【参加型】私たちが奪ったものは戻らない。その事を”許して”とは言わない。
「ここはどこだ……。」
少女は、薄明るい光を柱に垂れているつららが輝かせる巨大な空間に倒れていた。
地面は砂とも雪とも言えないような謎のサラサラしたもので造られていた。
中央の半径でできた神秘的な場所には、翼を広げる女神の像がぽつりと建っていた。
女神像の前に置かれている石板を見ると、
Invited Adventurers
Welcome to the venue where the curse will be lifted.
Please take a seat in a nearby room and wait.
[打消し]Everything comes back to nothing.[/打消し]
「呪いが…解かれる会場?」
少女は首を傾げる。
「待たれよって……。」
「あの部屋の…ことかな。」
ガチャ
「な、なんだここ…。」
その部屋は、全てが氷で作られているものの、
温かみを感じるような、氷が解けそうで解けない、そんな不思議な空間に出たのだ。
蝋燭も、暖炉も、豪華で暖かい食事も、ここにはあった。
「私の家とは大違いだよ…。」
冷酷が、黄金卿のように見えてしまった。
そして私は、こう呟いた。
「黄金卿は、ここにあったんだね……。」
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