世界でいちばんやさしい嫌われ者
「……。」
ギラを牢に入れた後、ラクレスはずっとギラの顔を見つめていた。
まじまじと見ることはなかったが、大きくなっていたのだなと今更ながらに思う。
牢から見えるのは空。
青い青い、澄んだ空。
これで少しは、ギラも恐怖から開放されてくれれば。
細かった。
思っていたよりずっと、ずっと。
消えてしまいそうに儚かった。
まともなものを食べてなかったのだろうか。
最後の目撃証言はゴッカン。
寒い中、じっとどこかで身を隠していたのだろうか。
ずっと、苦しみ抜いてきたのだろうか。
それもこれも、自分がまだダグデドを裏切れないせいなのであるが、
もし、もし、自分があの時ギラを選んでいれば。
ラクレスはギラの白い顔を見つめながらそう思う。
今、ギラはこんなにつらい思いをしていなかっただろうか………。
「お〜い!!ラックレス!」
この状況を楽しむ宇蟲王の声が、牢屋の中から聞こえた。
ラクレスはすぐに膝をつき、ダグデド様と声を掛ける。
「面白いねぇ、面白いねぇ!!
やっぱりシュゴッダムのおツブどもは俺様の心をわかってる!!」
「……はっ。」
斬りかかりたいのを、今すぐにでも張り倒したいのをこらえ、頭を下げる。
「ねぇ、ギラ。今どんな気持ち?
怖い?痛い?苦しい?あははっ……答えられないよねぇ。」
声の調子が上ずっていく。
ラクレスがそろそろ止めようとした、その時。
「最高だね〜。でも、まだまだ足りないや!
ちょちょ〜いとこうして〜。」
ダグデドがギラの頭の上に手を当て何かをやりだした。
「な、何を……?」
「記憶改ざん!
あいつらとの記憶をぜ〜んぶ消して、俺様の遊び相手にするんだ!」
驚くラクレスに動じるわけでもなく、まるでおもちゃが手に入った子どものようにワクワクと楽しみを隠せないダグデド。
「それを〜、もとに戻した[漢字]王様戦隊[/漢字][ふりがな]あいつら[/ふりがな]に見せてやるんだ!!!」
「[太字]もとに戻した[/太字]??どういうことで、ございましょう。」
あれ?言ってなかったっけ?
ダグデドは牢屋からひゅっと出てくると、ラクレスの隣で【嫌われスイッチ】について語りだした。
ゴーマ・ローザリアがつくりだしたものであること、
押した人物が思い浮かべた人たちが全員押した人物を嫌うこと、
このスイッチを押せばチキューをおもちゃにしないと言ったこと。
「なん、と。」
最初に湧き上がってきたのは純粋な怒りだった。
ギラは何もしていないのに。
なぜそんな事をされなければならないのかという。
そして、ギラを守ってやれるのは自分しかいないとも知った。
作戦変更はやむを得ないかもしれない。
「三日後、王様たちを城に集めてね〜。
ここからがお遊び本番だよ〜!」
軽くそう言うと、ダグデドは姿を消した。
また、次の星へ遊びに行ったのだろう。
ラクレスはそっと、牢屋の外から洗脳されたギラに語りかける。
「大丈夫だよ、ギラ。必ず兄様が助けてあげるから。
絶対作戦成功させて救い出すから、それまで苦しいだろうけど。」
伸ばした手は、ギラの髪にそっと触れた。
[大文字][大文字][大文字][大文字]いい子で待ってて、ギラ。[/大文字][/大文字][/大文字][/大文字][/大文字]
ギラを牢に入れた後、ラクレスはずっとギラの顔を見つめていた。
まじまじと見ることはなかったが、大きくなっていたのだなと今更ながらに思う。
牢から見えるのは空。
青い青い、澄んだ空。
これで少しは、ギラも恐怖から開放されてくれれば。
細かった。
思っていたよりずっと、ずっと。
消えてしまいそうに儚かった。
まともなものを食べてなかったのだろうか。
最後の目撃証言はゴッカン。
寒い中、じっとどこかで身を隠していたのだろうか。
ずっと、苦しみ抜いてきたのだろうか。
それもこれも、自分がまだダグデドを裏切れないせいなのであるが、
もし、もし、自分があの時ギラを選んでいれば。
ラクレスはギラの白い顔を見つめながらそう思う。
今、ギラはこんなにつらい思いをしていなかっただろうか………。
「お〜い!!ラックレス!」
この状況を楽しむ宇蟲王の声が、牢屋の中から聞こえた。
ラクレスはすぐに膝をつき、ダグデド様と声を掛ける。
「面白いねぇ、面白いねぇ!!
やっぱりシュゴッダムのおツブどもは俺様の心をわかってる!!」
「……はっ。」
斬りかかりたいのを、今すぐにでも張り倒したいのをこらえ、頭を下げる。
「ねぇ、ギラ。今どんな気持ち?
怖い?痛い?苦しい?あははっ……答えられないよねぇ。」
声の調子が上ずっていく。
ラクレスがそろそろ止めようとした、その時。
「最高だね〜。でも、まだまだ足りないや!
ちょちょ〜いとこうして〜。」
ダグデドがギラの頭の上に手を当て何かをやりだした。
「な、何を……?」
「記憶改ざん!
あいつらとの記憶をぜ〜んぶ消して、俺様の遊び相手にするんだ!」
驚くラクレスに動じるわけでもなく、まるでおもちゃが手に入った子どものようにワクワクと楽しみを隠せないダグデド。
「それを〜、もとに戻した[漢字]王様戦隊[/漢字][ふりがな]あいつら[/ふりがな]に見せてやるんだ!!!」
「[太字]もとに戻した[/太字]??どういうことで、ございましょう。」
あれ?言ってなかったっけ?
ダグデドは牢屋からひゅっと出てくると、ラクレスの隣で【嫌われスイッチ】について語りだした。
ゴーマ・ローザリアがつくりだしたものであること、
押した人物が思い浮かべた人たちが全員押した人物を嫌うこと、
このスイッチを押せばチキューをおもちゃにしないと言ったこと。
「なん、と。」
最初に湧き上がってきたのは純粋な怒りだった。
ギラは何もしていないのに。
なぜそんな事をされなければならないのかという。
そして、ギラを守ってやれるのは自分しかいないとも知った。
作戦変更はやむを得ないかもしれない。
「三日後、王様たちを城に集めてね〜。
ここからがお遊び本番だよ〜!」
軽くそう言うと、ダグデドは姿を消した。
また、次の星へ遊びに行ったのだろう。
ラクレスはそっと、牢屋の外から洗脳されたギラに語りかける。
「大丈夫だよ、ギラ。必ず兄様が助けてあげるから。
絶対作戦成功させて救い出すから、それまで苦しいだろうけど。」
伸ばした手は、ギラの髪にそっと触れた。
[大文字][大文字][大文字][大文字]いい子で待ってて、ギラ。[/大文字][/大文字][/大文字][/大文字][/大文字]
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