スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「あ、そういえば俺」
「高専の制服きたんすけど」
「おお、部屋にある?」
「はい」
「じゃ着替えてきな。私は高専の入口ら辺いるから」
「了解です」
「できるだけ早くねー」
「はーい」
「先輩!」
高専の方から千寿が走ってくる。
いやスタイルエッグいな、術師より天職あるだろコイツ。モデルとか。
「制服似合ってんじゃん」
高専の制服はカスタムOKだから結構その人の個性が出る。
私もスカートじゃなくてズボンにしたし。
「ありがとうございます。面白みはマジでないですけど」
「変に着飾ってダサくなるより良いっしょ」
「それもそうか…」
「よろしくお願いします。あ、久我です」
「藤波と申します、これからよろしくお願いします」
藤波か、覚えとこ。
「では向かいましょう」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「こちらが任務の詳細になります」
「あんがと」
「これ何級の任務なんですか?」
「んー多分準1?」
「なんで疑問形なんすか…」
「任務地がちょっと厄介かもしれなくてさ」
「見てみ」
と紙を渡され、任務地の欄に目をやる。
聞いた事のない地名とそこにある神社が複数載っている。
「どこっすかコレ」
「私も知らないし多分田舎。藤波、こっからどれくらい?」
「飛ばしても30分以上はかかります。まあ山奥の集落ですからね」
「遠いな〜」
「ここがどうかしたんですか?」
「こういう山奥って人の往来が少ないから、昔っから伝わる迷信的なやつがやっぱ多いんだよね。つまり呪いのレベルが高い」
何それ嫌だなー…。
「先輩、ここに載ってる神社、全部同じ神様を祀ってるらしいです」
九条先輩にスマホの画面を見せる。
「へえ、珍しいね。ここの土地神を集落全体で祀ってんのかな」
「そういうのあるんですか?」
「さあね。でももしそうだとしたら」
「私らの相手は[漢字]土地神[/漢字][ふりがな]ソイツ[/ふりがな]の可能性が高い」
「…神様が呪いになることもあるんですか」
「あるよ。呪いは人間の気持ちが元になって生まれる存在だろ。だから、神様に対する感情次第では全然有り得る」
「こういう閉鎖的な空間で共有化された神様のイメージと、それに向けられる人々の想いは、必ずしも綺麗なものだけじゃない」
人間が忌み嫌うことで、神様の姿が変わってしまう。
「なんか、寂しいです。そういうの」
「…そっか」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「到着です。帳を下ろします。ご武運を」
「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」
ドドドドド
「すげえ…」
「そっか、歌姫センパイとのやつ屋内だったもんね」
あまり見えなかったんだろう。
「さて、どこから攻める?」
「まずは集落の人達の産土神へのイメージを聞き出します」
「そうしようか。じゃあこれ着けて」
と黒い狐の面を渡す。
「わかりました…けど、何で?」
「千寿イケメンだから」
「ふざけてます?」
「ごめんて」
「集落の人に視線を悟られないようにするためだよ。こういう周りと関わりを持たないような場所で私らが歓迎されるとは限らないしね」
「ふーん…」
「そもそも見た感じ土地神以外にも低級呪霊が蔓延ってるっぽいし、多分良い人ばかりじゃない」
「そういうことですか。てかどこで手に入れたんすかコレ」
「百均」
「(売ってんだ…)」
「別行動にします?割と広そうですし」
「だね」
「じゃあ俺こっち側行きます」
「いや私が行くよ。千寿は反対側行って」
「(何でだ…?)」
「(まあいっか)分かりました」
「あ、千寿ちょっと待って。言い忘れてた」
と歩き出そうとする千寿を呼び止める。
「何ですか?」
「今回の3大原則」
人差し指を立てて言う。
「1、危険だと思ったらすぐ逃げること。死んだら意味ないよ」
次に中指も立てて言う。
「2、逃げようとして闇雲に走らないこと。つまり私のいる方に来ること」
次に薬指を立てて言う。
「最後、絶対にその面を外さないこと。何があるか分からないからね」
「了解です」
「じゃあ30分後、ここに集合でいいですか?」
