今日もとにかく腹が減った…。冬眠後のように腹が減っている…。

ともかく、オレは、『[太字][漢字]石狩　仁鼠[/漢字][ふりがな]イシカリ　ジンネ[/ふりがな][/太字]』
名乗るほどでもないが、一応名乗っておいた。

とにかく、腹が減った…コンビニに行くか…。
……先に言っとくが、[太字]『買う』[/太字]なんてことはしない…ただ[太字]『奪う』[/太字]だけだ。
これも生きるためだ。いまさら悪いと思ってる余裕なんてない。オレは金を持ってないんでね…

コンビニに向かう途中だが、少しオレの事を話させてもらおう。
名前は……さっき言ったか……そうだ、能力だ。

あまり聞き馴染み無いかもしれないが、オレは特別な[太字]『能力』[/太字]を持ってる。

その能力とは……信じられないかもしれないが……オレは……。
…といいたい所だが、ちょっと待て。

今オレは、コンビニの駐車場が見えるところまで来ている。
そこに、明らかに変なヤツがいるんだ。

猫だ。しかし雑巾みたいに汚れてる……野良猫か？
オレが救ってやるか……こんなオレにだって少しの善意ぐらいは残っている。そうじゃないと善悪のバランスが取れないだろ？

……あとな、ヨダレが垂れてるのは違うんだ……別に腹を満たそうとなんて思ってない…。
ただ、あの猫を、[下線]天国に送るだけ[/下線]だ。

さて、能力を発動させるか……さあ、[下線]変身[/下線]だ。

そのとき、口が斜めに裂けた、皮膚から灰色の毛が生えてくる。
体がデカくなって、自然と四足歩行の形に変わる。
そして、頭から大きな耳が飛び出した。

これがオレの能力、『[漢字]鼠[/漢字][ふりがな]ネズミ[/ふりがな]』に変身できる。
名前は『[漢字]T・NEX[/漢字][ふりがな]ティーネックス[/ふりがな]』…。
鼠と恐竜を掛けてみた、オレなりにいいセンスだろう？

さて、あの猫のほうへ近づいてみるか…。