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愛と絆と音楽と

#3

#02

「全くもう…。とりあえず、朝ご飯は食べちゃってよ。目玉焼き作ったから」
「うん…。主食なに?」
「そう。主食はまだ作ってないんだよね。ツユが決めてもいいよ。どうせどれも時間かからないし」
「じゃあ…パンで」
__この家の家事は、全て根草が担当している。今日の朝ご飯も、昨日の朝ご飯も、明日の朝ご飯も、根草が作る。
私も、家事を一緒にやる時はあるのだが、どうも私は家事が苦手で、必ずと言っていいほど、大失敗を起こしてしまう。そんななので、いつも最後は、根草に「もう絶対しないで」と止められてしまうのだ。これが、毎回のオチなのである。
「分かった。ほら、降りてきて」
「うん…」
根草はいつも、優しく私の手を引いてくれる。私が嬉しい時も、悲しい時も、怒っている時も。
私にとって「唯野根草」という存在は、大切な相棒であり、お互いを理解しあえる親友であり、憧れの人である。
「って、うっ…。頭いったぁ…」
「あとで頭痛薬買ってきな」

[水平線]
「今からトースト焼くから、ちょっと待ってて」
「うん」
大体2分ぐらいかなー、という声が、キッチンからは聞こえてきた。数分の時間が出来たので、私はスマホを開いた。いや、ただSNSやらを見るのためではなく、スマホのメモアプリに保存してある、曲の歌詞の続きを書くためだ。
10秒、20秒、30秒、40秒、50秒。時間が過ぎていく中で、最初は良いバースが数個ほど思いついた。
だが、やはり人間の発想というものには、どうしても限界がある。こんな数分の間にも、少しそういう事を感じていた。
「うーん……どうしようかな」
ライブは今日の夜に開催されるので、私達は早めに、バースをいっぱい、思いつかなければいけなかった。
「どうしよ………。あ、そうだ。相手を見てみよう」
"技は見て盗め"なんて言葉があるが、相手方の技も、時には役に立つ。相手の過去のバースを真似して煽る、そんな技だって、HIPHOPには存在するぐらいだ。
「えーっと、対戦相手のSNSは…」
スマホで別のアプリを開いて確認をする。
私達の対戦相手は「AMPRULE」だ。韓国の財閥?の御曹司かなんかと、その御曹司の執事が組んでいる二人組のチームらしい。まぁあまり訳は知らないが。
「…あ、対戦相手の情報を見てるの?」
AMPRULEのことを少し調べていると、根草が急にスマホの画面を覗いてきて、そう言った。
「ちょっ、画面急に見ないでよ。…そう。AMPRULEのね」
「ごめんごめん、気になっちゃってさ。……へー、こんな感じなんだ」
根草は、とても興味深そうに画面を覗いてきた。スマホを覗かれるという状況、どんなものを見ていたとしても、無条件に緊張してしまうので、できればやめていただきたいものだ。
「…そんなに気になるなら自分で調べて」
「つれないなー。分かったよ。…あ、トースト焼けた」
トースターからは、焼けた合図の音が聞こえてきた。

※ダブルクリック(2回タップ)してください

作者メッセージ

最後ぶつ切っちゃった…。申し訳ない。


対戦チームはルーレットで決めました。

2024/06/26 02:13

夢野 シオン@水野志恩SS ID:≫7tLEh4qnMjetA
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