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喧嘩無双

#17

報告

「報告、報告。」

俺、神宮寺治は学校から抜け出し、そう呟きながらある所へ向かう。

そう、我らが『[漢字]天使[/漢字][ふりがな]エンジェル[/ふりがな]』のヤサだ。

「あれ?ヤサってどっちだっけ?」

道が入り組んでいるという訳でも無いが、時々こうして迷う事がある。

そんな時は…。

「木の枝発見。」

俺はそう落ちていた木の枝を手に取り地面に直角に立てる。

そして倒れた方向に歩き出す。

「右か。」

俺はそのまま数分間歩き続けると目の前にはヤサが見えた。

「総長〜。」

俺はそう言いドアを蹴り開ける。

だが、返事は無い。

それ以前に電気すらついていない。

「あ、学校か。」

そう気付いた俺は再び来た道を戻り始めた。

「面倒くせぇなぁ。」

早く報告しなければならないのに。

恐らく遅いと怒られるだろう。

「あれ?ここどこだ?」

そんな事を思いながら歩いていたのだが、一向に学校に付かない。

それどころか見た事も無い所に来てしまった。

運が悪い事に、近くに木の枝もない。

「絶体絶命、四面楚歌だ。」

使い方があっているのかは知らないが、ただ一度使ってみたかっただけだ。

「うーん…。右かな。」

俺はそう直感のままに進む。

すると、学校に何とか到着できた。

「ふぅ。一休み。」

俺はそう校門の近くにあるベンチで寝転がる。

(やべぇ…。眠…。)

報告に行かなければならないのに、起き上がろうという気にはなれない。

(ちょっとくらい大丈夫だよな…。)

俺はそう目を閉じた。

―――――――――――――――――――――――――――

「治の奴、どこにいるんだ?」

俺、長澤涼は側近の神宮寺を探し回っている。

「何で自分のクラスにいねぇんだよ…。」

俺はそう思わず舌打ちをする。

あいつの事だ。

もしかしたら学校の中で迷子にでもなっているのかもしれない。

「ったく面倒くせぇなもう!」

俺はそう声を荒げた。

「どうしたんだよ。そんな声を荒げて。」

そう言いながら一人の男が近づいてくる。

護衛の金谷瑠加だ。

「いや、治に荒の監視を任せたんだがいねぇんだよ。」

俺はそう瑠加に打ち明ける。

「あいつの事だからそこら辺で寝てるんじゃねぇの?」

瑠加はそう冗談交じりな事を言う。

「はっ。あいつならやりかねねぇな。」

俺はそう言う。

その時だった。

「くかー…。くこー…。」

何者かの寝息が聞こえる。

「おいおい…。勘弁してくれよ…。」

そう、そこには治が眠っていた。

「おぉ。俺予言者向いてるかも。」

隣では瑠加がそうアホな事を言っている。

「起きろこの馬鹿野郎。」

俺はそう言い治の腹を軽く殴る。

「おへぇ!」

そんな間抜けな声を上げて治は起き上がる。

「誰だよ俺の睡眠を邪魔する奴は…って何だ。総長か。」

治はそう言い再び眠りにつこうとする。

「おい待て。何か言う事あるんじゃねぇか?」

俺はそう治に聞く。

「言う事…。あぁ。おはようございます。」

「違ぇよボケ。」

こいつ、正真正銘の馬鹿だ。

隣では瑠加が笑いを堪えるのに必死になっている。

「笑い事じゃねぇよ…。で、荒はどうだった?」

俺はそう治に尋ねる。

「荒…。あぁあ!思い出した!」

そう治が急に大声を出す。

「うるせぇよ。で、どうだった?」

「何か抜けて前田達に付くらしい。」

治はそう言う。

「……何?」

俺はそう言う。

確かに、荒の忠誠心は他の奴に比べると低かったが、俺達の方を抜けて前田達に付く訳がわからない。

「勿論、理由も聞いてきたんだろうな?」

俺はそう治に聞いた。

「え。理由…。えーっと…。」

「さてはお前、寝てたな。」

そう瑠加は治に聞く。

「うん。」

「うんじゃねぇよw。」

瑠加はそう笑っているが笑い事じゃない。

(こいつに監視を任せた俺が馬鹿だった…。)

「どうした総長?頭痛いのか?」

そう治は俺に聞いてくる。

「頼むから黙ってくれ…。」

俺はそう治にお願いしたのだった。

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作者メッセージ

期間空くとキャラの名前とか忘れるの俺だけ?
コメント心待ちにしております。

2024/10/16 23:11

ミートスパゲティ ID:≫ipdK9MPMDozNk
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