群青ルポルタージュ
#1
【 第一章 】ep.1
今日はよく晴れた日だ。
「今年も結城と同じクラスかな?楽しみだね」
「あ~……、もうそれいいわ」
音瀬。家が隣で、小学校の頃からの幼馴染み。
今日は高校の進級式だ。
何故か分からないが、毎年クラスが同じになるので同級生からもイベント化されている。
「あ゛っっ!!!!時間ヤバい、走るぞ!!」
「はぁ~~~~??んだそれ」
二人で笑いながらいつもの道を走る。
学校の前の信号まで来て、青が点滅する。
音瀬が前を走る。
衝撃音。
今までの人生で聞いたことのない音。
今までの人生で見たことのない光景。
「音瀬?」
音瀬は、トラックに轢かれていた。
「おい、待っ……」
トラックが走り去っていく。
「音瀬、生きろ!!!!おい!!!!!!!」
気付けば横断歩道の真ん中で叫んでいた。
「ごめ……、ゆう、…………」
【 暗転《blackout》】
「なぁ、聞いてる?……結城~??」
「えっ?あぁ、え…………?」
気付けば俺はファミレスの席に座っていた。
さっき、俺、横断歩道で……、
「お前、もしかして幽霊か!?」
「はぁ~??お前大丈夫?」
ははっ、と笑う目の前の人物は、紛れもなくさっき死んだはずの音瀬だ。
「いや、ごめん、俺おかしい……?」
「まぁまぁ。てか大学のレポートヤバいって話じゃなかったの?やらなくていいの?」
「え゛っ」
大学?レポート?
死んだ音瀬は生きてるし、大学生になってるし、何なんだこれは。
でも自分が書いたレポートの内容はちゃんと分かる。習ってないはずの知識が脳に残っている。
「うん……なんか提出あるらしいからやるわ…………」
「おー、頑張れ」
俺の学部は経済学で、どこどこに住んでて、彼女はいなくて……って、それはいいんだよ。
当然の事かもしれないがしっかり自分のことを覚えている。
「あ~……、なんか時間かかりそう。先帰ってもいいよ」
「え?あ、そう。じゃあまた飲みにいこ」
「お~」
今日はその会話で終わった。
~…~…~…~… ・ …~…~…~…~
俺はペンを置いた。
何故か昔から記憶力が良く、3日程は自分がその日した行動や会話を詳細に覚えておけるのだ。
このよく分からない現象をここに残しておこうと思う。
ノートに書けば火を付けたりしない限り消えないし、持ち運びやすい(その機能を使うかは別だが)。
おやすみ。
[明朝体][右寄せ]群青ルポルタージュ[/右寄せ][/明朝体]
「今年も結城と同じクラスかな?楽しみだね」
「あ~……、もうそれいいわ」
音瀬。家が隣で、小学校の頃からの幼馴染み。
今日は高校の進級式だ。
何故か分からないが、毎年クラスが同じになるので同級生からもイベント化されている。
「あ゛っっ!!!!時間ヤバい、走るぞ!!」
「はぁ~~~~??んだそれ」
二人で笑いながらいつもの道を走る。
学校の前の信号まで来て、青が点滅する。
音瀬が前を走る。
衝撃音。
今までの人生で聞いたことのない音。
今までの人生で見たことのない光景。
「音瀬?」
音瀬は、トラックに轢かれていた。
「おい、待っ……」
トラックが走り去っていく。
「音瀬、生きろ!!!!おい!!!!!!!」
気付けば横断歩道の真ん中で叫んでいた。
「ごめ……、ゆう、…………」
【 暗転《blackout》】
「なぁ、聞いてる?……結城~??」
「えっ?あぁ、え…………?」
気付けば俺はファミレスの席に座っていた。
さっき、俺、横断歩道で……、
「お前、もしかして幽霊か!?」
「はぁ~??お前大丈夫?」
ははっ、と笑う目の前の人物は、紛れもなくさっき死んだはずの音瀬だ。
「いや、ごめん、俺おかしい……?」
「まぁまぁ。てか大学のレポートヤバいって話じゃなかったの?やらなくていいの?」
「え゛っ」
大学?レポート?
死んだ音瀬は生きてるし、大学生になってるし、何なんだこれは。
でも自分が書いたレポートの内容はちゃんと分かる。習ってないはずの知識が脳に残っている。
「うん……なんか提出あるらしいからやるわ…………」
「おー、頑張れ」
俺の学部は経済学で、どこどこに住んでて、彼女はいなくて……って、それはいいんだよ。
当然の事かもしれないがしっかり自分のことを覚えている。
「あ~……、なんか時間かかりそう。先帰ってもいいよ」
「え?あ、そう。じゃあまた飲みにいこ」
「お~」
今日はその会話で終わった。
~…~…~…~… ・ …~…~…~…~
俺はペンを置いた。
何故か昔から記憶力が良く、3日程は自分がその日した行動や会話を詳細に覚えておけるのだ。
このよく分からない現象をここに残しておこうと思う。
ノートに書けば火を付けたりしない限り消えないし、持ち運びやすい(その機能を使うかは別だが)。
おやすみ。
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