- 閲覧前にご確認ください -

この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

文字サイズ変更

スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#10


[中央寄せ]*[/中央寄せ]

呪霊が攻めてこない。遠距離で削る気か。
九条は前に出ないな…無理矢理にでも引っ張り出さねえとジリ貧で負ける。
「ビビるな九条!突っ込め!!相手が強かろうが、状況は2対1だ!!」
返事は無いが呪霊に向かって走っているから、まあ伝わっているだろう。
俺も呪霊の背後へ回る。
そして俺が呪霊の死角に入った瞬間、呪霊の動きが止まった。
術式使ったな。
まずは腕を落とす。
ザシュッザシュッ
呪霊が俺に気を取られた。
もちろん上にいる九条には気付かない。
ドスッ
ザフッ…
「日下部さんナイス」
「俺じゃねえよ。相手の間合いに入る[漢字]速度[/漢字][ふりがな]スピード[/ふりがな]、術式を発動するタイミング、呪具の扱い、お前は全て上出来だ。言うことないな」
「はは、言い過ぎっしょ」
「んな事ねーわ。まあ何か言うとすれば、」

「もっと強引になれ、自分に期待しろ」

「そんだけだ」
「…日下部さんにしては良いこと言いますね。」
「なんだよ俺にしてはって」
「いや別に」

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

「千寿!」
高専の共有スペースにいた俺を、誰かが呼ぶ。
「あ、九条先輩!」
「1級昇格任務、でしたっけ。お疲れ様です」
「ありがとー。私は良い後輩を持ったな」とヘラヘラ笑った。
「大袈裟でしょう」
「まさか」
共有スペースには自販機もある。
限られた業者しか入れない高専の中では貴重だ。
「なんか要る?」
「え、良いんですか?」
「おう」
「じゃあ…コーラで」
「じゃ私も同じのにしよ」

「はいどーぞ」
「ありがとうございます」
「ん」
缶を開ける音が響く。
「…そういやさ」
「んっ、はい」
飲んでいる時に喋りかけるのはやめて欲しい。
「千寿と私が会ったとこあるじゃん。アレってなんなの?」
「あー…」
「まあ、宗教団体の本部…みたいな」
「マジかよ、ウケる」
「真顔で言いますかそれ」
「てか何、仏教とか?」
「いえ、あんまり有名じゃないと思うんですが、」

「"盤星教"です。正式名称は知りませんけど」
「……盤星教」
「はい。え、なんかあるんですか?」
「…………」
「…君、盤星教信者?」
「え、あっいや、俺じゃなくて…」
ズシンと空気が重くなった気がする。
九条先輩の口調が変わったせいもあるだろうか。
背中を冷たい風が通り抜けるような錯覚を覚える。
「俺の親が信者で…」
「俺は勝手に連れて行かれてただけ…です」
圧が凄い。自然と声が掠れ、恐怖心が芽生える。

「ははっ」
先輩が急に笑う。
同時に圧迫感も消え、思わず安堵のため息が漏れた。
「なーんだ君じゃないの。失礼失礼」
「…俺だとなんかまずい事でもあるんですか」
「んー…盤星教が何を信仰してるか、知ってる?」
「あんまり…」
「うん。盤星教はね、呪術界の要である天元様を信仰崇拝してる"非術師"で構成された宗教団体。そんで盤星教と私らは、簡単に言えば敵対しちゃってんの」
「へえ…」
俺は盤星教を通じて、少なからず呪術界に関わっていたというわけだ。
この件に関しては親に感謝だな。
「どうしようか。高専入学、両親に連絡する?」
「しませんよ。反対される」
「だよね。…あ、前の高校って…」
「進路変更って言って自主退学にしときました」
「やるね、さすが私の後輩」
「あざす」
俺もなかなか良い先輩を持ったと思う。

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

お久しぶり!
もうすぐテスト期間なんで、それまで書き溜めしとこうと思います✌️

2024/08/17 16:14

Ariadne ID:≫6p.cEn9OdjHl6
続きを執筆
小説を編集
/ 32

コメント
[2]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL