二次創作
短編集【リクエスト停止】
創作元:黒子のバスケ
キャラ:花宮真
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人生って何があるか分かんないじゃん?でもさ、こんな怖いこと起こると思わないじゃん
___少し前
「花宮くん!これ、作ってきたんだけど.........」
「僕に?器用だなぁ............有り難く貰うね。ありがとう」
私は横の席なので、視線の端っこに嫌に映る。ニコニコして、手作りお菓子を貰う男、「花宮真」
まさに、名前に忠実に従っているかのような性格
............でも、やっぱり人間には裏があるんだなって
「ウゼェな」
舌打ちをしながら、一言吐き捨ててゴミ箱へ物を捨てる花宮真
別に驚きはしなかった。人..........いや、こういう人間には裏がつきものだからだ
壁に隠れながら、窓の反射で彼を見る
ばちっ
『...........気持ち悪りぃ』
反射越しに目が合ったので、私は踵を返そうとした..............のだが
反射越しのあいつが口角を上げてたもんで、私は"嵌められた"ということに気がついた
静かな廊下に一つの足音が鳴り響く。どんどんと音が近くなり、鼓動も嫌に速くなり、焦燥感が高まる
やがて足音が止まり..........
「盗み聞きなんて、趣味が悪いなぁ................●●○○さん?」
『..........盗み聞きだなんて、人聞きが悪いなぁ?花宮真くん』
私が無理矢理口角を上げ、焦る気持ちを隠そうと微苦笑する
『花宮くん、こんなところでどうしたの?この先はゴミ捨て場しかないけど......』
「.......●●さんこそ、どうしたの?こんなところに用なんて......」
彼に話を切り出される前に、自分から話し出す
常に相手の主導権を握れ。彼方から話題を振られたら、それに応えなければいけない。
『恥ずかしいことに、方向音痴でね........こんなところまで来ちゃって』
「此処からはゴミ捨て場しかないって分かってるのに?」
『窓の反射でゴミ捨て場しかないんだって、分かって』
バチバチと火花が散り、ペラペラと嘘が出てくる
花宮真。流石は"優等生"だ。簡単に切り抜けさせてはくれない
花宮真が「まぁいいや」と話題を切り出す。コツ、と一つ足音が近づく
「別に、○○に知られて困ることはねぇよ」
『.......っは、』
間抜けな声が出て、その場でフリーズする
名前呼び、本性、耳元、発言。全て脳で処理が追いつかない
花宮真の上がった口角の意味が分からず、眉を歪める
内心とても不愉快で、舌を打ちたくなる。その気持ちをグッと堪え、口を開く
『馴れ馴れしいんだけど』
少しでも抗うよう、花宮真に嫌味をぶつけた
(はっ........食えねぇ女)
(チッ........花宮真の心理が分からない......)