二次創作
UNDERTALEリアル人狼
突然現れた少年は、ニッコリと笑った。
「生身でははじめましてかな?僕は…"A"だ」
大きく目を見開く全員。…が、一人だけ表情が変わらないものがいた。
「というかこっちは久しぶりかな?"[漢字]博士[/漢字][ふりがな]ガスター[/ふりがな]"」
「やあやあ、面白いものを見せてもらったよ」
信じられない思いでガスターを見る。彼らは知り合い?じゃあ、黒幕はガスター?そんな…仲間じゃなかったのか?
「おっと、勘違いしないでほしいかな。私はみんなを苦しめるためにこの人狼ゲームを企画したわけじゃない」
ガスターはそう言うと、フリスクの方を見た。相変わらず何を考えているか読めない。
「私がこのゲームを企画したのは…君を試すためだよ、フリスク」
「僕を…?」
訳がわからず首をかしげる。ガスターは、フリスクに一つ問いたいことがあると言った。
「なぜ君は[漢字]Gルートを行った[/漢字][ふりがな]仲間を殺した[/ふりがな]後、[漢字]Pルートに戻ってきた[/漢字][ふりがな]仲間を救った[/ふりがな]んだい?」
ドクンと、心臓が大きく波打つのを感じた。彼は、全てを知っている。今までフリスクが行ってきたこと全てを…そう直感した。
「(もし、ここで"[漢字]Gルートを歩んだ[/漢字][ふりがな]みんなを殺した[/ふりがな]"ことを認めたら、みんなに嫌われちゃうかもしれない…)」
どうしよう、と思っていたその時。
「…」
Aと目があった。ケツイの宿った目は、"君なら言える"と訴えかけているようだった。そんな彼の目に背中を押されるように、フリスクは口を開いた。体が震える。みんなに嫌われたくない。それでも…!
*ケツイが みなぎった。
「確かに、僕は別の時間軸でみんなを殺した。」
でも、と続ける。みんなの顔を見るのが怖い。
「なんにも無くなって、誰もいなくなって、初めて気づいた。みんなみんな、"大切な存在"だったって!」
夢中で喋り続ける。やがて、誰の目も気にならなくなった。いいんだ、これで。罪を背負った自分が嫌われても…後悔はしない。
「だから、だから"リセット"して戻ってきた。みんなを殺した罪は消えないかもしれない。でも、せめてもの償いに、みんなを救いたかったんだ!」
部屋が静まり返る。まだ、心臓がバクバクいっている。
「…そうかい」
表情一つ変えず、ガスターはつぶやく。そして、チラリとAの方をみた。
「と言っているが、どうだいA?」
なぜ彼に聞くのだろう。不思議に思いながらAを見る。
「…合格。僕は君を"信じられる"よ。それに、君の仲間もそうみたいだしね。今の話を聞いても、君を受け入れてくれるみたいだ。」
ハッとして周りをみる。みんな、いつもと変わらない優しい目を向けてくれた。サンズだって、完全にではないけど信じてくれた。胸に、温かいものが広がる。嫌われて、なかったんだ…やっぱりみんなみんな、"大好き"だ。
「ありがとう、みんな…」
*この優しい仲間たちを守っていきたい…そう思ったら、ケツイが みなぎった。
「さてと、そろそろ僕のことについて話そう」
そういった後、Aは自分の昔話を始めた。
「僕は、ゲームの"バグ"によって生まれた。…あぁ、この世界を"ゲーム"と知らない人もいたね。じゃあ、わからない人はいいや。分かる人だけ聞いてほしい」
まだまだ続く。ゲームマスターとして話していたときと、テンションがだいぶ違う。こっちが素なのだろうか?
