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喧嘩無双

#16

新事実

「………。」

その一連のやり取りを見ていた人物がいた。

長澤の側近、[漢字]神宮寺治[/漢字][ふりがな]じんぐうじおさむ[/ふりがな]だ。

「荒の野郎…。」

神宮寺はそう小さな声で呟く。

「今すぐ総長に報告しねぇと。」

そう言うと神宮寺は闇に消えていった。

―――――――――――――――――――――――――――

「てか名前教えろよ。」

そう宗四郎が言う。

「福田荒って言います。」

荒はそう敬語で答える。

「荒ね。あと、敬語やめろ。タメなんだからよ。」

宗四郎はそう追加の注文をする。

「…わかった。」

荒はその注文を受け入れ、タメ口で話し出した。

「聞きてぇ事は山程あるんだが…。時間がねぇ…。」

龍心はそう言うと壁に掛かっている時計の方を見る。

「やべっ!もう1分もねぇじゃねぇか!」

俺は思わず声が出る。

そう、5時間目が始まるまであと1分も無いのだ。

「遅れたらあのババアうるさいですからねぇ…。」

そう宗樹が言う。

ちなみに宗樹がババアと言っているのは担任の事だ。

可愛い担任を期待していた宗樹だが、その期待が現実になる事は無く、担任になったのは50代くらいの女性だった。

「じゃあ、荒。また後でな。」

蓮が荒にそう言うと、荒はこちらに向かって手を振る。

そして階段を降りて行こうとする。

「おい、何してんだよ。そっちは5年の教室だぞ?」

間違えたのだと思い、俺は荒にそう教えた。

「え?俺5年なんだけど…。」

「……は?」

予想外の事態に思わず声が漏れてしまった。

「冗談でしょう?」

宗樹がそう聞く。

「冗談じゃねぇよ。てか6年だったのか!?」

荒は驚いた様子で俺達に聞いてくる。

「そうだよ…。てっきりお前も6年かと…」

「くっ…w」

そう言い合っている中で笑い声が聞こえた。

何故かわからないが龍心と蓮が笑っている。

「何が面白いんだよ。」

俺はそう聞く。

「だってw名札見れば一瞬でわかるだろw」

「あ。」

そうだ、龍心の言う通りうちの学校では学年によって名札の色が違う。

荒の名札の色は5年を表す青色だ。

「荒がわからねぇのは仕方ねぇとして、お前らw」

そう蓮が笑っている。

「なんだろう…。この、ぶん殴りたい気持ち。」

そう宗四郎が言う。

「それは「恋」だ。」

陽汰がそう答えた。

「これが「恋」…。ってなるかボケ。」

宗四郎はそう盛大にツッコむ。

ちなみに、荒が俺達の学年がわからない理由として、誰一人として名札を付けていないからだ。

何故かわからないが、6年になると皆名札を付けなくなる。

理由は単純、面倒くさいからである。

「本当。流石に馬鹿すぎますぜ?」

そう宗樹は気が付けば龍心達のサイドに行っている。

「お前もわかってなかっただろ。」

「会う前からわかってました。」

宗樹はそう滅茶苦茶な事を言う。

(何言ってんだこいつ…。)

そんな事を思っていた時だった。

『キーンコーンカーンコーン』

「うぉっ!やっべぇ!」

5時間目始まりのチャイムが鳴ってしまった。

「じゃあ!皆さんまた後で!」

そう言うと荒は焦って階段を降りて行く。

「遅刻したらあいつの[漢字]所為[/漢字][ふりがな]せい[/ふりがな]だ!」

そう宗四郎は走りながら言う。

「もう急いでも一緒ですよ。」

「そうだ。絶対間に合わねぇんだから。」

アホコンビの宗樹と陽汰はもう諦めたようで、歩いている。

「あとであいつぶっ殺す…。」

俺はそう思ったのだった。

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作者メッセージ

お久しぶりでござんす。
数ヶ月浮上していないうちに閲覧数が300を超えていました。
嬉しい限りです。
浮上回数は以前と比べては減ってしまいますが、今日のようにたまに突拍子もなく投稿すると思うのでその時は読んで頂けたら嬉しいです。
長くなってしまいましたがとりあえずラーメンは豚骨に限るという事です。

2024/10/15 23:57

ミートスパゲティ ID:≫ipdK9MPMDozNk
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