喧嘩無双
「………。」
その一連のやり取りを見ていた人物がいた。
長澤の側近、[漢字]神宮寺治[/漢字][ふりがな]じんぐうじおさむ[/ふりがな]だ。
「荒の野郎…。」
神宮寺はそう小さな声で呟く。
「今すぐ総長に報告しねぇと。」
そう言うと神宮寺は闇に消えていった。
―――――――――――――――――――――――――――
「てか名前教えろよ。」
そう宗四郎が言う。
「福田荒って言います。」
荒はそう敬語で答える。
「荒ね。あと、敬語やめろ。タメなんだからよ。」
宗四郎はそう追加の注文をする。
「…わかった。」
荒はその注文を受け入れ、タメ口で話し出した。
「聞きてぇ事は山程あるんだが…。時間がねぇ…。」
龍心はそう言うと壁に掛かっている時計の方を見る。
「やべっ!もう1分もねぇじゃねぇか!」
俺は思わず声が出る。
そう、5時間目が始まるまであと1分も無いのだ。
「遅れたらあのババアうるさいですからねぇ…。」
そう宗樹が言う。
ちなみに宗樹がババアと言っているのは担任の事だ。
可愛い担任を期待していた宗樹だが、その期待が現実になる事は無く、担任になったのは50代くらいの女性だった。
「じゃあ、荒。また後でな。」
蓮が荒にそう言うと、荒はこちらに向かって手を振る。
そして階段を降りて行こうとする。
「おい、何してんだよ。そっちは5年の教室だぞ?」
間違えたのだと思い、俺は荒にそう教えた。
「え?俺5年なんだけど…。」
「……は?」
予想外の事態に思わず声が漏れてしまった。
「冗談でしょう?」
宗樹がそう聞く。
「冗談じゃねぇよ。てか6年だったのか!?」
荒は驚いた様子で俺達に聞いてくる。
「そうだよ…。てっきりお前も6年かと…」
「くっ…w」
そう言い合っている中で笑い声が聞こえた。
何故かわからないが龍心と蓮が笑っている。
「何が面白いんだよ。」
俺はそう聞く。
「だってw名札見れば一瞬でわかるだろw」
「あ。」
そうだ、龍心の言う通りうちの学校では学年によって名札の色が違う。
荒の名札の色は5年を表す青色だ。
「荒がわからねぇのは仕方ねぇとして、お前らw」
そう蓮が笑っている。
「なんだろう…。この、ぶん殴りたい気持ち。」
そう宗四郎が言う。
「それは「恋」だ。」
陽汰がそう答えた。
「これが「恋」…。ってなるかボケ。」
宗四郎はそう盛大にツッコむ。
ちなみに、荒が俺達の学年がわからない理由として、誰一人として名札を付けていないからだ。
何故かわからないが、6年になると皆名札を付けなくなる。
理由は単純、面倒くさいからである。
「本当。流石に馬鹿すぎますぜ?」
そう宗樹は気が付けば龍心達のサイドに行っている。
「お前もわかってなかっただろ。」
「会う前からわかってました。」
宗樹はそう滅茶苦茶な事を言う。
(何言ってんだこいつ…。)
そんな事を思っていた時だった。
『キーンコーンカーンコーン』
「うぉっ!やっべぇ!」
5時間目始まりのチャイムが鳴ってしまった。
「じゃあ!皆さんまた後で!」
そう言うと荒は焦って階段を降りて行く。
「遅刻したらあいつの[漢字]所為[/漢字][ふりがな]せい[/ふりがな]だ!」
そう宗四郎は走りながら言う。
「もう急いでも一緒ですよ。」
「そうだ。絶対間に合わねぇんだから。」
アホコンビの宗樹と陽汰はもう諦めたようで、歩いている。
「あとであいつぶっ殺す…。」
俺はそう思ったのだった。
その一連のやり取りを見ていた人物がいた。
長澤の側近、[漢字]神宮寺治[/漢字][ふりがな]じんぐうじおさむ[/ふりがな]だ。
「荒の野郎…。」
神宮寺はそう小さな声で呟く。
「今すぐ総長に報告しねぇと。」
そう言うと神宮寺は闇に消えていった。
―――――――――――――――――――――――――――
「てか名前教えろよ。」
そう宗四郎が言う。
「福田荒って言います。」
荒はそう敬語で答える。
「荒ね。あと、敬語やめろ。タメなんだからよ。」
宗四郎はそう追加の注文をする。
「…わかった。」
荒はその注文を受け入れ、タメ口で話し出した。
「聞きてぇ事は山程あるんだが…。時間がねぇ…。」
龍心はそう言うと壁に掛かっている時計の方を見る。
「やべっ!もう1分もねぇじゃねぇか!」
俺は思わず声が出る。
そう、5時間目が始まるまであと1分も無いのだ。
「遅れたらあのババアうるさいですからねぇ…。」
そう宗樹が言う。
ちなみに宗樹がババアと言っているのは担任の事だ。
可愛い担任を期待していた宗樹だが、その期待が現実になる事は無く、担任になったのは50代くらいの女性だった。
「じゃあ、荒。また後でな。」
蓮が荒にそう言うと、荒はこちらに向かって手を振る。
そして階段を降りて行こうとする。
「おい、何してんだよ。そっちは5年の教室だぞ?」
間違えたのだと思い、俺は荒にそう教えた。
「え?俺5年なんだけど…。」
「……は?」
予想外の事態に思わず声が漏れてしまった。
「冗談でしょう?」
宗樹がそう聞く。
「冗談じゃねぇよ。てか6年だったのか!?」
荒は驚いた様子で俺達に聞いてくる。
「そうだよ…。てっきりお前も6年かと…」
「くっ…w」
そう言い合っている中で笑い声が聞こえた。
何故かわからないが龍心と蓮が笑っている。
「何が面白いんだよ。」
俺はそう聞く。
「だってw名札見れば一瞬でわかるだろw」
「あ。」
そうだ、龍心の言う通りうちの学校では学年によって名札の色が違う。
荒の名札の色は5年を表す青色だ。
「荒がわからねぇのは仕方ねぇとして、お前らw」
そう蓮が笑っている。
「なんだろう…。この、ぶん殴りたい気持ち。」
そう宗四郎が言う。
「それは「恋」だ。」
陽汰がそう答えた。
「これが「恋」…。ってなるかボケ。」
宗四郎はそう盛大にツッコむ。
ちなみに、荒が俺達の学年がわからない理由として、誰一人として名札を付けていないからだ。
何故かわからないが、6年になると皆名札を付けなくなる。
理由は単純、面倒くさいからである。
「本当。流石に馬鹿すぎますぜ?」
そう宗樹は気が付けば龍心達のサイドに行っている。
「お前もわかってなかっただろ。」
「会う前からわかってました。」
宗樹はそう滅茶苦茶な事を言う。
(何言ってんだこいつ…。)
そんな事を思っていた時だった。
『キーンコーンカーンコーン』
「うぉっ!やっべぇ!」
5時間目始まりのチャイムが鳴ってしまった。
「じゃあ!皆さんまた後で!」
そう言うと荒は焦って階段を降りて行く。
「遅刻したらあいつの[漢字]所為[/漢字][ふりがな]せい[/ふりがな]だ!」
そう宗四郎は走りながら言う。
「もう急いでも一緒ですよ。」
「そうだ。絶対間に合わねぇんだから。」
アホコンビの宗樹と陽汰はもう諦めたようで、歩いている。
「あとであいつぶっ殺す…。」
俺はそう思ったのだった。
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