二次創作
茜色の笑顔
今年も5月16日がやってきた。俺の16歳の誕生日だ。俺と明謙は夜になり、もう人がいない
小さな神社のベンチに腰を掛ける。例年通り、伝わらない告白をする。
ただ、今年は違った。虚しく響く「好きだ」。何も返ってこない。
僕も、って。大好き、って。意味は違えどせめてもの救いだった言葉がない。
あぁ、そうか。俺は幼なじみとしても、親友としても、見捨てられてしまったんだ。
今まで俺は明謙に依存してたから。これからどう生きていけばいいのか全く分からない。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。嫌われたくない。自分が面倒くさいのは十分に分かってる。
でも、明謙まで俺を置いていかないで。もう俺を1人にさせないで。
「ありがとう・・・っ、僕も、大、好き!」
ようやく返ってきた。嫌われてなかったんだ。そう割り切るようにした。
「・・・もう遅いし、帰ろうか。」
安堵した俺は明謙の顔を見ていなかった。その顔がまさか泣いているだなんて、想像できなかった。
「ねぇ、弥勒!!」
必死な声が後ろから聞こえ、振り返る。そして初めて、明謙が泣いていることに気づく。
「あ・・・か、ね」
こんなに長く一緒にいるのに、なんで鼻声なこととか、言葉が詰まってたとか、気づかなかったんだろう。
「明謙、ご、ごめん。俺が悪かった?どうして、そんなに泣いて————」
「・・・弥勒のバカ!僕の変化に気づいてよ!中学生になってから変わったの、分かんなかった!?
弥勒は自分のことでいっぱいいっぱいすぎるよ!僕が大好きって言ったときの顔も見てよ、
目を逸らさないでよ!!!」
そうか、傷つけていたのは俺の方だったのか。
「ごめん、ごめん、ごめん明謙!!俺、毎年どうせ無理だって思って、勝手に諦めて、
勝手に傷ついて、本当は明謙のほうが辛かったのに!!・・・俺、最悪だ。ごめん・・・っ」
「・・・・・・あははっ、そんなに必死にならなくても・・・って、それは僕の方か!
弥勒、こっちこそごめんね。だーい好きだよ!」
急に笑われて、そして10年以上の思いが叶って、俺は驚くほかなかった。
俺は咄嗟に顔を隠した。明謙にはかっこいいって思っていてほしい。泣き顔なんて見られたくない。
「み~ろ~く~?目、逸らさないでって言ったでしょ?」
無理やり顔から腕をはがされる。そして、明謙の顔が目に入る。
泣き止んで、また泣きそうになって、こらえて、でも顔が崩れて。本当にコロコロ表情が変わって
面白い。
「弥勒、誕生日おめでとう!」
そういって抱きついてくる明謙。聞こえないほどか細い声で「ありがとう」と返す。
今年の誕生日プレゼントは幼なじみであり、親友であり、彼氏である、明謙だった。
俺の横には、いつも茜色の笑顔がある。
小さな神社のベンチに腰を掛ける。例年通り、伝わらない告白をする。
ただ、今年は違った。虚しく響く「好きだ」。何も返ってこない。
僕も、って。大好き、って。意味は違えどせめてもの救いだった言葉がない。
あぁ、そうか。俺は幼なじみとしても、親友としても、見捨てられてしまったんだ。
今まで俺は明謙に依存してたから。これからどう生きていけばいいのか全く分からない。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。嫌われたくない。自分が面倒くさいのは十分に分かってる。
でも、明謙まで俺を置いていかないで。もう俺を1人にさせないで。
「ありがとう・・・っ、僕も、大、好き!」
ようやく返ってきた。嫌われてなかったんだ。そう割り切るようにした。
「・・・もう遅いし、帰ろうか。」
安堵した俺は明謙の顔を見ていなかった。その顔がまさか泣いているだなんて、想像できなかった。
「ねぇ、弥勒!!」
必死な声が後ろから聞こえ、振り返る。そして初めて、明謙が泣いていることに気づく。
「あ・・・か、ね」
こんなに長く一緒にいるのに、なんで鼻声なこととか、言葉が詰まってたとか、気づかなかったんだろう。
「明謙、ご、ごめん。俺が悪かった?どうして、そんなに泣いて————」
「・・・弥勒のバカ!僕の変化に気づいてよ!中学生になってから変わったの、分かんなかった!?
弥勒は自分のことでいっぱいいっぱいすぎるよ!僕が大好きって言ったときの顔も見てよ、
目を逸らさないでよ!!!」
そうか、傷つけていたのは俺の方だったのか。
「ごめん、ごめん、ごめん明謙!!俺、毎年どうせ無理だって思って、勝手に諦めて、
勝手に傷ついて、本当は明謙のほうが辛かったのに!!・・・俺、最悪だ。ごめん・・・っ」
「・・・・・・あははっ、そんなに必死にならなくても・・・って、それは僕の方か!
弥勒、こっちこそごめんね。だーい好きだよ!」
急に笑われて、そして10年以上の思いが叶って、俺は驚くほかなかった。
俺は咄嗟に顔を隠した。明謙にはかっこいいって思っていてほしい。泣き顔なんて見られたくない。
「み~ろ~く~?目、逸らさないでって言ったでしょ?」
無理やり顔から腕をはがされる。そして、明謙の顔が目に入る。
泣き止んで、また泣きそうになって、こらえて、でも顔が崩れて。本当にコロコロ表情が変わって
面白い。
「弥勒、誕生日おめでとう!」
そういって抱きついてくる明謙。聞こえないほどか細い声で「ありがとう」と返す。
今年の誕生日プレゼントは幼なじみであり、親友であり、彼氏である、明謙だった。
俺の横には、いつも茜色の笑顔がある。
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