喧嘩無双
「それじゃあ、行くか。」
昼休み、宗四郎が突然そう言い出す。
「行くってどこにだよ。」
俺はそう尋ねる。
「決まってんだろ。犯人探しの旅だよ。」
宗四郎はそう言う。
「あのなぁ。犯人探しって言ったってどうやって探す気なんだよ。」
蓮は呆れた様にそう聞く。
「そりゃ一人一人脅して…」
「ダメに決まってるでしょう。」
そう宗樹が宗四郎の話を[漢字]遮[/漢字][ふりがな]さえぎ[/ふりがな]る。
「折角龍心が言い逃れしてくれたんでさぁ。そんな事したら水の泡になるじゃないですかぃ。」
宗樹にしては珍しくまともな事を言っている。
「喧嘩した事がバレたらもう喧嘩できないじゃないですかぃ。そうなったらどうしてくれるんですか?」
こいつ、まともな事言ってると思ったら…。
やはり宗樹は宗樹だ。
「じゃあどうするって言うんだよ。」
宗四郎はそう言う。
「どうするって言われてもなぁ…。」
俺達の学校、扇小学校は全校生徒は1000人を超える。
その中から言いふらした奴を見つけるなんて至難の業だ。
「取り巻きの奴じゃねぇの?」
陽汰がそう突然口を開く。
「確かに。その可能性もあるな。」
陽汰は普段は馬鹿だが、たまにこう鋭い事を言う。
「取り巻きの顔なんて覚えてねぇよ。」
「宗四郎の言う通りでさぁ。」
馬鹿二人がそう言う。
こいつらはずっと殴り続けていたので、一番奴らの事を見ていた筈なのに…。
「わざわざ思い出さなくてもいいだろ。」
龍心がそう言う。
「どういう事だ?」
俺はそう龍心に尋ねる。
「どういう事も何も、今日ずっと[漢字]尾[/漢字][ふりがな]つ[/ふりがな]けられてるぜ?」
龍心はそう言うと目で左を差す。
だが、そこは行き止まりだ。
「誰もいねぇじゃねぇかよ。」
蓮はそう言う。
「もしかして…。」
宗四郎は何か気付いた様に行き止まりの方へ向かって行く。
そして少しすると足を止め、横を見た。
「うぉ!やっぱりか!」
宗四郎はそう声を上げる。
「何だ!?」
丁度死角になっている為見えない。
「うぉっ!危ねぇな!」
宗四郎の顔の横を腕が通ったのが一瞬見えた。
やはり、誰かいるようだ。
「死んどけ!」
宗四郎はそう言い拳を突き出す。
すると「ゴッ」と何か硬いものが壁にぶつかった音がする。
恐らく、壁に頭を打ったのだろう。
「よっこらせ。重ぇなこいつ…。」
そう言い、宗四郎は何かを持ち上げてこちらに見せてくる。
「うひゃー。完全に伸びちまってますね。」
そう宗樹が宗四郎に殴られ、伸びてしまった男を見て言う。
「こいつって…。」
蓮がそう声を漏らす。
「知ってるのか?」
俺はそうに蓮に聞く。
「知ってるって言うか…。何か見た事ある気がして…。」
そう蓮は色んな方向から男の事を見る。
「こいつ、俺が昨日投げ飛ばしたやつじゃん。」
そう陽汰男を見て言う。
「マジか?」
龍心はそう陽汰に聞く。
「多分な。こんな顔してた気がする。」
陽汰はそう曖昧な返事をする。
「てか、投げ飛ばしてたのかよ。」
俺はそう陽汰に言う。
「投げやすそうなサイズだったからな。」
陽汰はそう言うが、男の身長は宗樹と同じくらいか、それ以上だ。
「やっぱりお前ヤバいな。」
「何が?」
宗四郎がそう言うが、当の本人は何がヤバいのか理解していないらしい。
ますますヤバい。
「とりあえず、こいつは取り巻きで確定ですねぇ。」
宗樹がそう言う。
「てかいつから気付いてたんだよ?」
俺は龍心に問いかける。
「担任に呼び出された時からだよ。尾けられてる気がして後ろ振り向いたらこいつが一人でコソコソ歩いてたんだよ。」
という事はこいつがチクった可能性は十分ある。
「なら目覚ましたら問い詰めるか。」
宗四郎がそう言う。
昼休みはまだまだある。
俺達はこいつが目を覚ますのを気長に待つことにした。
昼休み、宗四郎が突然そう言い出す。
