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hnnm描写有り
流血表現あり
IFストーリー
嫌いな人はUターン!!!
色々注意!!

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世界でいちばんやさしい嫌われ者

#4

兄と弟は似た者同士

ゴッドクワガタがシュゴッダム上空に現れた。
王たちはその事実に眉をひそめた。
「戦えるか?」
「……キングオージャー出されたら負け確だ。」
リタの言葉に、ヤンマが不機嫌丸だしの低い声で言う。
王たちはもう、ギラの打つ手を理解している。
「数ではあちらのほうが不利ですからな。
すぐにでもキングオージャーで応戦してくるでしょう。」
しかし、手を理解していると言えど、[太字]ギラ・ハスティー[/太字]を理解しようとしていない王たちに、彼の今の思考が読めるはずもない。
「いや、それはないな。」
ラクレスのきっぱりとした言葉が、王たちの結論を一刀両断する。
彼は知っている。孤独の真ん中に突き落とされる悲しみを。
理不尽に世界を選ばなければならない痛みを。
自ら道化と堕ちるしかなくなる選択肢を。
「彼なら、今。キングオージャーは出してこないだろう。」
キングオージャーを出して、ダグデドが喜ぶと考えるはずがない。
あの宇蟲王が望んでいるのはきっと、死ぬまでギラが痛めつけられること。
そして、ギラが進む道は。
「ナーッハッハッハ!!」
「……!!!! なぜ城に!?」
「邪悪の王には貴様らの考えなどお見通しよ!!」
この城に突撃すること。
「恐怖しろ………そして慄け!
一切の情け容赦無く、一木一草尽く!!!
貴様らを討ち滅ぼす者の名は、、、ギラ!!!
邪悪の王となる男!!!」
その名乗りは、普段よりずっと悲痛で、悲しみに満ちていた。
決まり文句はなく、そのまま王たちに斬り掛かっていく。
「甘い!!!」
王たちに容赦はなく、ギラの身体は、すぐに傷だらけになってしまう。
ラクレスだけが、唇を噛みながらその光景を眺めていた。
誰も弟をかばえないこの状況。
兄にとっては死んでも避けたかった。
自分しかいないのか。かばえる人物は。
弟を、助けられる人物は。
外面では慈悲のない冷徹な顔をしながら、目では弟を助ける方法を探る。
しかし、ドゥーガも、王たちも、誰も彼もがギラに嫌悪の目線を向けている。
ギラが何をした。
ギラは優しく、嫌われるような子ではないだろう。
ラクレスはもんもんと考え続ける。
しかし、そのうちにギラは、ラクレスの足元まで飛ばされ、ぐぁっ、と声を上げた。
「……!!」
17年前。ラクレスはギラを救えなかった。
けれど、救えたら今はない。
今も同じ。
救えば、ラクレスは反逆者として、宇蟲王の一団から追い出されてしまうだろう。
かと言って、救えなかったら一生後悔することも、ラクレスはわかりきっている。
「……[小文字]どうすればいいと言うんだ。[/小文字]」
もし、もしも、普通の家に生まれていたのなら。
考えてしまえば終わりはないけど。
幸せに、家族みんなで暮らせていたのだろうか。
なんて、敵わぬ願いを胸に秘めながら、ラクレスは立ち上がる。
「ギラの処遇はこちらで決めさせていただこうか。裁判長?」
ギラは何もやっていないと信じて。
ラクレスはそう口火を切る。
「なぜだ。」
「少々彼の話に興味があってね。いいだろう?」
「犯罪者はゴッカンで裁くのが規則だ。」
ギラは何もやっていない。そう叫びたくなるのをこらえ、ギラをドゥーガに担げと指示を出す。
「犯罪者?だったらこちらで責め苦を受けても構わないだろう。
国民皆に、責められ、罵られ、苦しんでもらおうじゃないか。」
一ミリも思ってもいないことを。口からでまかせの言葉を並べ立て、ギラをここから逃がそうと奮闘する。
その目は邪智暴虐の王ではなく、兄としての目をしていた。
「お〜。おもしれぇじゃねぇか。んじゃ、ンコソパ特性拷問器具もつけねぇとな。」
ヤンマがそう言えば、王たちも次々に頷いていき、最後にはリタも渋々ではあるが首を縦に振った。
その目が少しキラリと輝いたのに、ラクレスは気のせいであってほしいと願う。
「ならば決まりだ。こちらにつれてこい。」
大丈夫だよ、ギラ。
ラクレスは心のなかで語りかける。
ギラはいくらか細くなったように思われ、今はすやすやと寝息を立てている。
「[小文字]私が必ず守るから。[/小文字]」

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作者メッセージ

四話目です!!!
ラクレス主の話でしたね。
ラクレスは嫌われスイッチの影響を受けていないのですが、宇蟲王の配下という建前上、動けません。(王たちは宇蟲王の存在自体を忘れているという感じです)っていう自分考えたのに自分でも地獄みたいだなって思う設定です。
リタさん中立すっ飛ばしちゃってるんですけど、このギラくんはなんの罪も犯していないので、(ただただ本能的に嫌うようにされている及び誰もそれに違和感を抱かない)良しとしてください。
では!!See you again!

2024/09/01 17:48

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