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memory

#10

きっと妹は。

俺はこの日、任務がなかったため、ぶらぶらと廊下を歩いていた。
「これはこれで暇なんだよなぁ。」
それより前の任務で俺は情けないと思った。止めをささなかったのだ。もしかすると俺に復讐しに来るかもしれない。
「もうめんどいなぁ。」
「あ!七星さん♪ねぇねぇ、暇?」
これまためんどい。いっそのこと学校を休もうかな。
「邪魔。」
「えぇ、そんなこと言わないでさ♥️」
「今日もクールだわぁ。」
俺はそこら辺にいる女子を押し退けて教室に入る。
「よお、月野。」
「あ、七星さん。どうしたの?」
「いや、なんでもないんだよ。」
今日も月野は一人だった。本人はべつにどうでも良いらしい。
「ねぇ、じゃあ変なこと聞いて良い?」
「いいよ。なんでも。」
「...七星さんは魔族のことどう思ってる?」
「...俺は、俺は。」
...俺は魔族は好きだ。俺も魔族だし。あいつらは本当に素直でいいやつらだ。
「...ふふっ、七星さん面白いね。[太字]好きなんだ[/太字]。」
「え、月野は...。」
「いや、ただ当ててみようと思っただけだよ?あ、もしかして当たってた?」
「ははっ。」
「私も。...魔族は悪くないと思ってる。」
...もしも、俺の推測に過ぎないが。もしも、聖愛が記憶を失っていないのだとしたら[漢字]脳内通信[/漢字][ふりがな]テレパシー[/ふりがな]は今も、つづいている。
「ねぇ、七星さん。屋上行こ。」
俺は月野に連れられ屋上についた。
「ねぇ、もしかして七星さんって魔族?」
「なんで急にそんなこと聞くんだ?」
月野は黙り込んだ。
「もしも貴方が魔族ならばしてほしいことがあるの。」
「...。」
「魔界ゲートを造って欲しいの。...帰りたい。魔界に。」
魔界ゲートとは、魔法が使える魔族のみが造り出せる魔界への扉のこと。...なぜだ。
「私、七星さんにだけ言うよ?私、魔法が使えない[太字]魔族[/太字]なの。吸血鬼と天使のハーフ。」
「...記憶がなくなった訳じゃないのか。」
本当は記憶はあったんだ。
「え?」
「名前、月野じゃないだろ?帰りたいんだろ?」
「...私、聖愛。魔界大戦争の最中に人間に味方した魔法使いに誘拐された。...それが今の母。」
「帰ろ。[太字]聖愛[/太字]。」
俺の推測は当たっていたらしい。...もう、人間界にいる必要は無いようだ。
「はぁ、記憶あるんならもっと早く言えよ。」
「だってぇ、毎日同じ夢見ないって言った時にお兄ちゃんじゃないのかなって思ったんだもん。」
「それはごめん。」

[大文字]ウゥゥゥゥゥーン [/大文字]

「パトカーかな?」
「もう次の授業はじまるから教室に帰るか。最後の授業になるから。」
「そだね。」


次回、最終話【種族が違っても】

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作者メッセージ

次回最終話です!楽しみにしててください。

2024/08/10 14:03

七星太陽 ID:≫rpbAI5cf7ppFQ
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