空腹―生地獄―
あくる日。僕はまた、見知らぬ目玉焼きが置いてあるのを見つけた。しかもご丁寧に皿に乗っている。
「本当に、何なんだ?これ…?」
昨日の頭痛と、不気味さもあって、正直食べようとは思わなかった。ゴミ箱もあるし、申し訳ないけど捨てよう。そう思った。だけど、
食べたい。お腹が空いた。自分でもよく分からない、そんな感情が湧き上がってきて、気付いたら食べていた。
「うああっ!」
昨日の比にはならないほどの激痛が、頭に走る。そして、記憶も流れてくる。
霧がかかったように頭がぼんやりしているけど、知らない、同い年くらい女の子というのが分かった。その子は、友達らしき人と遊んでいる。場面が変わり、家族と笑って、その子はご飯を食べている。次の記憶は、血まみれで倒れているその子だった。
「もうっ…何なんだよ……!」
頭が混濁し、僕は気を失った。
「っ!」
目が覚めると、頭痛が収まっていた。辺りは真っ暗で、真夜中というのが分かった。
昨日からある、謎の食べ物と、知らない記憶。食べ物を食べた後、決まって記憶が流れてくる。本当に、なんなんだ。内心苛つきつつ、ふと、空に開いた黒い穴を思い出す。確か、あれの後にこんなことに…。もしかして、あれが原因なのか?あれは何なんだ?そんな疑問が浮かび上がる。けど、考えたってしょうがない。そう思い、僕はまた眠りについた。
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