STAR
「はぁー……。削除終わったー!」
数時間後。作業はやっと終了した。
「ここまでしたら大丈夫でしょ……。うん……」
疲れすぎて、椅子の背もたれに思いっきり背中を預ける。とても大きいため息を吐いてから、チャットアプリをまた確認してみる。いや、何が来ているというわけでもないのだが、なんだか見てしまうのだ。依存しているわけではない……と思うが。
「……あれ?鞠音さんから連絡来てる!」
開くと底には、メンバーの一人である、鞠音からの通知があった。
『すみません、今度の報告会に参加できそうにありません。開けられない用事が入ってしまいましたので』
連絡に会った「報告会」というのは、メンバー同士で週に一度行う、通話の事だ。メンバーたちで、今週何があったかなどを報告する。
鞠音は、それに出席できないと言っているわけだ。
『承知しました。では今度、私と個別で報告会を行いましょうか』
そして、鞠音の後に続いて連絡していたのは、リーダーであるルージュだった。
「そっかぁー…。出れないのか」
私は、軽くショックを受けた。
これは個人的な話になってしまうのだが、鞠音さんの声は、私の推しに似ているのだ。だから、鞠音さんの声を聞くのが私は好き。今回の報告会に鞠音さんが出られないと知ると、私は、少し悲しくなってしまった。
「うーん…。でも用事ならしょうがないなぁ。開けられないってあるし」
報告会は次で最後なわけじゃないし、と自分に言い聞かす。そう思い安心していると、SNSの通知が来た。
「ん…?あ、配信だー!」
SNSの通知を見た私は、一瞬で笑顔になる。凝り固まった表情筋が嘘のように上がっていった。
なぜならば、その通知は__推しの配信告知だったから。
「あと何分?うわー楽しみ!」
今回は歌枠配信、すごくすごく楽しみだ。
歌枠配信を見る前は、推しの歌い方を研究して、もっと歌がうまくなってやると、いつも思う。だが、実際に聞くと、尊さで研究など、どうでもよくなってしまう事が多い。
でも今回は違う。最初から、めいっぱい推しを楽しんでやろうという気持ちがあった。
なぜならば、今日の配信は、新衣装お披露目配信から次のもの。推しは絶対に新衣装を使ってくるから。新衣装の推しは、とてもとても可愛かった。あの衣装を使って歌ってくれるなんて、絶対に天国でしかないのだ。
「お!配信始まるー!」
そうこうしていると、配信がついた。
新衣装という言葉から、大体の人は分かってくれていると思うが、そう、私の推しは、ある女性Vtuberだ。Vtuberの配信というのは、大体、始まってから数分は「準備」がある。数分の準備を一回行ってから、やっと配信が始まるのだ。
この数分は、自分の気持ちをとにかく高める。それに尽きる。
「はぁー…!新衣装使ってくれるよね!絶対!楽しみすぎてヤバい…!」
早速、私はとんでもなくドキドキしていた。ふわふわとした気分で画面を見つめていると、画面が切り替わった。配信が始まったのだ。
『みんなー!こんめもりー!可愛い特化型Vtuber、[漢字]山桜桃[/漢字][ふりがな]ゆすら[/ふりがな]めもりでーす!」
「うわー!めもりん!!まじ可愛すぎるー!!」
山桜桃めもり、彼女が私の推しだ。通称めもりん。
可愛いピンクのツインテールに、ふわっふわの和装ロリータ服!新衣装の破壊力は半端ではない。思わずスーパーチャットを投げてしまいそうになるが、今は歌い手のアカウントだ。アカウントを切り替えてからにしよう。
私はおおよそ二つのアカウントを所持している。歌い手アカウントと、普通にオタ活をする用のアカウント。めもりんのチャンネルにコメントやスーパーチャットを送る時は、後者のアカウントに切り替えが必要なのだ。正体不明のミステリアスな歌い手が有名Vtuberに高額スパチャ送っていましたなんて、本当にシャレにもならないから。
『えーっと、今日はねー。タイトルのとおりなんだけどー、歌枠をします!えへへ、何歌おうかなー?』
めもりんは歌枠をする時、自分で曲を決めがちだ。マイナーな曲なんかも歌うけど、めもりんが可愛いのと、選曲センスが良いのもあって、曲の知名度など全くと言っていいほど気にならない。
『えーと……。あ!早速スパチャ?すごーい!ありがとねー!』
私がアカウントを切り替えてスパチャを送ると、めもりんは喜ぶ。ああ、可愛すぎる。配信者には基本スパチャは投げないのだが、めもりんは完全に別だ。
『あ、そうだー!歌の前に、聞いてほしいお話あるのー!良いかな?」
めもりんは配信する際、どんな枠でも、本題の前に数分だけお話をする。そのお話の様子が、本当にとにかく可愛いのだ。天使かと思う。いや、めもりんは天使そのものだろう。
『なになにー?』
