二次創作
短編集【リクエスト停止】
創作元:ワールドトリガー
キャラ:出水公平(死ネタ) 迅悠一(少し)
---------
夏の終わり、まだまだ暑い9月21日。風鈴の音がカラン......と鳴る
その時、別れを告げるチャイムが聞こえた
作り途中だったケーキに、数分でべちゃべちゃにならないでね、と念を込めながら小走りで向かう
『......はーい...っと、.......迅さん?』
「っ、ごめん.......」
出水が、死んだ。顔を俯けて、拳を握りしめる迅さんから、弱々しく聞こえてきた一言
言葉が出ない。目が乾く。死んだ?こーへいが?いずみ、こーへいが?
9月21日。君の誕生日に、出水公平が死んだ
---------
「ほんとに、ごめん.......○○っ.....」
だから、居なくならないでほしい。と呟かれた一言に、ぴくりと反応をする
そうか、こーへいが居ない世界の私は、自殺したのか。やけに冷静になり、状況が把握できる。
なのに、「出水公平が死んだ」という事実は処理できず、目の前にいる迅さんに付き合うことしかできなかった
『.......迅さん。こーへいは、なんで死んだんですか』
「......事故。......米屋を庇って、事故死」
そうですか、と思ったよりも低い声が出る
米屋、可哀想だな、嫌だな、事故の原因は、そもそもなんで2人は一緒に......
頭の感想と疑問に、頭がパンクしそうだ。あぁ.......こーへいの18回目の誕生日、祝えなかったな
なんでサプライズにしたんだろ、なんで会わなかったんだろ、私の家に呼んでたら、集合時間早めてたら......!
頭に駆け巡る公開に、涙を浮かべる。風鈴の音とともに、彼の声が流れる
《おー、出水公平。よろしくな》
《お前はなんなの、馬鹿なの?》
《......そんなに俺が嫌なら、さっさと帰れば?》
《っなぁ、すきなんだよ.......!○○のこと》
《っは!圧倒的な差だな!》
《っふは!!おまっ.......やめろっ、バカ!》
《ハッピーバースデー、○○》
誕生日、祝えなくてごめんね
私の瞳から涙が溢れる。そのまま前に倒れ、迅さんへと傾く
意地っ張りでごめんね、わがままばっかでごめんね。ずっと、ごめんね
こーへいのこと、.......ずっと、ずっと
『あいしてる』
出水公平くんへ、誕生日おめでとう。
(何も悪くないから)
(未来が見えてたのに、阻止できなかった俺は)