‐RAY‐ 『短編集』
全員が僅かに安堵していると、コウカが戻ってきた。
十五分は戻ってこれないはずと予想していたが、その僅か半分の時間で回復。異常な回復力だ…。
「いやぁ、悪いですね。席を立ってしまい。」
「…いえ、全然大丈夫です。」
流石ミリョカ。愛想笑いも美しく、完璧だ。少し、眉間にしわを寄せているがが。
「__実は!こんなものを用意したんです!」
コウカがそう言い、取り出したものは、黒く塗装された箱だった。全面が板で覆われていて、一面の板の真ん中だけ丸い穴が空いている。ちょうど、手を通せるぐらいの穴だ。
「くじ引きです…!一番を引いた人が、二番の人に料理を食べさせてあげるなどそんなことができるんです!」
全員が冷えた目線で見ていることに全く気づかず、コウカは楽しそうに言った。しかし、困る。あくまでもこれは合コンである。これに、参加する以外選択肢はない。怪しまれたら、任務にも関わるだろう。__だがここに居る九人の中で八人が『トワイライト』の仲間。ほぼ九十%の確率で仲間同士の接触が発生するのだ。異性同士だと、[太字]気まずい[/太字]の一言に尽きる。
まず、コウカが引いた後、女性陣。その後、男性陣という流れで引いていった。『トワイライト』ボス全員が引く前にありきたりな神への祈りを捧げ、くじを引いていった。
このような運勢勝負でもっぱら弱く、今回もハズレくじを引いたのは__
「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」
一番、レイと__
「きちゃァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?!?!?」
二番、マリアだった。
二人共大絶叫__断末魔をあげ、床に倒れ込む。手足がピクピクと痙攣している。他メンバーは、自身じゃなかったことに安堵し、二人に黙祷を捧げた。
(イヤァァァァァァァアア!!!!レイに『あーん』させられるなんて、死んでもごめんやぁぁあ!!!せめて、ルーザかフィルアが良かったわ!!!!)
(はぁぁぁぁぁぁっ!?俺だって嫌だよ!ミリョカとかモニカの方がお前の数千倍可愛いし美しいし、はっきり言ってミリョカが良かったなぁぁっ!?)
大絶叫した二人に驚きながらもコウカは、小声で罵り合う二人に全く気づかず、良かったね〜とレイの背を叩いた。ブチギレそうだ。
無感情で起き上がり、席につく。
「はい。あーん。」
「はーい。」
『恋情』も『トキメキ』も『キュン♡』も何も無く、フォークで肉を刺し、マリアの前に出すと、マリアも死んだ魚の眼で喰らいついた。そのままモグモグと咀嚼する。二人共何も考えていなかった。脳が動いたら、この場から逃げているか、コウカの首を掻っ切っているだろう。
そのまま、食べさせ合いが終わった。
くじを箱に戻していると、コウカが衝撃的な発言をした。
「それじゃあ、次は五番の人が三番の人に膝枕しよっか!」
いや、まだ続けるん? お前アホなん? 死んだほうが良いのでは?
全員の思考が一致する。嫌悪を滲ませてしまう。
もう一度、くじを引く__
そして、それが終わったらもう一度__
また、別のお題で__
運の良いことに、自分たちが本気で不快になることは起こらなかった。
簡単に言うと、コウカが一回も当たらなかったのだ。神は一応願いを聞いてくれたらしい。
が、そのかわりと言っては何だが、無駄にレイとマリアの当たる確率が多かった。
いや、神様? なんでそんなことするんです? 泣いちゃうよ?
二人は、この世の厳しさを胸に刻んだのだった__。
その後、この合コンでの会話を録音し、警察に無名で届けたところもともと通報されていたこともあり、コウカは刑務所に入ることになった。
めでたしめでたし。
十五分は戻ってこれないはずと予想していたが、その僅か半分の時間で回復。異常な回復力だ…。
「いやぁ、悪いですね。席を立ってしまい。」
「…いえ、全然大丈夫です。」
流石ミリョカ。愛想笑いも美しく、完璧だ。少し、眉間にしわを寄せているがが。
「__実は!こんなものを用意したんです!」
コウカがそう言い、取り出したものは、黒く塗装された箱だった。全面が板で覆われていて、一面の板の真ん中だけ丸い穴が空いている。ちょうど、手を通せるぐらいの穴だ。
「くじ引きです…!一番を引いた人が、二番の人に料理を食べさせてあげるなどそんなことができるんです!」
全員が冷えた目線で見ていることに全く気づかず、コウカは楽しそうに言った。しかし、困る。あくまでもこれは合コンである。これに、参加する以外選択肢はない。怪しまれたら、任務にも関わるだろう。__だがここに居る九人の中で八人が『トワイライト』の仲間。ほぼ九十%の確率で仲間同士の接触が発生するのだ。異性同士だと、[太字]気まずい[/太字]の一言に尽きる。
まず、コウカが引いた後、女性陣。その後、男性陣という流れで引いていった。『トワイライト』ボス全員が引く前にありきたりな神への祈りを捧げ、くじを引いていった。
このような運勢勝負でもっぱら弱く、今回もハズレくじを引いたのは__
「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」
一番、レイと__
「きちゃァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?!?!?」
二番、マリアだった。
二人共大絶叫__断末魔をあげ、床に倒れ込む。手足がピクピクと痙攣している。他メンバーは、自身じゃなかったことに安堵し、二人に黙祷を捧げた。
(イヤァァァァァァァアア!!!!レイに『あーん』させられるなんて、死んでもごめんやぁぁあ!!!せめて、ルーザかフィルアが良かったわ!!!!)
(はぁぁぁぁぁぁっ!?俺だって嫌だよ!ミリョカとかモニカの方がお前の数千倍可愛いし美しいし、はっきり言ってミリョカが良かったなぁぁっ!?)
大絶叫した二人に驚きながらもコウカは、小声で罵り合う二人に全く気づかず、良かったね〜とレイの背を叩いた。ブチギレそうだ。
無感情で起き上がり、席につく。
「はい。あーん。」
「はーい。」
『恋情』も『トキメキ』も『キュン♡』も何も無く、フォークで肉を刺し、マリアの前に出すと、マリアも死んだ魚の眼で喰らいついた。そのままモグモグと咀嚼する。二人共何も考えていなかった。脳が動いたら、この場から逃げているか、コウカの首を掻っ切っているだろう。
そのまま、食べさせ合いが終わった。
くじを箱に戻していると、コウカが衝撃的な発言をした。
「それじゃあ、次は五番の人が三番の人に膝枕しよっか!」
いや、まだ続けるん? お前アホなん? 死んだほうが良いのでは?
全員の思考が一致する。嫌悪を滲ませてしまう。
もう一度、くじを引く__
そして、それが終わったらもう一度__
また、別のお題で__
運の良いことに、自分たちが本気で不快になることは起こらなかった。
簡単に言うと、コウカが一回も当たらなかったのだ。神は一応願いを聞いてくれたらしい。
が、そのかわりと言っては何だが、無駄にレイとマリアの当たる確率が多かった。
いや、神様? なんでそんなことするんです? 泣いちゃうよ?
二人は、この世の厳しさを胸に刻んだのだった__。
その後、この合コンでの会話を録音し、警察に無名で届けたところもともと通報されていたこともあり、コウカは刑務所に入ることになった。
めでたしめでたし。
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