R家の堕ちたご息女様は如何に?
コツコツ
「はぁ、私は恵まれていないな…。」
そんな独り言を廊下で呟くリリウス。
「身支度を済ませたら龍柳届を出さんといかんな。」
龍柳届とは、龍になって人里に行く時に人間が恐れ龍を殺す為その事前届だ。
これを出せば私は襲われずに済むし自由に色んな場所に行ける。
「私は、今日から[太字]リリウス・フォンテーヌ[/太字]だ。」
「メイドよ、私はR家を出ていく。今までご苦労だった。」
「貴方様は、本当にヴォイドと繋がりがあるのでしょうか…。」
あぁ、私を最期まで信じてくれるのはお前か、リリア。
「分からない…だが、出ていくしかないんだ。」
「じゃあな。リリアよ、お前には永延の休息を与えよう。」
「いいえ、そんな……私は、いつでもリリウス様の忠実なるメイドですから。」
龍に転身したリリウスはこう言った。
「私は、R家が大好きだった。無邪気な少女で居たかった…」と。
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