「ん、良いよ」
私たちは別々の方向へ歩き出した。
「あ、そういえば俺」
「高専の制服きたんすけど」
「おお、部屋にある?」
「はい」
「じゃ着替えてきな。私は高専の入口ら辺いるから」
「了解です」
「できるだけ早くねー」
「はーい」
「先輩!」
高専の方から千寿が走ってくる。
いやスタイルエッグいな、術師より天職あるだろコイツ。モデルとか。
「制服似合ってんじゃん」
高専の制服はカスタムOKだから結構その人の個性が出る。
私もスカートじゃなくてズボンにしたし。
「ありがとうございます。面白みはマジでないですけど」
「変に着飾ってダサくなるより良いっしょ」
「それもそうか…」
「よろしくお願いします。あ、久我です」
「藤波と申します、これからよろしくお願いします」
藤波か、覚えとこ。
「では向かいましょう」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「こちらが任務の詳細になります」
「あんがと」
「これ何級の任務なんですか?」
「んー多分準1?」
「なんで疑問形なんすか…」
「任務地がちょっと厄介かもしれなくてさ」
「見てみ」
と紙を渡され、任務地の欄に目をやる。
聞いた事のない地名とそこにある神社が複数載っている。
「どこっすかコレ」
「私も知らないし多分田舎。藤波、こっからどれくらい?」
「飛ばしても30分以上はかかります。まあ山奥の集落ですからね」
「遠いな〜」
「ここがどうかしたんですか?」
「こういう山奥って人の往来が少ないから、昔っから伝わる迷信的なやつがやっぱ多いんだよね。つまり呪いのレベルが高い」
何それ嫌だなー…。
「先輩、ここに載ってる神社、全部同じ神様を祀ってるらしいです」
九条先輩にスマホの画面を見せる。
「へえ、珍しいね。ここの土地神を集落全体で祀ってんのかな」
「そういうのあるんですか?」
「さあね。でももしそうだとしたら」
「私らの相手は[漢字]土地神[/漢字][ふりがな]ソイツ[/ふりがな]の可能性が高い」
「…神様が呪いになることもあるんですか」
「あるよ。呪いは人間の気持ちが元になって生まれる存在だろ。だから、神様に対する感情次第では全然有り得る」
「こういう閉鎖的な空間で共有化された神様のイメージと、それに向けられる人々の想いは、必ずしも綺麗なものだけじゃない」
人間が忌み嫌うことで、神様の姿が変わってしまう。
「なんか、寂しいです。そういうの」
「…そっか」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「到着です。帳を下ろします。ご武運を」
「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」
ドドドドド
「すげえ…」
「そっか、歌姫センパイとのやつ屋内だったもんね」
あまり見えなかったんだろう。
「さて、どこから攻める?」
「まずは集落の人達の産土神へのイメージを聞き出します」
「そうしようか。じゃあこれ着けて」
と黒い狐の面を渡す。
「わかりました…けど、何で?」
「千寿イケメンだから」
「ふざけてます?」
「ごめんて」
「集落の人に視線を悟られないようにするためだよ。こういう周りと関わりを持たないような場所で私らが歓迎されるとは限らないしね」
「ふーん…」
「そもそも見た感じ土地神以外にも低級呪霊が蔓延ってるっぽいし、多分良い人ばかりじゃない」
「そういうことですか。てかどこで手に入れたんすかコレ」
「百均」
「(売ってんだ…)」
「別行動にします?割と広そうですし」
「だね」
「じゃあ俺こっち側行きます」
「いや私が行くよ。千寿は反対側行って」
「(何でだ…?)」
「(まあいっか)分かりました」
「あ、千寿ちょっと待って。言い忘れてた」
と歩き出そうとする千寿を呼び止める。
「何ですか?」
「今回の3大原則」
人差し指を立てて言う。
「1、危険だと思ったらすぐ逃げること。死んだら意味ないよ」
次に中指も立てて言う。
「2、逃げようとして闇雲に走らないこと。つまり私のいる方に来ること」
次に薬指を立てて言う。
「最後、絶対にその面を外さないこと。何があるか分からないからね」
「了解です」
「じゃあ30分後、ここに集合でいいですか?」
「ん、良いよ」
私たちは別々の方向へ歩き出した。
このボタンは廃止予定です