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暴力表現があります。

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喧嘩無双

#18

チーム結成

「一緒に帰ろうぜ。」

帰りの挨拶をすると同時に龍心がそう寄ってくる。

いつもならば他の奴も声をかけてくるのだが、今日は相変わらず皆からの視線が冷たい。

「おう。」

俺は龍心にそう返事をして、二人で教室を出る。

「ところで、いつになったら俺達に対する対応が戻るんですかねぇ…。」

そう宗樹の声が耳元で聞こえる。

「うぉ!びっくりした!」

俺は思わず声を上げる。

「お前は一生そのままなんじゃねぇの?」

気付けば隣にいた宗四郎が宗樹に向かってそう言う。

「暴力キノコには言われたくないでさぁ。」

宗樹はそう言い返す。

暴力キノコというのは宗樹が付けた宗四郎にあだ名で、すぐに暴力を振るう事と、髪型のマッシュだからという理由でこんなあだ名になった。

「てか宗樹、お前居残りだろ?」

そう龍心が聞く。

「抜け出したやりましたよ。あんなとこいても無駄なんで。」

そう宗樹は言った。

「だからアホなんだよ。」

そう宗四郎が言った。

「………ッ。」

宗樹は何か言い返そうとするが、自分が馬鹿な事と宗四郎が頭が良い事が事実な為、何も言い返せない。

「それに比べて陽汰と蓮は偉いよな。二人ともしっかり居残りしてるし。」

龍心がそう言う。

「いや、陽汰は居残っても寝てるぞ?」

「前言撤回。陽汰アホ。」

俺がそう言うと、龍心はすぐに言い直す。

「あ!拓海さん達!」

俺達がそんな話をしているとそう少し高い声が聞こえる。

そう、荒だ。

「わざわざ待っててくれてたのか。」

俺はそう荒に言う。

5年生は今日は5時間目までな筈だ。

「いや、家に帰っても誰もいないんで。」

荒はそう少し悲しそうな表情を見せる。

俺はその姿を見て、胸が締め付けられる。

「妹さんはどうしたんですかぃ?」

宗樹がそう尋ねる。

「妹は母型の祖父母の所にいます。俺が生きていく為のお金も母型の祖父母から貰ってます。」

そう荒は答えた。

(俺と似てるな…。)

俺も妹はいないものの、祖父母からお金を送って貰って生活している。

俺は少し親近感を覚える。

「おいクソガキ…。」

そんな中、宗四郎が荒に向かって急にそう言い出す。

「な、何かしましたか!?」

荒はそう焦った様子で聞く。

「何かしたじゃねぇよ!てめぇの所為で授業遅れてババアに怒られただろうが!」

そう宗四郎がキレる。

「ご、ごめんなさい!!」

荒はそう必死に謝る。

「許さん!って事で宗樹死ねぇ!」

宗四郎は急に方向転換をして宗樹を殴り飛ばす。

「げへぇ!」

殴り飛ばされた宗樹はそう声を漏らし、転がり回った。

「てか、何でまた敬語なんだよ。」

そう龍心が荒に聞く。

確かに、言葉遣いがまた敬語に戻っている。

「いや、だって皆さん先輩なんで…」

「そういうのいいから。タメでいいって。敬語はなんつーか…。むず痒い。」

俺はそう言う。

「なら…。」

そう荒は何かを決心した様だ。

「これから宜しく!皆!」

そう先程までとはテンションが打って変わり、明るい様子で話しかけてくる。

「おぉ。すげぇ。詐欺師向いてるぞ。」

宗四郎がそう褒める。

「それ[漢字]貶[/漢字][ふりがな]けな[/ふりがな]してるだろ。」

そう荒が宗四郎に言い返した。

「詐欺師になるなら龍心に弟子入りしたらどうですかぃ?龍心は筋金入りの詐欺師ですぜ?」

宗樹がそう言う。

「俺のどこが詐欺師なんだ?あ?言ってみろ?」

そう龍心は宗樹に掴みかかる。

「え?顔。」

そう答えた宗樹はコンマ1秒で殴り飛ばされた。

宗樹は声を出す事もできずにピクピクしている。

「まぁ、改めてようこそ。これから宜しくな。」

俺はそう荒に言う。

「こちらこそ宜しく。ところで、皆は何てチームなんだ?」

そう荒が聞いてくる。

「……チーム?」

俺はそう聞き返す。

「チーム名だよチーム名。総長…いや、長澤が言ってたぜ?拓海達も暴走族だって。」

そう荒が言う。

「あいつって息を吐くようにデマを流すんだな。」

そう龍心が言う。

「あいつには別の世界が見えてるんじゃねぇの?」

そう宗四郎が言った。

「言っとくけどな荒。俺達は暴走族でもなんでも…」

「面白そうじゃねぇか。」

そう俺の言葉は何者かによって遮られる。

「陽汰!蓮も!」

どうやら居残りがそう終わったのか二人とも来た。

「いやー。居残り大変だったわ。」

「お前寝てただけじゃねぇか。」

陽汰の発言に対して蓮がツッコむ。

「そんな事はどうでもいいんだよ。それよりも暴走族。面白そうじゃねぇか。」

陽汰はそう言う。

「お前正気か?」

俺はそう聞く。

「俺はいつだって正気だぜ。」

陽汰はそう答える。

「俺も賛成だぜ?何より合法的に喧嘩ができる。」

そう龍心も言う。

てかこいつ合法的の意味知らないだろ。

「『[漢字]悪英雄[/漢字][ふりがな]ダークヒーロー[/ふりがな]』ってのはどうですかぃ?」

そう宗樹が提案する。

「おぉ!粗大ゴミにしては言い意見じゃねぇか!」

そう宗四郎は喜んでいる。

「『悪英雄』…。確かに良いかもな。」

そう蓮も言う。

「じゃあ『悪英雄』で決定で!」

そう陽汰が言う。

「マジか…。」

この日から俺達は暴走族になったのだった。

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作者メッセージ

長めです。
そろそろ殴り合いが書けそうで嬉しい。
コメントお待ちしております。

2024/10/17 23:09

ミートスパゲティ ID:≫ipdK9MPMDozNk
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