「チーム結成したのはいいが…。これからどうするんだ？」

そう陽汰が言う。

「明日は明日の風が吹くってやつでさぁ。明日考えましょう。」

宗樹がそう答えた。

「お前昨日もそれ言ってたぞ。」

そう龍心が言う。

「俺は過去を振り返らないタイプなんでさぁ。」

宗樹はそう言いながら明後日の方向を眺めている。

駄目だ。こいつ考える気がない。

「とりあえず普通に考えたら組員集めだろ。」

そう蓮が言う。

「組員集めって…。どうやるんだよ？」

俺がそう聞くと蓮は少し考える素振りを見せる。

「そりゃあれだ。ビラ配りとか…？」

「何で疑問形なんだよ。」

こいつも考えていなかったようだ。

「第一、今結成したばっかのチームなんか誰も入ってくれねぇよ。」

龍心がそう冷静に言う。

「ならどうしたらいいんだ？」

宗四郎がそう尋ねる。

「地道に手柄あげてくしかねぇよ。」

龍心はそう言う。

正直、俺はあまりチーム結成に乗り気では無かった。

何故ならそれは自分の家族を攫った奴らと同類になるからである。

皆同じ様な筈なのだが、どうしてここまで乗り気なのだろう。

（俺がおかしいのか…？）

俺はそう考える。

その時だった。

「あっ！」

そうずっと黙っていた荒が急に声を出す。

「るせぇな。何だよ。」

宗四郎がそう聞く。

「いや、長澤が大事な事言ってた気がしてそれが何んだったかずっと思い出してて…。今ようやく思い出したんですよ！」

そう荒が興奮気味で言う。

「それはよかったですねー。」

宗樹がそう棒読みで答えた。

「マジで大事な事なんですよ！」

そう荒が必死に言う。

「長澤達がどっかと同盟を結ぶって言ってました！」

荒はそう言う。

「それだけー？」

陽汰がそう聞き返す。

「それだけじゃないですよ！100人を超えるチームになるって言ってましたし…」

「別に俺達に関係ないんじゃないんですかぃ？」

宗樹もそう言った。

「要するにその同盟軍が俺達に攻めてくるって訳だろ？」

龍心がそう聞く。

「そうです！」

荒は鼻息を荒くしてそう答えた。

「あ、そゆこと？」

陽汰がそう言う。

「そゆことじゃねぇよ。普通に考えたらわかるだろ。」

龍心がそう言う。

「これに関しては荒が悪いでさぁ。言葉不足ですよ。」

そう宗樹が言う。

「…すいません。」

そう荒が落ち込んでしまう。

「うわ、宗樹の奴年下いじめてやんの。」

龍心がそう言う。

「最低！クソ！死ね！ボケカス！」

宗四郎がそう罵倒する。

「そこまで言わなくてもよくないですかぃ？」

宗樹がそう言う。

「お前みたいな恥晒しにはこんくらいが丁度いいんだよ。」

宗四郎は更にそう言う。

「チクチク言葉で死にそうなんですけど。」

宗樹はそう言うが、誰も聞いていない。

「なら尚更やべぇじゃねぇか。早く組員集めねぇと。」

蓮がそう焦って言うが、時既に遅しだ。

―――ピロン♪

俺のスマホからそうメールの着信音が鳴る。

（誰だ？）

俺はそう思いスマホを開くと一件の通知が着ていた。

その通知を開くとある文章が書かれていた。


金曜の20:00、扇公園で待つ。
次こそ殺す。


そう2行の文章が送られてきていた。

こんな事を送ってくるのは1人しかいない。

そう、長澤だ。

金曜と言う事は3日後だ。

「時既に遅しってやつだな。」

俺のスマホの画面を覗き込んでいた宗四郎がそう言う。

「今夜は早すぎだろ。」

そう陽汰も珍しく頭を抱えている。

「ちょっと厄介かもな。」

龍心がそう言う。

「トンズラこいたらいいんじゃないんですかぃ？」

宗樹がそう提案する。

「そんな事したら長澤に変な噂流されるぞ。」

そう蓮が言い、宗樹の案は却下された。

蓮の言う通り、これ以上厄介事になるのは御免だ。

「行くしかねぇか…。」

俺はそう渋々行く事を決意した。