あっという間に時は流れ、約束の金曜日になった。

結局、組員を集める事は出来なかった。

俺達は今夜の戦いに向けて、集まり作戦会議を行う。

「相手は何人くらい何でしょうねぇ。」

そう宗樹が言う。

「さぁな。いても50人くらいだろ。」

宗四郎がそうフラグを立てる。

「ところで作戦はどうするんだよ。この前使った龍心の作戦はもう対策されてるだろうし…。」

蓮がそう言う。

「確かに、『釣り野伏せ』はもう通用しないだろうな。」

龍心は呑気にそう言う。

「ならどうすんだ？」

俺はそう尋ねる。

「まぁ待てって。今考えてんだよ。」

龍心はそう焦る俺達を宥める。

「作戦なんて必要なくね？」

陽汰がそう言うが、以前ならともかく、今真正面から殺り合って勝てる相手じゃないのはわかりきっている。

「よっしゃ。決まった。」

龍心がそう急に声を上げる。

「決まったって…作戦がか？」

「おう。」

龍心はそう答える。

いくら何でも早すぎやしないかと思うが、今は時間が無い。

「で、どんな作戦なんですか？」

荒がそう尋ねる。

「奴らを狭い道に誘導して挟み撃ちにするだけだ。」

そう龍心が言うが俺はその作戦に1つ疑問が湧く。

「それ普通に押し返されねぇか？」

宗四郎がそう聞く。

そう、もし相手が50人と仮定した場合、奴らを誘い込んで挟み撃ちに出来たとしても数の暴力で押し返されるのではないかという疑問だ。

「まぁ押し返されるだろうな。」

龍心はそう呑気に答える。

「ダメじゃねぇか！」

俺は思わずそう言ってしまう。

「落ち着けって。"普通"にやればの話だ。」

「どういう事だ？」

蓮がそう尋ねる。

「まぁ一工夫すんだよ。」

龍心はそう答えると大きな欠伸をした。

「適当ですねぇ。」

宗樹がそう言う。

本当にこんなので大丈夫なのだろうか。

俺はそう思ってしまう。

だが、今は信じるしか無かった。