「"落ちたニンゲンに名前をつけてください"…あのときプレイヤーは"A"と名付けた。」
その時だよ、とAは言う。だんだんと、彼の正体がわかっていく。
「そのとき、"キャラ"と"A"が別々の存在として登場したんだ。どうやら、プレイヤーがゲーム機を落としたみたいでね、"バグ"が発生したんだ」
「え…じゃあ、あなたはどうなったの?」
フリスクの質問に、Aはニコリと笑って答えた。
「君の代わりに、"主人公"として活動してたよ」
「…え???」
「まぁ、それもバグなんだけどね。"プレイヤー"も、バグによって操作できていないみたいだったから、本来"プログラムにないこと"を僕はした。」
「それは、なに…?」
「僕は、地上に出るのを諦めて"トリエルの家に留まる"選択をしたんだ。それが引き金となった。バグが溜まりに溜まって、ついに"ゲーム自体が修正しようとした"んだ。」
そこで一息をつく。気がつくと、ケツイのことをよくわかっていない人まで夢中になって聞いていた。
「バグが消え、フリスクが"主人公"になり、僕は消滅するはずだった。でも…僕は"抗った"んだ。」
まさか、とフリスクは思う。死にたくないという思い…運命を変えたいと思う強い気持ち…それが高まったのだとしたら。
「ケツイの力で、僕は消滅しなかった。その代わり、博士…ガスターと同じところに飛ばされた。誰にも認知されない…"時空の狭間"にね」
そこでガスターと知り合った、と彼は言った。
「博士は、"人狼ゲーム"を提案してきた。彼は実験という名の、君を試すためのゲームをしたかったらしい。そりゃそうだよね、Gルートを歩んだ"主人公"が、息子と一緒にいたら心配するに決まってる。」
先ほど合格と言っていたのは、フリスクを認めてくれたということだろうか。
「このゲームは、ガスターが研究で発見した"時空の狭間"へ誰かを呼ぶ技術を使って行っている。…つまり、ここは"時空の狭間"ってことね」
"は?"と言う声が聞こえたので横を見てみたら、サンズが固まっていた。"時空の狭間"がなんなのかよくわからないが、本来来れないところなのだろう。
「これが、僕の正体。まぁ、一言でいうなら…"バグによって生まれた、[漢字]もう一人の[/漢字][ふりがな]フリスク以外の[/ふりがな]主人公"かな」
「だから、僕と似ているの?…じゃあ、そのサンズのパーカーは」
「そう、"別の時間軸の彼"にもらったんだ。誕生日プレゼントにね。」
Aの表情は嬉しげで、ちょっぴり切なかった。フリスクの胸がキュッと痛む。…その時。
ザザッ
突然聞こえたノイズ音。よく見ると、[漢字]Aが消えかけている[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・[/ふりがな]。驚くフリスクたちを尻目に、彼は苦笑した。
「あ〜あ、"時空の狭間"に来たから多少は遅れたけど、やっぱりバグは消えなきゃだよね」
「そんな…!」
きっとAは、いつ消えるかわからない恐怖に襲われていたのだろう。仲間にも気づかれず、一人でいなくなるのがどれだけ怖かったのだろう。ガスターがいなかったら、彼はもう壊れていたかもしれない。
「なんで…なんで、自我を持っちゃたのかなぁ…こんなに"死"が怖いなら、いらなかったのに」
ポロポロとAの目から涙がこぼれ落ちる。最初はあんなに大嫌いだったのに、今は…
「俺様、もっと貴様と話したいんだ!消えるんじゃないA!!!」
パピルスが叫ぶ。珍しくサンズも声を荒げた。
「お前さんには聞きたいことがたくさんあるんだ!!!こんなところでくたばるな!!!」
ガスターもAが消えるのは予想外だったらしく、表情に焦りが浮かんでいる。
「ごめん、無理みたい…"じゃあね"」
「「「A!!!」」」
「僕に任せるワン!」
シリアスな雰囲気に合わない明るい声が響く。その場にいた全員が目を丸くする。だって、そこにいたのは…[漢字]白い犬[/漢字][ふりがな]作者の化身[/ふりがな]だったのだから。
「君をバグじゃ無くするにはどうしたら良いと思うワン?」
「そ、そんなのできるわけ…」
そこで彼は何かに気づいたらしく、大きく目を見開いた。
「え…まさか」
「気づいたワン?僕は君を"公式キャラ"として認めるワン!」
一瞬何を言っているかわからなかった。公式キャラ?ということは、彼はバグではなくなる。ん?っていうことは…
「Aが消えないってこと?!」
「わかったみたいだワンねフリスク。そうだワン、僕なら認められるワン!…ただし、"この小説シリーズだけ"だからワンね!勘違いしちゃだめだワンよ"[漢字]読者[/漢字][ふりがな]プレイヤー[/ふりがな]"!」
後半だれに言っているかわからなかったが、それよりも喜びが溢れ出す。
「やったねA!!!」
「うん…あのさ、みんな」
?どこかAの表情が暗い。なぜだろう…
「僕は、さんざん君たちを苦しめたんだよ?実際、誰にも気づいてもらえない辛さから、僕はみんなを憎んでいた。特にフリスク、君が存在しなければ…ってずっと思っていた。」
「…」
「そんな僕が消えなくなったことを、なんで喜んでるの?どうでもいいでしょ?僕のことなんて」
「…どうでも良くなんかないよ。だって君はもう…"仲間"だから」
フリスクの言葉に、Aは息を飲む。ガスターも、彼に微笑みかけた。
「仲間…?僕が…?ほんとに?」
「うん!ガスターさんも、もちろん仲間だよ」
みんなも頷いている。また、Aの目からとめどなく涙が溢れ出す。
「ありがとう…ありがとうみんな」
今、長かった人狼ゲームが終わった。
「生身でははじめましてかな?僕は…"A"だ」
大きく目を見開く全員。…が、一人だけ表情が変わらないものがいた。
「というかこっちは久しぶりかな?"[漢字]博士[/漢字][ふりがな]ガスター[/ふりがな]"」
「やあやあ、面白いものを見せてもらったよ」
信じられない思いでガスターを見る。彼らは知り合い?じゃあ、黒幕はガスター?そんな…仲間じゃなかったのか?
