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喧嘩無双

#13

言いふらし

初陣は無事俺達の勝利で終わった。

そして俺達は次の日平然と学校へ向かったのだが…。

「なぁ…。俺達浮いてねぇか?」

俺が席に荷物を置いた瞬間、そう蓮が俺に言ってくる。

その通り、何故かはわからないが明らかに避けられている。

しかもその避けられ方が尋常ではなく、俺達の事を何か恐ろしい物を見るような目で見てくる。

だが、まぁだいたい予想は出来ていた。

恐らく蓮も言わないだけで想像ついているだろう。

「何ででしょうねぇ…。」

そう宗樹がすっとぼけた様に言う。

いや、こいつの場合は本当にわかっていないのかもしれない。

そんな時、龍心が教室に入って来る。

やはりその瞬間、教室の中はザワつく。

「おい、龍心…」

「わかってる。誰かが言いふらしたのか?」

俺は浮いてる事を伝えようとしたのだが、龍心は既に気付いていたらしい。

「言いふらすとしたら宗四郎辺りだよな…。」

蓮がそう呟く。

「戻って来たら聞いてみるか。」

俺はそう言う。

宗四郎は今丁度トイレに行っている筈だ。

その時、タイミングよく宗四郎が帰って来る。

やはり教室内がザワついた。

「おい、昨日の事言いふらしてねぇよな?」

龍心がそうギリギリまで顔を近づけて聞く。

「近ぇよ。それに言いふらしてねぇし。昨日散々拓海に釘打たれたからな。」

宗四郎はそう言う。

そう言えば、昨日こいつなら言いふらしかねないと思って釘を打っておいたのだった。

「てか言いふらすとしたらこいつだろ。」

そう言い宗四郎は宗樹を指差す。

確かに、宗樹の可能性も十二分ある。

「何の事ですかぃ?」

そう宗樹は言う。

その表情は嘘を言っているようには見えない。

どうやらこいつは本当にわかっていないようだ。

「となれば残るは陽汰だけだが…。」

俺はそう呟き教室内を見渡す。

「まだ来てねぇもんな…。」

龍心がそう言う。

そう、遅刻だ。

となると陽汰が言いふらす事は不可能だ。

「てか普通に考えて長澤か金谷だろ。」

宗四郎はそう言うが、長澤も金谷も来ていない。

という事はこの6人の内の誰かという事になってしまう。

「おはざまーす。」

そう言い陽汰が教室に入って来る。

「珍しく遅刻してねぇじゃねぇか。今日は地震でも起こんのか?」

そう龍心が言う。

「龍心、流石に不謹慎だ。」

蓮がそう注意する。

「そうだな。すまん。」

龍心はそう謝る。

その時だった。

「ちょっとそこの6人、こっち来て。」

そう担任から呼び出される。

「え?あ、はい。」

俺は突然の事に驚き思わず返事をしてしまう。

担任はそのまま教室を出る。

俺達も後ろからついて行った。

呼び出さた理由は明らかだった。

「これ絶対怒られるやつですよね。」

宗樹がそう言う。

「多分そうだろうな。」

龍心はそう返事をする。

そして教室からかなり離れて、人が誰もいない所まで来ると先生は止まり、こちらに振り向く。

「あんまりこういうのは言いたくないんだけど、喧嘩したって本当?」

担任はそう問いかけてきた。

やはり、誰もが想像していた事だった。

俺達は何も言えないままの沈黙が続く。

「別に怒ってるとかじゃなくて、先生は知りたいだけなんだ。」

これは絶対喧嘩したとバレたら怒られるやつだ。

俺はそう悟る。

どう言い逃れしようかと考えていた時だった。

「そんな筈ないじゃないですか。」

そう龍心はニコニコしながら言う。

こいつの作り笑顔はいつ見ても何と言うか…

(怖ぇな。)

こんな笑顔されたら俺だって騙されてしまいそうな気がする。

「いや、先生もそう思うんだけどね?喧嘩をしているところを見たっていう生徒が何人もいたから。」

「まさか。冗談でしょう?まずまず僕達殴り合いなんてした事ないですし、ね?」

龍心はそう俺に突然振ってくる。

「そ、そうだな。」

俺はまたもや驚いて思わず返事をしてしまう。

「なら信じるけど…。とにかく、疑われるような事はしないようにね!」

そう警告をすると、担任はどこかに行ってしまった。

「ふぅ…。ようやくどっか行ったか。」

龍心は担任がいなくなった事を確認するとそう言う。

「詐欺師みたいだな。」

そう宗四郎が龍心に向かって言う。

「人に向かって失礼な事言うんじゃねぇよ。」

龍心はそう言いながら顔の筋肉を手で揉み解している。

「すげぇな。多重人格かよ。」

「な訳ねぇだろ。」

龍心はそう言い笑っている。

「とりあえず、犯人探しの旅ですねぇ。」

宗樹はそう言う。

宗樹の言う通り本当にそうなってしまいそうだ。

[中央寄せ]―――キーンコーンカーンコーン―――[/中央寄せ]

チャイムの音だ。

俺達は授業に遅れまいと全力ダッシュで教室に戻った。

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

第2章始まりでやんす

2024/09/04 23:19

ミートスパゲティ ID:≫ipdK9MPMDozNk
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