短編集
体育館で、バレー部の練習試合が始まっている。
その中には私の片思いの相手、「白布賢二郎」くんが居た。
「〇〇さん!」と言いながらセットをしている姿はとても
『かっこいいなぁ........』
私はそう小さく呟いた。好きな人の声はよく聞こえるようだ
白布くんが、レシーブをして返ってきたボールをセットしようとする。その時私は何故か、口が、喉が動いていた
『が、頑張れっ!』
ボールが打ち付けられる音がした。それは勿論ブロックに落とされた音ではなく、点が決まった音。
さっきの私の応援は、何十人も居たので、聞こえるはずはないだろう。自分自身でも何故、口が動いたのか分からなかったのだから。
私は蹲って後悔していた。何やってんだろ........
だから私は気づかなかった。川西くんが白布くんにインタビューをしていることを
「好きな人に応援されてどんな気分デスカ!白布クン!」
「俄然無敵な気分」
満足気に笑って答えていたことも
(好きな人の声はよく聞こえる)
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