「おっと、勘違いしないでほしいかな。私はみんなを苦しめるためにこの人狼ゲームを企画したわけじゃない」
ガスターはそう言うと、フリスクの方を見た。相変わらず何を考えているか読めない。
「私がこのゲームを企画したのは…君を試すためだよ、フリスク」
「僕を…?」
訳がわからず首をかしげる。ガスターは、フリスクに一つ問いたいことがあると言った。
「なぜ君は[漢字]Gルートを行った[/漢字][ふりがな]仲間を殺した[/ふりがな]後、[漢字]Pルートに戻ってきた[/漢字][ふりがな]仲間を救った[/ふりがな]んだい?」
ドクンと、心臓が大きく波打つのを感じた。彼は、全てを知っている。今までフリスクが行ってきたこと全てを…そう直感した。
「(もし、ここで"[漢字]Gルートを歩んだ[/漢字][ふりがな]みんなを殺した[/ふりがな]"ことを認めたら、みんなに嫌われちゃうかもしれない…)」
どうしよう、と思っていたその時。
「…」
Aと目があった。ケツイの宿った目は、"君なら言える"と訴えかけているようだった。そんな彼の目に背中を押されるように、フリスクは口を開いた。体が震える。みんなに嫌われたくない。それでも…!
*ケツイが みなぎった。
「確かに、僕は別の時間軸でみんなを殺した。」
でも、と続ける。みんなの顔を見るのが怖い。
「なんにも無くなって、誰もいなくなって、初めて気づいた。みんなみんな、"大切な存在"だったって!」
夢中で喋り続ける。やがて、誰の目も気にならなくなった。いいんだ、これで。罪を背負った自分が嫌われても…後悔はしない。
「だから、だから"リセット"して戻ってきた。みんなを殺した罪は消えないかもしれない。でも、せめてもの償いに、みんなを救いたかったんだ!」
部屋が静まり返る。まだ、心臓がバクバクいっている。
「…そうかい」
表情一つ変えず、ガスターはつぶやく。そして、チラリとAの方をみた。
「と言っているが、どうだいA?」
なぜ彼に聞くのだろう。不思議に思いながらAを見る。
「…合格。僕は君を"信じられる"よ。それに、君の仲間もそうみたいだしね。今の話を聞いても、君を受け入れてくれるみたいだ。」
ハッとして周りをみる。みんな、いつもと変わらない優しい目を向けてくれた。サンズだって、完全にではないけど信じてくれた。胸に、温かいものが広がる。嫌われて、なかったんだ…やっぱりみんなみんな、"大好き"だ。
「ありがとう、みんな…」
*この優しい仲間たちを守っていきたい…そう思ったら、ケツイが みなぎった。
「さてと、そろそろ僕のことについて話そう」
そういった後、Aは自分の昔話を始めた。
「僕は、ゲームの"バグ"によって生まれた。…あぁ、この世界を"ゲーム"と知らない人もいたね。じゃあ、わからない人はいいや。分かる人だけ聞いてほしい」
まだまだ続く。ゲームマスターとして話していたときと、テンションがだいぶ違う。こっちが素なのだろうか?
