「てかさあ、なんで女全員振ってるのよ。中学の時も、モデルやってる橘さんから告られたっていうのに」「なんか女って分かんないし」「えー・・・勿体ないなあ、折角橘さんと付き合う機会を～」
木村は本当に勿体ないと呆れた顔で言うが、女なんて何考えてるのか分からんし。
[漢字]橘さん[/漢字][ふりがな]たちばな[/ふりがな]と付き合ったって、なんかロクな事なさそうだし。
「ほら今だってさあ、想こんなに注目を浴びてるのに」
「あー慣れてるし」
男女関係なく、想太に見とれていた。
ルックスが良すぎるのだ。
そしてこのコーヒーといえど、後ろの造花といえど[漢字]想太[/漢字][ふりがな]イケメン[/ふりがな]に似合う。
それが飾りのように、想太をもっと輝かせている。
「・・・良いなお前は」「何でよ。俺はお前が羨ましいけどな」「え、なんで？」「こっちのセリフだよ」
木村は何て言ったってアイキューが高い。
ていうか地頭がいいので、勉強なんてしなくても満点が見事取れる。
成績が中の下の俺とはまるで違うのだ。
「成績だけ良ければ、顔とかは関係ないよ」「それは一理ある。けど・・・」
『うわあ、めっちゃイケメン』『高校生？』『モデルじゃない？』
群衆がそう言う。
・・・のを木村永遠は聞き逃さなかった。
「[太字]俺は！俺は成績なんてどーでもいいんだよ！イケメンになりたあああい！俳優になりたいんだあああああ[/太字]」「いきなりどうしたよお前ｗ」
目立つからやめてくれ。
もっと俺が見られるじゃないか・・・
（まあでも、今日は）




久しぶりに、楽しかった気がする。
それは、[漢字]木村[/漢字][ふりがな]コイツ[/ふりがな]といたから。