短編集
[太字]忘れられないモノ[/太字]
私たちはきっともう長くない。
『と......やくん........』
「○○ちゃ、」
掠れた声で、少女と少年は互いの名を呼ぶ。瀬古社岳で、燈矢くんの個性が暴走したのだ。
「おと、さん.........」
最後まで「お父さん」、そう呼ぶ彼の姿はとても哀しかった
『と、やくん、ま、た..........ぁえる、よ.......』
その言葉を最後に私の意識は飛んだ。
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●●○○、ピチピチのJKです!
今日は晴れていたから、買い物に行きますっ
『今日がセールなの忘れてた".......』
凄く人が混んでいるショッピングモール。
明日でも良かった..........
そう思いながら、人ごみの中を分けて通っていく。
また誰かとぶつかって
『すみません』
と謝る。相手は何も言わなくて、特に私も気に留めなかった。でも何処か懐かしみがあって、
『燈矢くん?』
そう口走っていたのだ。
ぇ?だれ..........?とうや?..........そんなの知り合いに......
『ぅわぁ』
余計なことを考えていると、あっという間に人の波に飲み込まれる。
私はさっきのことを忘れて人ごみの中へと溶けていった
背後で焼かれる音がしたなんて気づかずに
(また会えるって、本当なんだなぁ?)
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