「行くってどこにだよ。」
俺はそう尋ねる。
「決まってんだろ。犯人探しの旅だよ。」
宗四郎はそう言う。
「あのなぁ。犯人探しって言ったってどうやって探す気なんだよ。」
蓮は呆れた様にそう聞く。
「そりゃ一人一人脅して…」
「ダメに決まってるでしょう。」
そう宗樹が宗四郎の話を[漢字]遮[/漢字][ふりがな]さえぎ[/ふりがな]る。
「折角龍心が言い逃れしてくれたんでさぁ。そんな事したら水の泡になるじゃないですかぃ。」
宗樹にしては珍しくまともな事を言っている。
「喧嘩した事がバレたらもう喧嘩できないじゃないですかぃ。そうなったらどうしてくれるんですか?」
こいつ、まともな事言ってると思ったら…。
やはり宗樹は宗樹だ。
「じゃあどうするって言うんだよ。」
宗四郎はそう言う。
「どうするって言われてもなぁ…。」
俺達の学校、扇小学校は全校生徒は1000人を超える。
その中から言いふらした奴を見つけるなんて至難の業だ。
「取り巻きの奴じゃねぇの?」
陽汰がそう突然口を開く。
「確かに。その可能性もあるな。」
陽汰は普段は馬鹿だが、たまにこう鋭い事を言う。
「取り巻きの顔なんて覚えてねぇよ。」
「宗四郎の言う通りでさぁ。」
馬鹿二人がそう言う。
こいつらはずっと殴り続けていたので、一番奴らの事を見ていた筈なのに…。
「わざわざ思い出さなくてもいいだろ。」
龍心がそう言う。
「どういう事だ?」
俺はそう龍心に尋ねる。
「どういう事も何も、今日ずっと[漢字]尾[/漢字][ふりがな]つ[/ふりがな]けられてるぜ?」
龍心はそう言うと目で左を差す。
だが、そこは行き止まりだ。
「誰もいねぇじゃねぇかよ。」
蓮はそう言う。
「もしかして…。」
宗四郎は何か気付いた様に行き止まりの方へ向かって行く。
そして少しすると足を止め、横を見た。
「うぉ!やっぱりか!」
宗四郎はそう声を上げる。
「何だ!?」
丁度死角になっている為見えない。
「うぉっ!危ねぇな!」
宗四郎の顔の横を腕が通ったのが一瞬見えた。
やはり、誰かいるようだ。
「死んどけ!」
宗四郎はそう言い拳を突き出す。
すると「ゴッ」と何か硬いものが壁にぶつかった音がする。
恐らく、壁に頭を打ったのだろう。
「よっこらせ。重ぇなこいつ…。」
そう言い、宗四郎は何かを持ち上げてこちらに見せてくる。
「うひゃー。完全に伸びちまってますね。」
そう宗樹が宗四郎に殴られ、伸びてしまった男を見て言う。
「こいつって…。」
蓮がそう声を漏らす。
「知ってるのか?」
俺はそうに蓮に聞く。
「知ってるって言うか…。何か見た事ある気がして…。」
そう蓮は色んな方向から男の事を見る。
「こいつ、俺が昨日投げ飛ばしたやつじゃん。」
そう陽汰男を見て言う。
「マジか?」
龍心はそう陽汰に聞く。
「多分な。こんな顔してた気がする。」
陽汰はそう曖昧な返事をする。
「てか、投げ飛ばしてたのかよ。」
俺はそう陽汰に言う。
「投げやすそうなサイズだったからな。」
陽汰はそう言うが、男の身長は宗樹と同じくらいか、それ以上だ。
「やっぱりお前ヤバいな。」
「何が?」
宗四郎がそう言うが、当の本人は何がヤバいのか理解していないらしい。
ますますヤバい。
「とりあえず、こいつは取り巻きで確定ですねぇ。」
宗樹がそう言う。
「てかいつから気付いてたんだよ?」
俺は龍心に問いかける。
「担任に呼び出された時からだよ。尾けられてる気がして後ろ振り向いたらこいつが一人でコソコソ歩いてたんだよ。」
という事はこいつがチクった可能性は十分ある。
「なら目覚ましたら問い詰めるか。」
宗四郎がそう言う。
昼休みはまだまだある。
俺達はこいつが目を覚ますのを気長に待つことにした。
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