みんながいれば私も大丈夫
「○○さん...?」
『ぇっ......』
振り返るとそこには、目を見開いて、信じ難いものを見たような顔をしていた後輩が見える
あれ、幻聴、かな......死んだ後に、秀次くんの声が聞こえるわけ.......秀次くんは私と違って、天国に.......
「おま、なんで.......」
震えた声で秀次くんが呟く。それはこっちの......
「○○さんは.....死んだはず、だろ......!」
《○○さ、ん.......しなないで、長く、生きてください......》
《うそっ.....ねぇっ!そんなこと言わないで.....!?秀次くんが長く生きてっ!!ねぇっ!ねぇってば........!》
セリフだよ...?
何度も同じ夢を見た。秀次くん、置いてかないって、言った。守るって言った.....けど、死んじゃ意味ないって、何度思った?自分が、弱かったせいなのに
『なんで、いるの......』
私もまた、震えた声で発した。
「秀次〜、中々帰ってこねーから来たんだけど.....」
っ....この、こえ......!
私は思わず顔を上にあげた
「なんかあったか〜?秀............は?」
聞き間違えるわけがない、少しおちゃらけてて、機嫌がいいような声、明るい声、大切な、後輩の声
「は?っいや.......○○さ......いや、は、どゆ.......」
《○○さーん......ははっ、幸せに生きてくださーいっ、おれの分も......》
《そんなこと言わないでよっ.......俺の分もじゃないっ、一緒に生きるっ.....!》
と、思うじゃん?と、クサいセリフを吐いて、生き返る夢を何度見た....?
起きて、現実に気づいて、何度自分を責めた?
「○○さ、ん.....なんで、なんで........どういう.....」
いつものような、ヘラヘラした表情は米屋くんには無かった。目を見開いて、悲しそうな、困惑が混じっている表情だった。
「.....いや、○○さん、は.....
[打消し]死んだ[/打消し]、だろ.....?」
顔を歪め、米屋が呟く。2人に会えて嬉しいなんて感情ない。不安、困惑、罪悪感、哀しみ、ぐちゃぐちゃしていた。
なのに、2人とも、意味が分からない言葉を言って、何がなんなのか、分からない。この状況も、おかしい......!
私は確かに、飛び降りた!けど......なんで、2人が知ってるの.......
私、"みんな"が死んじゃった後に、飛び降りたんだよ?
なのに......おかしいよ.....
『死んじゃったのは、そっちだよ......?』
そんな私の呟きを消すように、風が吹く。
(君たちに会えて、嬉しいなんて思えない......思っちゃ、ダメだからっ....)
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三輪dis
近くで、警報が鳴った。その警報を聞き、三輪隊は、出動した。
倒した後、周辺を歩いて、何もないか確認する
人影が見えた。警戒区域に何しにきた、遊びで入ったか?
そんな怒りを胸に、近づいた。
髪が長く、華麗に揺れていた。女か....?
そうは思うも、近づいた。
背中がハッキリして見えた時に、俺は、心臓が止まったかと思った。
その背中は、凄く、もの凄く、見覚えがあるものだったのだ。
一年前、単独でモールモット、バムスター計、30匹を相手にし、勝利を討ち取った少女がいたのだ。軽傷者8名、重症死亡者 0名。最も奇跡と言えた結果だった。
だが、突然ワープゲートから、人型近界民が出現。人質2名を取られ、その少女がトリオン体を解除し、こちらに来たら離す、という条件が出された
少女は、迷わずに了承し、トリオン体を解いた。
その瞬間、少女の首は飛ばされたのだ。
人型近界民は、他の隊が着くよりも先に、退散した。皆が、現場に行くと、少女の死体は何故か無かった
一年前の事件は、【奇跡の少女】そう言われて幕を閉じた。
その後の、本部や、隊員の空気は重かった。少女は、とても強く、戦力になっていた。でも、それだけじゃない。
少女は、隊員達と仲が良く、笑顔が素敵で、面白くて、誰かが悩んでいたら自然に、元気付けていた。
隊員達の精神面も支えていた少女が居なくなった、それだけでボーダーは空気が重くなる。彼女の死に、哀しむ者、自分を責める者、様々な者がいた
《あははっ....!面白いこと言うなぁっ》
《んー?可愛い後輩慰めてるだけですっ》
《んふふ、ありがとっ》
《私は、どっちの味方でもいれない......かな。ごめんね》
《秀治くんっ!
また明日っ!》
少女の名前は、●●○○
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