「起きろ。淳平。」

俺はそう寝たきりの淳平に話しかける。

医者によると命に別状はないようだし、意識もすぐ取り戻すだろうと言われた。

ちなみにだが、ここは華恋が入院している病院でもある。

階層は違うが、この部屋の真下辺りだった気がする。

そんな事を考えていると、突然病室の扉が開く。

龍心達だ。

「おーい。大丈夫か？」

陽汰がそう淳平に話しかける。

もちろん返事はない。

「大丈夫なのか？淳平。」

そう龍心が俺に聞いてくる。

「あぁ。大した事無いらしい。」

「なら大丈夫だな。」

そう言うと龍心は俺が座っている椅子の隣に腰掛けた。

「淳平起きろー。」

そう言いながら宗四郎は淳平の頬を軽く叩く。

「痛ぇな…。やめろよ…。」

「あ、起きた。」

「そんなんで目覚ますもんなんかよ。」

「大丈夫か。淳平。」

蓮が心配そうに聞く。

「あぁ。ちょっとまだ後頭部が痛むくらいだ。」

そう言いながら淳平は自分の後頭部を擦る。

「淳平、起きてすぐのところ申し訳ねぇんだが何で殴られたのかわかるか？」

俺はそう淳平に尋ねる。

「マジでわからん。心当たりもねぇし…。」

そう淳平は考え込む素振りを見せる。

「なぁ、ずっと気になってたんだがそれ何だ？」

そう宗四郎が淳平の胸のポケットを指差す。

そこには何か手紙らしきものが入っていた。

「ラブレターじゃないですかぃ？」

「んな訳ねぇだろ…。てかガチで何だこれ？」

淳平自身も知らないらしい。

淳平は自分の胸ポケットからその紙を取り出し、その紙を広げる。

中には手書きの文字でとある文章が書かれていた。

「何だよこれ。今夜、19時に扇公園で待つ？果し状か何かか？」

「多分そうだろうな。」

送り主は恐らく長澤だろう。

「あれだけやられてまだ懲りないんですかぃ。」

宗樹もわかっているようだ。

「丁度いいじゃねぇか。」

そう陽汰が言う。

「確かに、そうだな。」

俺はそう言う。

「自分達からボコボコにされるに来るなんていい度胸じゃないですかぃ。ぶっ殺してやりますよ。」

そう宗樹が指を鳴らす。

「特に恨みはねぇけどよ、誰かの事ぶん殴りたい気分だったから丁度いいわ。」

宗四郎に関しては滅茶苦茶だが、今回は良いだろう。

何せ相手は女を集団で殴ったり、後ろから武器を使って殴りかかるような奴らだからな。

「俺ももちろん行くぞ。」

蓮がそう言う。

普段は大人しいが、こいつは怒らせると怖い。

「俺も行きたかったぜ…。」

淳平がそう嘆いている。

俺はスマホで現在の時間を確認する。

18:30。

ここからなら扇公園に着く頃には丁度19時くらいになるだろう。

「それじゃあ、行くとするか。」

これが俺達の初めの喧嘩だった。