A.ヒーロー? Q.いいえ、探偵よ
モニタールームへと戻り講評を受けると、結果は上々。素早い対策と判断の速さで中々の高評価を百からいただいた
「それじゃあ皆!お疲れさん!! 緑谷少年以外は大きな怪我もなし、しかし真摯に取り組んだ! 初めての訓練にしちゃ皆、上出来だったぜ!」
「相澤先生の後でこんな真っ当な授業…何か、拍子抜けというか…」
「真っ当な授業もまた私たちの自由さ! それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば。皆は着替えて教室にお戻り!!」
物凄い勢いで消えたオールマイトを見送り、更衣室へ行こうとすると呼び止められた
「○○ちゃんお疲れー!」
「めっちゃ早かったな!?お前の個性なんなんだよ!飛ぶわ、瞬間移動するわ」
『どうも、ありがとう。個性は秘密って言ってるでしょう?』
秘密も何もないんだけれども
「ちぇ〜、また教えろよな!!」
更衣室に移動すればみんなから凄かったよ!や、素晴らしかったですわ!と言われて、これだけで凄いのねとつい思ってしまう
『ありがとう』
「怜奈ちゃんも反省会参加するん?」
『そうね.....辞めとくわ』
「そっか、わかった!」
「また明日!」
着替え終わり、戦闘服をたたんで専用のカバンに詰めこんでから更衣室を出た
歩きながら○○が思うのは爆豪のこと
きっと彼は反省会には参加していないだろうし、それなら多分もう教室から出ている可能性が高い
教室から下駄箱までの道を辿れば靴を脱いでる爆豪がいたため読みは当たったみたいだ
『爆豪勝己くんよね?』
「あ"?...お前」
ガラが悪そうにこちらを向く爆豪、今は相当、プライドの高い彼なら傷ついているはずだ。
『単刀直入に言うわ』
『爆豪くん、貴方は強くて、個性も強力で、自尊心が高い。誰でもそう持ってるものではない。
けどね、その凄さは、今の貴方の成長を止める』
「ッ.....お前に何がっ....!」
そう言い、私の胸ぐらを掴む。その表情はとても悲しくて、怒っていて、優しさを持っていた
『爆豪勝己くん、私は貴方の他人。』
だからこそ言える
『負けたからと言って、それは弱さの証明じゃないでしょう。貴方にとって負けは試練なのよ。地に這いつくばった後、また立って歩けるのかという 貴方がそこに這いつくばったままならば それこそが弱さの証明よ』
爆豪の胸ぐらを掴む手が緩んだ。目も揺らいでいる
『それとね、負けたということはそこからの成長が待っているということよ。
私は貴方に期待してるわ、爆豪勝己』
それだけ言うと爆豪くんの幼馴染が見えたので、私を掴んでいる手を払って帰った。爆豪くんは何か言いたげだったけども、気づかなかったことにする
爆豪くんに、9代目、そして賭けてあるNo.2の息子。貴方たちは、私が期待しているような成長を遂げてくれるかしら?
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