二次創作
先生、助けに来たで
[太字][大文字][中央寄せ] ※番外編です。コネシマがメインです。[/中央寄せ]
[/大文字][/太字]
これは、ゾムたちが猿山を助けに行くより少し前の話…
―12月24日―
「せんせ〜さよ〜なら、みなさんさよ〜なら!」
小学生たちが元気よく挨拶をし、わらわらと帰っていく。今日は終業式。明日からは冬休みだ。
「ゾムゾム、明日オレん家で遊ぼうぜ!」
ゾムのクラスメートが彼を誘う。しかし、ゾムは首を横に降った。
「悪い、オレ予定入ってるんや」
「あ、そっか。ごめんな」
彼は他の友だちを誘いにいった。ゾムの口から白い吐息が漏れる。
「猿山、今日くらいはいるかなぁ」
ふと、思い出したように呟く。その言葉は、"彼"の耳に届いた。
「いるに決まっとるやんゾム!」
「!コネシマ!!」
ガシッと肩を掴まれる。彼の笑顔を見ていると、なんだか本当にいる気がしてきた。
「なぁシッマ、今夜みんなを誘って見に行ってみぃへんか?」
「あ〜…オレは別に"大丈夫"だけど、他の奴らは無理なんやないか?ほら、サンタさんがいつ来るかわからんから…」
と、ちょっと悲しそうな顔で言うコネシマ。ゾムはハッとした顔をして、「ごめん」と謝った。
(シッマ、親が仲悪いからクリスマス楽しめてへんのかな…)
「そんな顔すんなってゾム!…今夜猿ゥに会いに行ってみるで、オレは。ゾムはどうするんや?」
「…行きたい、けど…たぶん行けへんわ」
「そっか…じゃあオレがいたら連れてくるわ!」
「!ほんとかシッマ!!」
「あぁ!任せときぃ!!じゃ、そろそろ帰るとしますか」
「じゃ〜なシッマ!」
こうして彼らは帰宅した。高鳴る鼓動を、感じながら…
―午前零時―
「…せんせ〜、いますか??」
コネシマの声が孤独に響く。冷たい北風が彼の頬を撫でた。
「せんせ〜、今日くらい出てきてくださいよ!」
少し声を大きくしてみる。しかし、神社からはコネシマの声以外聞こえなかった。
「…ゾムが待ってるんすよ。先生に会いたいって」
わずかに期待してそう口にしたが、やはり彼は現れない。コネシマはため息をつくと、ドカッと階段に座り込んだ。
「…せんせ〜、聞いて下さいよ。オレ、"夫婦円満"を祈ったのに全然仲良くならないんっすよ、オレの親」
なんでもないように言ってみたが、ツンと鼻の奥が痛くなる。グッと下唇を噛んだ。
「今年のクリスマスも、プレゼントは無いんかな…」
そう言ってフッと笑みを浮かべる。乾いた笑いが口から漏れた。
「…帰るっすね、先生」
しびれた足を伸ばしながら、彼はまっすぐ帰宅した。
―10分後―
「はぁ〜、ねむ…今日は寝るか。明日ゾムに謝んないとなぁ」
そう呟きながらベッドに向かう。もう親は寝静まっていた。…ふと、見知らぬ物体がベッドに置いてあることに気づく。
「…え」
(これって…クリスマス、プレゼント?)
