喧嘩無双
ピピピピ、ピピピピ、ピピ―――
俺、前田拓海は耳障りな音とともに朝を迎える。
アラームを止めるために頭上にあったスマホを手に取り、現在の時間を確認する。
画面には6:40と表示されており、登校時間の7:00にはまだかなり時間がある。
「ん…。」
俺はベットから降り、軽く伸びをする。
そしてリビングに行きテレビを付けた。
「昨晩、暴走族チーム「関東連合」により、男女合わせて10人が誘拐され…」
また昨日と同じようなニュースが流れている。
いつ頃からだろうか。ある日を境目に、急激に暴走族が増え始め、破壊行動、誘拐などが当たり前のように行われるようになった。
それがいつしか警察も手が出なくなり、大きな問題となっている。
俺の両親も同じように暴走族に誘拐された。
そのため家には俺一人しかいない。
両親が誘拐された事を警察に言っても別件で忙しいと相手にされずそのまま終いだ。
他にも、親を失った子は何人もいる。
それが普通になってきてしまっているのだ。
(イカれた社会だよな…。)
お金などは遠くの祖父母などから送られてくるので一応生活はできる。
俺はいつものように戸棚からパンを取り出しそれにバターを塗り、口に入れる。
美味しくもないし不味くもない。
何とも微妙な味だ。
そんな事をしている内にかなり時間が経ってしまった。
俺は家から出て、玄関の鍵を閉め、学校に向かって歩き始める。
こんな退屈な日々にうんざりしてしまう。
基本、学校につくまではスマホをいじっているか、ぼーっとしているかのどちらかだ。
俺はぼーっとしながら学校に向かって歩いていく。
またどこかで喧嘩をしている声が聞こえる。
もう慣れてしまったためなんとも思わない。
「何だよテメェ。」
「へ?」
急に声をかけられ、思わず間抜けな声を出してしまう。
「だから何こっち見てんだっってんだよ。」
「はぁ…。」
こういう絡んでくる輩も少なくない。
大抵の場合、だいたい無視しておけばいいのだが、何ともしつこい。
「あれ?拓海じゃありやせんか。」
どうしようかと考えていると誰かがそいつに自転車で突っ込んだ。
特徴的な口調、茶色い髪。
そして耳元で輝く金色のピアス。
それはクラスメイトの中嶋宗樹だった。
「テメっ!何しやがんだ!」
そうさっきの輩が立ち上がりながら言う。
宗樹に轢かれた右足を抑えている。
「何って、そんなところにいるアンタが悪いんでさぁ。」
人を轢いたというのに反省している様子が見られない。
「お前ナメてたら…」
「うっせぇんだよ。」
そう輩が何かを言おうとしていた時に宗樹はもう既に動いていた。
すごい速さで輩の顔面に綺麗にアッパーを入れる。
殴られた輩はそのまま意識を失い、後ろにぶっ倒れた。
「さぁ、行きやしょうよ。」
そう宗樹が手招きしてくる。
「お前そんなことしてよ…。もしヤバい奴らに目付けられても知らねぇぞ?」
俺はそう宗樹に忠告する。
「大丈夫ですって。そんなことより早くしねぇと遅刻しちまいますぜ?」
宗樹はそう言いながら、殴り倒した輩のポケットを漁っている。
何かを探しているようだ。
「遅刻するも何も、お前がそいつを轢かなかったら何もこうならなかったんだよ。」
同じような日々の中でこいつだけはいつも何をするかわからない野郎だとつくづく思う。
「あ、ありやした。」
そう宗樹は輩の財布を手にする。
「おい、それはやめとけよ。」
だが宗樹は俺の忠告を聞かずにそれを颯爽と自分のポケットに入れる。
そこらの輩よりも絶対に悪質だ。
「奪い合いの世の中ですぜ?こんなことでもしねぇと生き残れませんよ。」
そう宗樹は上機嫌だ。
「俺はもう行くからな。」
そう宗樹を無視して、学校に向かう。
「待ってくだせぇよ。」
そう宗樹は自転車を置いて俺の後ろを走って追いかけてきた。
「お前、自転車は?」
俺はそう聞いてみる。
「ん?あぁ。あれはそこら辺に止まってたやつだからいいですよ。いるんですかぃ?」
宗樹はそう俺に聞いてくる。
こいつの方が暴走族より問題じゃないのかと思う。
「さて、行きやすよ。」
そう宗樹は奪った輩の財布の中身を確認して、笑みを浮かべている。
ガチでヤバいタイプ人間だ。
俺はそう思いながら学校へと向かっていった。
俺、前田拓海は耳障りな音とともに朝を迎える。
