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立原の妹、猟犬に溺愛されます。

#15

十三話

●●side
条野「あ、●●。篠崎薫について調べておきましたよ」

●●「! 有難う御座います!」

頼んでいたやつだ。

渡された資料をペラペラと捲りながら条野さんの言葉を聞く。

条野「フィンランドに留学していた男ですね。八年前に警察官に対しての殺人未遂、其の後懲役7年の判決が下されています」

●●「フィンランドに留学…其れでフィンランド語が話せるんですね」

条野「そのようですね」

●●「でもなんで警察官を…?」

条野「…8年前に起きた立てこもり事件を知っていますか?」

●●「その時はまだ9歳だったけど…ええ、聞いた事はあります」

条野「その時の人質が彼の妹です。軍警が駆け付けておき乍ら殺されました。軍警を恨んでいたことでしょうね」

●●「そうですか…兄妹が。其れは十分な理由ですよね」

私には兄弟をなくす苦しみが判る。

どれだけ苦しかっただろう…

●●は顔を上げた。

●●「条野さん、有難う御座います!引き続き調べますね」

条野「…頑張ってくださいね」

条野さんが、私の頭をぽん、と一度撫でた。

●●「んふふ、、有難う御座います」


条野side
篠崎の妹が死んだことを伝えると、●●の心拍が少し上がった。

●●「条野さん、有難う御座います!引き続き調べますね」

無理に明るく振舞わなくて善い。

条野「…頑張ってくださいね」

そう云いながら、私は●●の頭を一度撫でた。

●●の嬉しそうな声が聞こえる。

●●「んふふ、、有難う御座います」

条野side終了


●●side
今迄最悪としか考えていなかった篠崎に、少し同情した自分が居る。

私は会議室から出て、少し歩いてから地面にしゃがみ込んだ。

●●「[小文字]春蝉兄さま…[/小文字]」

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2024/07/31 12:32

翡翠 ID:≫4pMLygatNXo7c
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