拝啓…へ
#1
女の子
1枚目
誰かへ
3045年5月私は世界に誕生しました。
3049年12月25日、その日は家族みんなとパーティをしました。雪がたくさんふり、ホワイトクリスマスと呼ばれる夜になりました。
2枚目
3050年5月私は5歳です。
なんとなく物事を理解できるようになってきました。この世界のことも。
知っていますか?この世界には人類がいます。
地球だけ、、、、だと思っている方も多いかもです。ですが、私のいる世界も人類がいます。
この惑星はなんという名前なんでしょうね。
名前をつける余裕もないのかもしれないです。
3枚目
3058年7月。
人類は成長しすぎました。
機械は成長しすぎました。機械は感情をもたない?いいえ。持っています。怒りや悲しみ、痛みも感じます。私達子供は何も悪いことはしていません。機械を傷つけたり、悲しませたり。
私達は機会と触れ合うこともありませんでした。それでも、機械の敵は「人間」なのです。
3058年7月4日暴走した機械に私は殺されかけました。機械は私の腕を掴み腕についたドリルを向けています。しかし、私を助けてくれた少年がいました。彼は私を助けてくれました。その時は素直にありがとうと言えました。
4枚目
3058年12月25日その日も家族とパーティーをしました。その日も雪がふりました。たくさん、たくさんつもりました。でもその日はホワイトクリスマスとは呼べません。色をつけるのならブラックの方が正しいのかもしれません。
3058年12月26日
助けて助けて
私は誰かに助けを求めました。
またあの少年と会いました。彼は私の頭を撫でて「家族を助けようとしたの偉いよ」と言いました。
助けてほしかったのは家族をです。
家族を見捨てた私は助かっていたんです。
でも、本当に助けてほしかったのは家族を見捨てた私なんです。
5枚目
3059年1月6日
私は彼と過ごすようになりました。彼の家族と彼と私と。
私の家族は助かりませんでした。
私も助かりませんでした。
だからありがとうなんて彼に言いません。
6枚目
3059年2月
わかっています。わがままです。彼らの優しさに甘えています。
甘いものを食べた後は苦いものがほしいです。
3059年3月3日
機械が彼らの家にきました。
次は逃げません。もう、甘くて甘くてめまいがします。家具を機械の方へ投げて投げて投げてびくともしません。怖いです。でも私は戦います。
彼が帰ってきました。
彼の家族は動きません。
機械もびくともしません。
彼は私を家の外に出しまた。
7枚目
なんでだろう。甘くないです。苦くないです。すっぱいです。
彼の家族は動きません。
機械も動きません。
彼は少しだけしか動きません。
私は助かりました。
でも心は助かりませんでした。
彼は飴と鞭のあんばいが下手くそです。
それでも本当は好きです。大好きです。
感謝してもしきれないです。
8枚目
ありがとう。ごめんね。大好き。
この3つだけじゃ足りないけど彼に2回目の素直を見せれました。
彼は笑顔で
こちらこそ
と返してきました。
私は何もできていないです。
あなたを助けることもできてないです。
私はあなたに助けてもらうことばかり考えていました。あなたを助けようとはしませんでした。あなたからの
感謝も
謝罪も
愛も
もらう資格はありません。
9枚目
私の気持ち、考え、誰かに見せるわけでもないけど残して置きたいのです。
誰かに届いてほしいのです。
彼に届いてほしいのです。
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