近づいてみると、何やら付箋が貼ってある。月明かりに当てて、書かれた文字を読んでみる。
[中央寄せ]コネシマへ
驚いたか?それは先生からのクリスマスプレゼントだ。ゾムたちにも色違いのものを渡しておくから、大切に使うんだぞ?[/中央寄せ]
[右寄せ]お前らの先生 猿山より[/右寄せ]
「せん、せ…」
驚きと同時に、嬉しさがじんわりと胸を温める。涙で視界がゆがんで文字が見えなくなってきた。ゴシゴシと目を擦ると、コネシマは生まれて初めてのクリスマスプレゼントを開ける。中に入っていたのは、[漢字]水色[/漢字][ふりがな]イメージカラー[/ふりがな]のマフラー。彼は空を見上げてニッと笑ってみせた。
「ありがとな、猿ゥ!」
「メリークリスマス、お前ら」
青いニット帽を被ったサンタは、そっと微笑んだ。
翌朝、色違いのおそろいマフラーを巻いた小学生5人が、元気に登校したそうな。
[/大文字][/太字]
これは、ゾムたちが猿山を助けに行くより少し前の話…
―12月24日―
「せんせ〜さよ〜なら、みなさんさよ〜なら!」
小学生たちが元気よく挨拶をし、わらわらと帰っていく。今日は終業式。明日からは冬休みだ。
「ゾムゾム、明日オレん家で遊ぼうぜ!」
ゾムのクラスメートが彼を誘う。しかし、ゾムは首を横に降った。
「悪い、オレ予定入ってるんや」
「あ、そっか。ごめんな」
彼は他の友だちを誘いにいった。ゾムの口から白い吐息が漏れる。
「猿山、今日くらいはいるかなぁ」
ふと、思い出したように呟く。その言葉は、"彼"の耳に届いた。
「いるに決まっとるやんゾム!」
「!コネシマ!!」
ガシッと肩を掴まれる。彼の笑顔を見ていると、なんだか本当にいる気がしてきた。
「なぁシッマ、今夜みんなを誘って見に行ってみぃへんか?」
「あ〜…オレは別に"大丈夫"だけど、他の奴らは無理なんやないか?ほら、サンタさんがいつ来るかわからんから…」
と、ちょっと悲しそうな顔で言うコネシマ。ゾムはハッとした顔をして、「ごめん」と謝った。
(シッマ、親が仲悪いからクリスマス楽しめてへんのかな…)
「そんな顔すんなってゾム!…今夜猿ゥに会いに行ってみるで、オレは。ゾムはどうするんや?」
「…行きたい、けど…たぶん行けへんわ」
「そっか…じゃあオレがいたら連れてくるわ!」
「!ほんとかシッマ!!」
「あぁ!任せときぃ!!じゃ、そろそろ帰るとしますか」
「じゃ〜なシッマ!」
こうして彼らは帰宅した。高鳴る鼓動を、感じながら…
―午前零時―
「…せんせ〜、いますか??」
コネシマの声が孤独に響く。冷たい北風が彼の頬を撫でた。
「せんせ〜、今日くらい出てきてくださいよ!」
少し声を大きくしてみる。しかし、神社からはコネシマの声以外聞こえなかった。
「…ゾムが待ってるんすよ。先生に会いたいって」
わずかに期待してそう口にしたが、やはり彼は現れない。コネシマはため息をつくと、ドカッと階段に座り込んだ。
「…せんせ〜、聞いて下さいよ。オレ、"夫婦円満"を祈ったのに全然仲良くならないんっすよ、オレの親」
なんでもないように言ってみたが、ツンと鼻の奥が痛くなる。グッと下唇を噛んだ。
「今年のクリスマスも、プレゼントは無いんかな…」
そう言ってフッと笑みを浮かべる。乾いた笑いが口から漏れた。
「…帰るっすね、先生」
しびれた足を伸ばしながら、彼はまっすぐ帰宅した。
―10分後―
「はぁ〜、ねむ…今日は寝るか。明日ゾムに謝んないとなぁ」
そう呟きながらベッドに向かう。もう親は寝静まっていた。…ふと、見知らぬ物体がベッドに置いてあることに気づく。
「…え」
(これって…クリスマス、プレゼント?)
近づいてみると、何やら付箋が貼ってある。月明かりに当てて、書かれた文字を読んでみる。
[中央寄せ]コネシマへ
驚いたか?それは先生からのクリスマスプレゼントだ。ゾムたちにも色違いのものを渡しておくから、大切に使うんだぞ?[/中央寄せ]
[右寄せ]お前らの先生 猿山より[/右寄せ]
「せん、せ…」
驚きと同時に、嬉しさがじんわりと胸を温める。涙で視界がゆがんで文字が見えなくなってきた。ゴシゴシと目を擦ると、コネシマは生まれて初めてのクリスマスプレゼントを開ける。中に入っていたのは、[漢字]水色[/漢字][ふりがな]イメージカラー[/ふりがな]のマフラー。彼は空を見上げてニッと笑ってみせた。
「ありがとな、猿ゥ!」
「メリークリスマス、お前ら」
青いニット帽を被ったサンタは、そっと微笑んだ。
翌朝、色違いのおそろいマフラーを巻いた小学生5人が、元気に登校したそうな。