時は2☓☓☓年。

『　………科学こそが頂点なのである！』

＿＿＿私達の身の回りの物は科学によって作られた物が多い。
例えば電化製品。電子レンジにご飯を炊くための炊飯器、私達の生活にも欠かせないテレビにエアコンなど。
衣類も例えばミシンとか、漫画やイラストも今じゃデジタルが多いし、私達が当然のように使ってるケータイだって。

つまり私達の今の生活はほぼ、上記を開発した〝科学〟によって成り立っているといっても過言ではない。

（　科学こそが頂点、ねぇ……　）
科学、その素晴らしさと有能さは認めよう。
それさえあれば、あらゆるものを〝科学〟という存在だけで作り出せることも不可能じゃないのだから。

〝　ブチッ　〟

テレビを切る。
私は科学が嫌いだ。理由はちゃんとある。
私の両親こと朝霞結子と朝霞忠治は世界的な科学者だった。
世界的に活躍する大科学者、その名と功績を聞けば憧れる者から褒め称えるほど。

だが私の親は17年前、行方不明になった。
理由は分からない。
見つかったのは１年前、つまり去年の7月。
見つかったときにはすでに亡き人となっていたが。

原因は自分の命をも生贄にし実験を行ったから。
葬儀は行われなかった。私は親の最後の顔すら見れなかった挙げ句、世間はあれだけチヤホヤしてた私達の親についてなにも言わず、
ただただ証拠を揉み消すように権力を使い……。

だから私は科学が嫌いだ。
勿論その実験を行った両親も悪い。
揉み消そうとした世間も悪い。
けどなによりも…そんな最悪の実験を生み出してしまう科学が大嫌い。


なのに＿＿＿＿＿＿＿


『　自立型AIアリア起動中：成功しました。

・・・えーと、ご主人様、よろしくお願いしますね！　』

白く透き通った髪に桃色の瞳。
身長は私と同じくらい、声はずば抜けて可愛い。

「　・・・　」

〝自立型AIアリア〟　と彼女はそう名乗った。