二次創作
短編集【リクエスト停止】
創作元:ハイキュー!!
キャラ:角名倫太郎
※リクエスト
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『角名ー、居る?』
「あ、第二の角名」
角名のクラスのドアから顔を出し、だるげな声で角名を呼ぶ
そうしたら、私の声に反応した双子の片割れ「宮治」が、私を見つけて声を発する
"第二の角名"ってなに。私、角名になった覚えはないんだけど
「角名〜!●●が呼んどるでー」
「知ってる」
突然後ろから声がして、後ろを振り返る
後ろのドアからこっそりと出てきたのか、私の後ろには角名倫太郎が居た
びっくりしたんだけど、声掛けてよ。と角名に言うと、俺に気づけなかった○○が悪いね、と返してきた
『........ま、いいや。これ、委員会のね』
「うわ、書かなきゃいけないやつじゃん」
『はい、部活前に一緒ね』
ん、了解〜とだるそうに返事をした角名に、「ちゃんと来てね」と釘を刺しておく
角名は、はいはい、と慣れたように返事を返す
その光景に宮治が「角名と角名の共演」と呟いたのを聞き逃さなかったが、あえて触れないことにした
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「あ、角名○○」
『角名になった覚えはないよ』
あぁ、角名の●●やったか。と無視して話を進める、双子の片割れ「宮侑」
角名に会いに行った帰りに、ばったり宮侑に会い、声を掛けられた
みんなして、「角名」って言ってるけど、そこまで似てないよ
『てか、角名の●●ってなに』
「いや2人、付き合っとるやん」
『は?』
宮侑の口から出てきた衝撃的な嘘に、眉を歪める
咄嗟に「付き合ってないけど」と上擦った声で言ってしまう
は?付き合ってないん?と、驚いた様子の宮侑に、なぜそう思ったのか疑問が出てくる
「.......いやでも、角名は●●のこと"好き"そうやで?」
『........っは、』
衝撃的な真実に次は、目を見開くことになる
宮侑は驚いている私を無視して、「いっつも●●の話題は角名から出てくるし」「惚気かっちゅうくらい、褒めとるし」と、陰で行われていた話に、脳がパニックを起こす
「.......ちょっと用事思い出したから、戻る」とその場を切り抜けて、早足で自分の教室へ向かった
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「.........ぇ、○○......ねぇ○○?」
『.......ぁ、ごめん。なに?』
話しかけても反応しないから。と目を見て角名に言われて、さっと視線を外す
その後、少しの無言が続き、委員会の用事が終わってしまった
少しの気まずい空気を感じ、「.......私は帰るから、角名は部活行ってきなよ」と席を立つ
「........そのまま帰んの?」
『え、うん.......帰るけど...』
スクールバッグを片手に、角名に話しかけられて振り返る
気の抜けた返事をしてしまって、角名の様子を伺う
じゃあ、帰るからと本当に踵を返して一歩踏み出す。
後ろからも足音がコト.......と鳴り、腕を掴まれる
「俺は、こんな空気で帰んの嫌なんだけど」
え.......、と間抜けな声が出て、真剣な瞳で見つめてくる角名に、侑の言葉を思い出して、思わず目を逸らす
目を逸らした瞬間、頬を掴まれて前を向かされる
『んむ"、!』
「なんで避けられてんのか分かんないし」
少し眉を歪めて話す角名に、新鮮、と思ってしまう
だって、と今日聞いたことを角名にそのまま言う
それを聞いた角名は、少し驚き「.......ふはっ、」と笑う
「それ聞いて避けるってことはさ、俺のこと"意識"してるでしょ」
『.......っは、!?』
ずっと意識してますけど、とは口に出さずに角名から出てきた言葉に、焦ってしまう
なにか余裕そうな角名を見て、少し対抗心が出る。
私は口角を上げた角名に「.......否定しないんだ?」とイタズラ気味に笑ってやる
「事実だから」
口角が上がっているのに、真剣な眼差しで伝えられた3文字に、固まってしまう
コト.......と近づいてくる整った顔に、思わず一歩下がる
足音が止まらず、私の顔の熱さが治らない。
「てかさ、その反応..........もう"好き"って言ってるようなもんだよ」
『.......っ、!』
図星を突かれて、もっと顔を熱くしてしまう
精一杯振り絞った声で、「だ、ったら.......わるいっ.....!?」と震えた声で角名を見つめて言う
角名は口角を上げて、口を開ける
「じゃあ、カップルだね」
満足気に角名から伝えられて「.......そうですね」とニヤけて答えてしまった私は、幸せ者だと思う
角名に「今日一緒に帰るから、待っててよ」と言われて、「しょうがないね」と上げられる口角を抑えきれずに答える
するり、と繋がられた暖かさに、ぎゅっ、と握り返してみた
(まぁ、○○が俺を好きなのは気づいてたんだけど)
(角名と私はやっぱり、似てないと思う)