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陽猫陰鼠

#3

EP3 猫の秘密

「私、実は…[太字]『怪盗』[/太字]なの…」

「……怪盗!? それってマジのやつか?」

怪盗って…美術館とかでいろいろ盗むヤツのことだよな?
こんな猫が怪盗かよ…思ったのだが、どうやって盗むのだろうか…不思議だな。

「…まあ大体わかった……なにか盗んだからあの男たちに追われてるって話か?」

「まあ…そんなものね…」

とにかく…あの黒服の男たちが、この猫にとって敵というわけか。
そんなことを考えていると…

[太字]「ここにいたぞ!!」[/太字]

一人の男がオレたちを指差しながら叫ぶ。一瞬もしないうちに仲間の男たちが路地裏の道を塞いだ。
凄まじい団結力……こりゃマズいぞ…。

逃げる道が両方とも塞がれた……男たちがこちらに近寄ってくる。
その中でも特にエラそうな、リーダーと思われる男が銃を片手に威嚇してきた

「…死にたくなければその猫を渡せッ! 今すぐにッ!」

…なかなかに殺る気マンマンじゃないか……よし……決めたぜ。

「わかったよ…渡せば良いんだろ……」

オレは猫を腕で抱えあげると、エラそうな男に近寄った。
面倒くさいことに巻き込まれるのはマッピラだ……それに命も危ない……。

一歩ずつ、一歩ずつ、足を進ませる度に路地裏に音が響く。
歩いている最中、ちょっとだけ目の向きを変えて周りを観察した。

腕に抱えている猫も、この状況を察すると小声で話しかけてくる。
「…ちょっと…本気なの!? たしかにあなたをタクシー代わりにしたのは悪かったと思ってる…だからお願い…アイツらにだけは…」

…分かってるぜ…もちろんそんなことはしない。
オレが言ったことは、敵に近づくための[太字]『嘘』[/太字]だ。
ただ、あのエラそうなヤツに[下線]唾を吐いてやる[/下線]だけさ。

……ついに手が届く距離にまで近づけた……目の前の[漢字]エサ[/漢字][ふりがな]猫[/ふりがな]を前に、構えていた銃も下ろされる。

[大文字]今だ!![/大文字]

オレはネズミに変身すると、鋭く尖ったツメでエラそうな敵の喉元を切り裂いた。

舞い散る血しぶき、入口を塞いでいる敵の部下共が即座に銃を構える。

さすがに銃はマズいな……逃げるか…。
…さっきまで逃げ道は無いとか言っていたが、この路地裏にはオレに最適な逃げ道があった。

それは[太字]【上】[/太字]だ。

さっき目を動かして周りを観察したときに、大量のパイプが並べられているのを確認した。
そのパイプはなんと…上に続いている。

オレは足に力を入れて飛び上がり、その中の一つのパイプにしがみついた。
パイプからパイプに乗り移りながら、急いで建物の屋上へと駆け上がった。

下から飛び交う銃弾の雨に肝を冷やしたが、傷一つ付いてないみたいで安心した……。
オレは屋上に乗り上がると、腕に抱えていた猫を離した。


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作者メッセージ

ぜひ本編もお願いします!!

2024/07/24 21:41

ドレミファ・ソラティド ID:≫4pM7EL77DoodU
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