怜央と海里は二人揃って、建物の中に入る。
だが、二人の姿は先程とは違う。
怜央は伸ばしている紫髪の上から黒のウィッグを被って、幼く見えやすい顔付きはメイクによって精悍な青年になっていた。
海里は右目の赤色に合わせて、両目を赤色のカラコンで揃えている。そして、い黒髪はいつもと違う明るい金髪に変わっていた。
怜『いいか、海里。オレのことは”[漢字]東雲[/漢字][ふりがな]しののめ[/ふりがな]”と呼べ』
海「はい、ボス」
怜『”東雲”だ』
外行き用の怜央の名前だ。幼い頃近所に住んでいた少年の名を借りたのだ。
まぁ、その少年はずいぶん前に事故で亡くなってしまったが。
怜央は高級スーツの懐にナイフを隠す。
恐らく、海里も銃と短剣をしまっているのだろう。
そして、ごく自然な動きでターゲットがいる会場へと入っていった。