フツメンレベル1のモブの俺に恋がやってきた
中学3年の夏に俺は焦った。このままでいいのかと…そう俺は、体重80kg越えのデブだった。超絶キモオタクと呼ばれイジメを受けて転校を繰り返す日々。
俺はこのまま変わらないままでいいのか?それでいいのか?疑問に思った。それじゃだめだと、変わらないといけないとだから行動に移した。
中学生活最後の1年を俺は、ダイエットに費やした。一年間かけて俺は35kg落とした。あかぬけというより生まれ変わったのか?ってレベルでみちがえていた。元々の顔は悪くなかったてのもあるのだろうが。
痩せただけでいつもの生活とたいして変わってない。ダイエットの後はまたお金をエンタメに費やした。いじめられることもなくなり、ともだちも…中学では結局、コミュ症でできなかった。
俺は、そのまま勉強をしまくり偏差値78のバチくそあたまのいい私立の高校にギリギリで滑り込んだ。ギリギリだ…。
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高校1年の11月
「うう、寒い…死ぬ」手が痛くて痛くてしょうがない…ジンジンして思わず自分の手に息を吹きかける。俺は、夏こそ嫌いだが冬も嫌いだ。なんせくだらないクリスマスとやらくそイベントがあるから。
俺は、彼女がこの七ヶ月間でできていない。モテていもいない。せっかく痩せたのに何も変わらなかった。それもそのはず、俺の通っている高校は美男美女が多く揃っているのだからな。
それに比べて俺は、ダイエットして変わったにしてもここにくれば至ってフツメンのレベル1って感じのもぶキャラだ。
「はあ〜」帰り道に大きくため息をする。
「どうしたんだよハルト」話しかけてきたのは東川瑠偉。
「いや、なんでもない。」
俺には高校になって2人の友人ができた。初っ端入学式で俺は机に座ってスマホゲームをしていた。1人ガチャを引いて盛り上がって居たところに話しかけてきた。
「さて、また彼女ができて居ないのにイライラしててんだろ」ひょこっと顔を出したのは神路将暉だ。
「黙れ、リア充は引っ込んでろ」
「はい、はい、相変わらず冷たいね」
瑠偉はサッカー部、将暉は野球部とどちらも部活をやっている。俺はもちろん帰宅部だ。運動できないわけではないが、得意なわけでもない。
球技に関しては中の下くらいには下手くそだ。
将暉はしっかりと彼女がいるらしい。隣のクラスでとても元気のある人だった。お似合いって感じだ…俺にはテンションが合わないけど。
瑠偉は俺らに比べても相当なイケメンだ。紳士的で気遣いもできる優男。モテるらしいが彼女は居ないらしい。
「はるとももっと髪型とかがんばればモテてると思うし、人気出ると思うんだよな」
俺の髪の毛をモシャっとかきあげなら将暉は言ってくるが今さらだよ。痩せてそれらしくなったがファッションとかは全くわからん。
「あんまり触ってくるな」バシッと手を振り払う。
「へいへい。あ、そういえば明日は席替えらしい」
「そうか」
「へ〜初耳だ」
席替えか…いざ変わったところで興奮もない。楽しみではない。現に今何回か席替えしたが対して状況は変わってない。
「あと、明日転入生が来るらしい」
サラッと将暉は言ったがこいつが何故それを知っているか…
「そうなの〜?誰が言ってたん」ポカンっとした顔で瑠偉が聞いた。
「うん〜?そりゃ、ななちゃん情報」
ななちゃんというのはこいつの彼女のなまえ、鈴木奈々だ。
「相変わらずだな」呆れた顔で聞いていると…
「どうやら女の子らしいぞ?」
「へえ〜珍しいね、この時期に転入なんて」
「そうだろ〜?」
瑠偉と将暉が帰り途中で買ったカフェオレを飲みながら話を進める。
ちなみに俺はコンポタージュを飲む。ココアでも良かったけどコンポタージュもありだよな。
「それでよ、はるとさん〜」
ニマニマと悪い笑みを浮かべる将暉は、ゴマをする様な仕草をした。
「なんだよ気持ち悪い顔だな」
「いやあ、狙ってもいいだよ?」
「なっ、やかましい。」俺はすかさず将暉の腹にジャブを入れる。
「痛い。たく、すぐに人を叩くもんじゃねえよ!」
「ごめん、サンドバックと間違えた」
「まあ、まあ、そこらへんにしときな」
瑠偉が間に入って仲裁をして会話は終わった。
「じゃあまた明日。」
「おう」
「またね」
瑠偉と将暉は同じアパートに1人ぐらししている。だから道の違う2人とは分かれることになる。ちなみに俺はマンションで家族と過ごしている。
「うう、寒い早く帰ろ」
少しスピードを上げて家に帰る。そして今すぐにガチャを引きたいのだ。今月は俺の好きな異世界系アニメのコラボでキャラが出るのだ!!これを待って居た。
待ち望んでいたのだ!これのために毎日クエストをクリアしてコインを貯めたのだ!
小走りで帰っていくとだんだん住んでいるマンションが見てきた。中のエレベーターで4階まで上がると、なんだが隣の隣部屋が騒がしかった。
(引越しか?こんな時間まで。もう6時になるぞ)
水曜日は部活がない。だから瑠偉たちと帰ってこられたのだが、結構道草食ってたので遅くなっている。冬だけのことあってあたりも結構暗い。帰る時もあまり見えなかったしな。
「まあ、いいか。それよりガチャをしないと」
ドアを開けて俺は家の中に入った。
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「ただいま〜」
「あ、お兄ちゃん。おっか〜」
リビングの部屋のソファにぐだ〜っと寝転がっているのは妹のひまり。中3で俺の一個したになる。
「おにい、私先にリリエ当てたから〜」
満面の笑みで自慢してくるのは、少し腹立つ。リリエはコラボキャラの俺が欲しかったキャラ。ひまりも同じゲームをしている。
「まじか!!くっそ…俺が先に当てたかった…」
「フフ、あっお母さんとお父さんはまだ帰ってこないってよ」
「そうか、あとお前先に服着ろ」
俺のTシャツに下はパンツのみというだらしない格好をしている。全くこんなひまりは俺と違い友達も多く、顔も結構いい。
「どうしたの〜恥ずかしいの?」
「んなわけねえだろ」
「あはははははは。いっで、」
軽くチョップして俺はキッチンで今日の飯を作り始める。母さんと父さん、ひまりは俺の高校と一緒に引っ越してきた。そして、どっちも仕事が忙しいから夜遅くまで帰ってこない。ほんと迷惑をかけていると思っている。
「ひまり、台拭いてごはんつげよ」
「は〜い」
久しぶりカレーを作ってみたが、やっぱり美味しいな。自分で言うのもなんだけど。カレーなら明日は作らなくてすむな。
風呂に入って、寝る…前に、10連を引く。さあ、こい!俺のリリエ!!ドラム音が流れて順番にキャラと装備が出てくる。俺はそれに夢中でスマホを見つめる。
「…」
「はっ、きたああああああああああああ!!!」
「お兄ちゃんうるさい!」
リリエに感激していたせいでひまりの声は届いて居なかった。
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