アラームを止めるために頭上にあったスマホを手に取り、現在の時間を確認する。
画面には6:40と表示されており、登校時間の7:00にはまだかなり時間がある。
「ん…。」
俺はベットから降り、軽く伸びをする。
そしてリビングに行きテレビを付けた。
「昨晩、暴走族チーム「関東連合」により、男女合わせて10人が誘拐され…」
また昨日と同じようなニュースが流れている。
いつ頃からだろうか。ある日を境目に、急激に暴走族が増え始め、破壊行動、誘拐などが当たり前のように行われるようになった。
それがいつしか警察も手が出なくなり、大きな問題となっている。
俺の両親も同じように暴走族に誘拐された。
そのため家には俺一人しかいない。
両親が誘拐された事を警察に言っても別件で忙しいと相手にされずそのまま終いだ。
他にも、親を失った子は何人もいる。
それが普通になってきてしまっているのだ。
(イカれた社会だよな…。)
お金などは遠くの祖父母などから送られてくるので一応生活はできる。
俺はいつものように戸棚からパンを取り出しそれにバターを塗り、口に入れる。
美味しくもないし不味くもない。
何とも微妙な味だ。
そんな事をしている内にかなり時間が経ってしまった。
俺は家から出て、玄関の鍵を閉め、学校に向かって歩き始める。
こんな退屈な日々にうんざりしてしまう。
基本、学校につくまではスマホをいじっているか、ぼーっとしているかのどちらかだ。
俺はぼーっとしながら学校に向かって歩いていく。
またどこかで喧嘩をしている声が聞こえる。
もう慣れてしまったためなんとも思わない。
「何だよテメェ。」
「へ?」
急に声をかけられ、思わず間抜けな声を出してしまう。
「だから何こっち見てんだっってんだよ。」
「はぁ…。」
こういう絡んでくる輩も少なくない。
大抵の場合、だいたい無視しておけばいいのだが、何ともしつこい。
「あれ?拓海じゃありやせんか。」
どうしようかと考えていると誰かがそいつに自転車で突っ込んだ。
特徴的な口調、茶色い髪。
そして耳元で輝く金色のピアス。
それはクラスメイトの中嶋宗樹だった。
「テメっ!何しやがんだ!」
そうさっきの輩が立ち上がりながら言う。
宗樹に轢かれた右足を抑えている。
「何って、そんなところにいるアンタが悪いんでさぁ。」
人を轢いたというのに反省している様子が見られない。
「お前ナメてたら…」
「うっせぇんだよ。」
そう輩が何かを言おうとしていた時に宗樹はもう既に動いていた。
すごい速さで輩の顔面に綺麗にアッパーを入れる。
殴られた輩はそのまま意識を失い、後ろにぶっ倒れた。
「さぁ、行きやしょうよ。」
そう宗樹が手招きしてくる。
「お前そんなことしてよ…。もしヤバい奴らに目付けられても知らねぇぞ?」
俺はそう宗樹に忠告する。
「大丈夫ですって。そんなことより早くしねぇと遅刻しちまいますぜ?」
宗樹はそう言いながら、殴り倒した輩のポケットを漁っている。
何かを探しているようだ。
「遅刻するも何も、お前がそいつを轢かなかったら何もこうならなかったんだよ。」
同じような日々の中でこいつだけはいつも何をするかわからない野郎だとつくづく思う。
「あ、ありやした。」
そう宗樹は輩の財布を手にする。
「おい、それはやめとけよ。」
だが宗樹は俺の忠告を聞かずにそれを颯爽と自分のポケットに入れる。
そこらの輩よりも絶対に悪質だ。
「奪い合いの世の中ですぜ?こんなことでもしねぇと生き残れませんよ。」
そう宗樹は上機嫌だ。
「俺はもう行くからな。」
そう宗樹を無視して、学校に向かう。
「待ってくだせぇよ。」
そう宗樹は自転車を置いて俺の後ろを走って追いかけてきた。
「お前、自転車は?」
俺はそう聞いてみる。
「ん?あぁ。あれはそこら辺に止まってたやつだからいいですよ。いるんですかぃ?」
宗樹はそう俺に聞いてくる。
こいつの方が暴走族より問題じゃないのかと思う。
「さて、行きやすよ。」
そう宗樹は奪った輩の財布の中身を確認して、笑みを浮かべている。
ガチでヤバいタイプ人間だ。
俺はそう思いながら学校へと向かっていった。
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