「"落ちたニンゲンに名前をつけてください"…あのときプレイヤーは"A"と名付けた。」
その時だよ、とAは言う。だんだんと、彼の正体がわかっていく。
「そのとき、"キャラ"と"A"が別々の存在として登場したんだ。どうやら、プレイヤーがゲーム機を落としたみたいでね、"バグ"が発生したんだ」
「え…じゃあ、あなたはどうなったの?」
フリスクの質問に、Aはニコリと笑って答えた。
「君の代わりに、"主人公"として活動してたよ」
「…え???」
「まぁ、それもバグなんだけどね。"プレイヤー"も、バグによって操作できていないみたいだったから、本来"プログラムにないこと"を僕はした。」
「それは、なに…?」
「僕は、地上に出るのを諦めて"トリエルの家に留まる"選択をしたんだ。それが引き金となった。バグが溜まりに溜まって、ついに"ゲーム自体が修正しようとした"んだ。」
そこで一息をつく。気がつくと、ケツイのことをよくわかっていない人まで夢中になって聞いていた。
「バグが消え、フリスクが"主人公"になり、僕は消滅するはずだった。でも…僕は"抗った"んだ。」
まさか、とフリスクは思う。死にたくないという思い…運命を変えたいと思う強い気持ち…それが高まったのだとしたら。
「ケツイの力で、僕は消滅しなかった。その代わり、博士…ガスターと同じところに飛ばされた。誰にも認知されない…"時空の狭間"にね」
そこでガスターと知り合った、と彼は言った。
「博士は、"人狼ゲーム"を提案してきた。彼は実験という名の、君を試すためのゲームをしたかったらしい。そりゃそうだよね、Gルートを歩んだ"主人公"が、息子と一緒にいたら心配するに決まってる。」
先ほど合格と言っていたのは、フリスクを認めてくれたということだろうか。
「このゲームは、ガスターが研究で発見した"時空の狭間"へ誰かを呼ぶ技術を使って行っている。…つまり、ここは"時空の狭間"ってことね」
"は?"と言う声が聞こえたので横を見てみたら、サンズが固まっていた。"時空の狭間"がなんなのかよくわからないが、本来来れないところなのだろう。
「これが、僕の正体。まぁ、一言でいうなら…"バグによって生まれた、[漢字]もう一人の[/漢字][ふりがな]フリスク以外の[/ふりがな]主人公"かな」
「だから、僕と似ているの?…じゃあ、そのサンズのパーカーは」
「そう、"別の時間軸の彼"にもらったんだ。誕生日プレゼントにね。」
Aの表情は嬉しげで、ちょっぴり切なかった。フリスクの胸がキュッと痛む。…その時。
ザザッ
突然聞こえたノイズ音。よく見ると、[漢字]Aが消えかけている[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・[/ふりがな]。驚くフリスクたちを尻目に、彼は苦笑した。
「あ〜あ、"時空の狭間"に来たから多少は遅れたけど、やっぱりバグは消えなきゃだよね」
「そんな…!」
きっとAは、いつ消えるかわからない恐怖に襲われていたのだろう。仲間にも気づかれず、一人でいなくなるのがどれだけ怖かったのだろう。ガスターがいなかったら、彼はもう壊れていたかもしれない。
「なんで…なんで、自我を持っちゃたのかなぁ…こんなに"死"が怖いなら、いらなかったのに」
ポロポロとAの目から涙がこぼれ落ちる。最初はあんなに大嫌いだったのに、今は…
「俺様、もっと貴様と話したいんだ!消えるんじゃないA!!!」
パピルスが叫ぶ。珍しくサンズも声を荒げた。
「お前さんには聞きたいことがたくさんあるんだ!!!こんなところでくたばるな!!!」
ガスターもAが消えるのは予想外だったらしく、表情に焦りが浮かんでいる。
「ごめん、無理みたい…"じゃあね"」
「「「A!!!」」」
「僕に任せるワン!」
シリアスな雰囲気に合わない明るい声が響く。その場にいた全員が目を丸くする。だって、そこにいたのは…[漢字]白い犬[/漢字][ふりがな]作者の化身[/ふりがな]だったのだから。
「君をバグじゃ無くするにはどうしたら良いと思うワン?」
「そ、そんなのできるわけ…」
そこで彼は何かに気づいたらしく、大きく目を見開いた。
「え…まさか」
「気づいたワン?僕は君を"公式キャラ"として認めるワン!」
一瞬何を言っているかわからなかった。公式キャラ?ということは、彼はバグではなくなる。ん?っていうことは…
「Aが消えないってこと?!」
「わかったみたいだワンねフリスク。そうだワン、僕なら認められるワン!…ただし、"この小説シリーズだけ"だからワンね!勘違いしちゃだめだワンよ"[漢字]読者[/漢字][ふりがな]プレイヤー[/ふりがな]"!」
後半だれに言っているかわからなかったが、それよりも喜びが溢れ出す。
「やったねA!!!」
「うん…あのさ、みんな」
?どこかAの表情が暗い。なぜだろう…
「僕は、さんざん君たちを苦しめたんだよ?実際、誰にも気づいてもらえない辛さから、僕はみんなを憎んでいた。特にフリスク、君が存在しなければ…ってずっと思っていた。」
「…」
「そんな僕が消えなくなったことを、なんで喜んでるの?どうでもいいでしょ?僕のことなんて」
「…どうでも良くなんかないよ。だって君はもう…"仲間"だから」
フリスクの言葉に、Aは息を飲む。ガスターも、彼に微笑みかけた。
「仲間…?僕が…?ほんとに?」
「うん!ガスターさんも、もちろん仲間だよ」
みんなも頷いている。また、Aの目からとめどなく涙が溢れ出す。
「ありがとう…ありがとうみんな」
今、長かった人狼ゲームが終わった。
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