「聞かせてくれよ……お前の[漢字]過去[/漢字][ふりがな]覚悟[/ふりがな]を」

オレは思うんだ。
こいつは、何か[下線]とんでもない過去[/下線]を持ってる。

名前の話をしているとき、言葉を詰まらせていたし……。
そもそも名前があるのかも怪しいんだな…これが…。

「…………」

猫は震えていた。
汗を流して。

「確かに…過去を話すのは辛いだろうけど……前に進むためには必要な事なんだ」

オレも、一匹だけ男を殺ってしまった。
間違いない。絶対ヤツらはオレたちを追ってくる。

もちろん迎え撃つ覚悟はできているが……後は、この[太字]猫の覚悟次第[/太字]だ。


[太字]それなりの覚悟なら、オレもそれなりに動く。[/太字]


[太字]とんでもない覚悟なら、オレもとんでもなく動く！[/太字]


覚悟が無かったら何でも薄っぺらくなるだけだ……。
[太字]『覚悟』[/太字]……それがオレの判断基準になる…。



「……………」

猫の目には、今にも流れそうな涙が浮かんでいた。

[大文字]…
…
…
…
…
…[/大文字]

「…そんなに辛いのなら、オレの方から一歩だけ近づこう……それでも辛いのなら、もう一歩だけ近づく……どうか、話してくれないか…？」

[大文字]…
…
…
…
…
[/大文字]

「…………分かった」

猫は前を向いてくれた。