情を見せたが、何も聞かずすぐに口を閉じた。
[小文字]シャーン…シャーン…[/小文字]
「…本殿より奥からだな」
「さっきは下にいても聞こえましたよね」
「それもかなりの音量でね」
「ってことは本殿の奥の方に行ってる…んですか?この音」
「うん、私もそう思う。ま、相手が呪いならその理屈は通じない場合もあるけどね。取り敢えず追いかけようか」
「…走ります?」
と気怠げに尋ねた千寿に対し、私は挑発するような笑みを浮かべて言う。
「逆に走らないとでも思ってんの?」
「…はいはい、分かりましたよ。走ればいいんでしょー走れば」
「はは、よく言った後輩」
タタタタタタッ
「あ、そういやさ」
「?はい」
「千寿、術式って使える?」
「まあ一応。何となく分かってます」
「お、いいね。因みにどんな術式?」
「夜蛾さんが言うには"幻覚呪法"らしいです。対象に幻覚を見せる術式ですね、相手に接触することが発動条件の」
「ははっすっげー。独裁国家作れんじゃん」
「作るわけないでしょーが」
「気が変わるかもよ」
「変えませんよ」
「そりゃ安心」

シャーン
先程よりも近くで、鈴の音が鳴り響いた。

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作者メッセージ

作者は
いつでも
コメント
待っております。
是非
よろしくお願い
します!

2024/09/01 18:23

Ariadne ID:≫1p5msoFl29r8c
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