二次創作
揺蕩う草に永遠の思いを。
数十日が経った。
いつも通りの生活をして、悠々自適に生きている。勿論、いつも通り孤独だけれど。
私が2本の腕で、食料の入った茶色の紙袋を抱え、買い出しを終えて、帰ろうとしていた時のこと、背後から何か気配を感じていた。今日だけではない、ここ数日間だ。私は、好奇心半分で、後ろを振り返った。
そこには、小さな草神の幼女の姿があった。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「お邪魔するわね」
クラクサナリデビ様に、椅子に座ってください、と命令して、私は紅茶を淹れに行った。
正直、失礼するなら帰って欲しいが、そのようなことを神に口出すわけにはいかない。
二人分の紅茶を淹れたカップを持って、それと共に私はクラクサナリデビ様の元へと向かった。そして、私はクラクサナリデビ様と対面になるように椅子に座った。
「何の用ですか、クラクサナリデビ様」
紅茶を口に運ぶ手を止めて、クラクサナリデビ様の瞳を見ると、クラクサナリデビ様の表情はんふっ、とでも言うように私に笑いかけた。
「スメールの神として、貴方のことを少し知ろうと思っていたのよ。その決意は、クマムシのように執念深かったはずよ」
「今。こうやって話せることを、私はとても嬉しく感じるわ」
クラクサナリデビ様は、紅茶の注がれたカップを口まで運んだ。
「何が知りたいのですか」
私は返事を返した。そう言うと、クラクサナリデビ様はカップを置いて、口を開いた。
「貴方はあまり人間と話している印象がないでしょう?貴方には、沢山素晴らしいところがあるのだから、少し話してほしいと思ったのよ」
クラクサナリデビ様は私にまた笑いかけた。
「人嫌いでして」
私はまた、紅茶を口に運んで少し啜った。そう言うと、クラクサナリデビ様は疑問を浮かべたような顔をした。
「あら?そうだったかしら?数百年前、貴方と仲の良い人が居たような……」
「大切なのはそこじゃないわ、人に会って欲しいのよ。人ゆえの儚さ、美しさもあるのよ」
クラクサナリデビ様はすぐに話題を変えて、また話かけてくる。
「そこで、是非、旅人とパイモンという人物にあって欲しいの。あの子は、人の魅力を引き出す力があるわ」
クラクサナリデビ様は、また笑いかけた。そして、紅茶を2つの手のひらで掴みながら、話を続けた。
「今度、誘ってもいいかしら?」
「……はい」
クラクサナリデビ様の依頼を断るなど、スメール国民にとってタブーであるのだろう。
私は、渋々、首を縦に振った。
「ふふふっ、ありがとう。旅人が来た時には、貴方の家を一緒に訪れるわね」
そんな言葉と飲み終わった紅茶を淹れていたカップを残して、クラクサナリデビ様は去ってしまった。
「どうしたものか……」
私は1人の部屋で、ぼそりと呟いた。
いつも通りの生活をして、悠々自適に生きている。勿論、いつも通り孤独だけれど。
私が2本の腕で、食料の入った茶色の紙袋を抱え、買い出しを終えて、帰ろうとしていた時のこと、背後から何か気配を感じていた。今日だけではない、ここ数日間だ。私は、好奇心半分で、後ろを振り返った。
そこには、小さな草神の幼女の姿があった。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「お邪魔するわね」
クラクサナリデビ様に、椅子に座ってください、と命令して、私は紅茶を淹れに行った。
正直、失礼するなら帰って欲しいが、そのようなことを神に口出すわけにはいかない。
二人分の紅茶を淹れたカップを持って、それと共に私はクラクサナリデビ様の元へと向かった。そして、私はクラクサナリデビ様と対面になるように椅子に座った。
「何の用ですか、クラクサナリデビ様」
紅茶を口に運ぶ手を止めて、クラクサナリデビ様の瞳を見ると、クラクサナリデビ様の表情はんふっ、とでも言うように私に笑いかけた。
「スメールの神として、貴方のことを少し知ろうと思っていたのよ。その決意は、クマムシのように執念深かったはずよ」
「今。こうやって話せることを、私はとても嬉しく感じるわ」
クラクサナリデビ様は、紅茶の注がれたカップを口まで運んだ。
「何が知りたいのですか」
私は返事を返した。そう言うと、クラクサナリデビ様はカップを置いて、口を開いた。
「貴方はあまり人間と話している印象がないでしょう?貴方には、沢山素晴らしいところがあるのだから、少し話してほしいと思ったのよ」
クラクサナリデビ様は私にまた笑いかけた。
「人嫌いでして」
私はまた、紅茶を口に運んで少し啜った。そう言うと、クラクサナリデビ様は疑問を浮かべたような顔をした。
「あら?そうだったかしら?数百年前、貴方と仲の良い人が居たような……」
「大切なのはそこじゃないわ、人に会って欲しいのよ。人ゆえの儚さ、美しさもあるのよ」
クラクサナリデビ様はすぐに話題を変えて、また話かけてくる。
「そこで、是非、旅人とパイモンという人物にあって欲しいの。あの子は、人の魅力を引き出す力があるわ」
クラクサナリデビ様は、また笑いかけた。そして、紅茶を2つの手のひらで掴みながら、話を続けた。
「今度、誘ってもいいかしら?」
「……はい」
クラクサナリデビ様の依頼を断るなど、スメール国民にとってタブーであるのだろう。
私は、渋々、首を縦に振った。
「ふふふっ、ありがとう。旅人が来た時には、貴方の家を一緒に訪れるわね」
そんな言葉と飲み終わった紅茶を淹れていたカップを残して、クラクサナリデビ様は去ってしまった。
「どうしたものか……」
私は1人の部屋で、ぼそりと呟いた。