コメントを打つ。コメントは、早すぎるチャット欄の中に混じっていった。
『えーっとね、この前お散歩に出かけたんだけどー……』
めもりんはそう言って、雑談を始める。話をしてるだけでも可愛いって、この子本当になんなんだ?天使を超越した神を疑うくらいには可愛い。尊すぎる。
「はぁー…」
この後は、ちょっとあまりにもオタク節が効きすぎてしまったので、割愛しようと思う。
ただ、一つだけ皆に言えること。めもりんは可愛すぎた…。
数時間後。作業はやっと終了した。
「ここまでしたら大丈夫でしょ……。うん……」
疲れすぎて、椅子の背もたれに思いっきり背中を預ける。とても大きいため息を吐いてから、チャットアプリをまた確認してみる。いや、何が来ているというわけでもないのだが、なんだか見てしまうのだ。依存しているわけではない……と思うが。
「……あれ?鞠音さんから連絡来てる!」
開くと底には、メンバーの一人である、鞠音からの通知があった。
『すみません、今度の報告会に参加できそうにありません。開けられない用事が入ってしまいましたので』
連絡に会った「報告会」というのは、メンバー同士で週に一度行う、通話の事だ。メンバーたちで、今週何があったかなどを報告する。
鞠音は、それに出席できないと言っているわけだ。
『承知しました。では今度、私と個別で報告会を行いましょうか』
そして、鞠音の後に続いて連絡していたのは、リーダーであるルージュだった。
「そっかぁー…。出れないのか」
私は、軽くショックを受けた。
これは個人的な話になってしまうのだが、鞠音さんの声は、私の推しに似ているのだ。だから、鞠音さんの声を聞くのが私は好き。今回の報告会に鞠音さんが出られないと知ると、私は、少し悲しくなってしまった。
「うーん…。でも用事ならしょうがないなぁ。開けられないってあるし」
報告会は次で最後なわけじゃないし、と自分に言い聞かす。そう思い安心していると、SNSの通知が来た。
「ん…?あ、配信だー!」
SNSの通知を見た私は、一瞬で笑顔になる。凝り固まった表情筋が嘘のように上がっていった。
なぜならば、その通知は__推しの配信告知だったから。
「あと何分?うわー楽しみ!」
今回は歌枠配信、すごくすごく楽しみだ。
歌枠配信を見る前は、推しの歌い方を研究して、もっと歌がうまくなってやると、いつも思う。だが、実際に聞くと、尊さで研究など、どうでもよくなってしまう事が多い。
でも今回は違う。最初から、めいっぱい推しを楽しんでやろうという気持ちがあった。
なぜならば、今日の配信は、新衣装お披露目配信から次のもの。推しは絶対に新衣装を使ってくるから。新衣装の推しは、とてもとても可愛かった。あの衣装を使って歌ってくれるなんて、絶対に天国でしかないのだ。
「お!配信始まるー!」
そうこうしていると、配信がついた。
新衣装という言葉から、大体の人は分かってくれていると思うが、そう、私の推しは、ある女性Vtuberだ。Vtuberの配信というのは、大体、始まってから数分は「準備」がある。数分の準備を一回行ってから、やっと配信が始まるのだ。
この数分は、自分の気持ちをとにかく高める。それに尽きる。
「はぁー…!新衣装使ってくれるよね!絶対!楽しみすぎてヤバい…!」
早速、私はとんでもなくドキドキしていた。ふわふわとした気分で画面を見つめていると、画面が切り替わった。配信が始まったのだ。
『みんなー!こんめもりー!可愛い特化型Vtuber、[漢字]山桜桃[/漢字][ふりがな]ゆすら[/ふりがな]めもりでーす!」
「うわー!めもりん!!まじ可愛すぎるー!!」
山桜桃めもり、彼女が私の推しだ。通称めもりん。
可愛いピンクのツインテールに、ふわっふわの和装ロリータ服!新衣装の破壊力は半端ではない。思わずスーパーチャットを投げてしまいそうになるが、今は歌い手のアカウントだ。アカウントを切り替えてからにしよう。
私はおおよそ二つのアカウントを所持している。歌い手アカウントと、普通にオタ活をする用のアカウント。めもりんのチャンネルにコメントやスーパーチャットを送る時は、後者のアカウントに切り替えが必要なのだ。正体不明のミステリアスな歌い手が有名Vtuberに高額スパチャ送っていましたなんて、本当にシャレにもならないから。
『えーっと、今日はねー。タイトルのとおりなんだけどー、歌枠をします!えへへ、何歌おうかなー?』
めもりんは歌枠をする時、自分で曲を決めがちだ。マイナーな曲なんかも歌うけど、めもりんが可愛いのと、選曲センスが良いのもあって、曲の知名度など全くと言っていいほど気にならない。
『えーと……。あ!早速スパチャ?すごーい!ありがとねー!』
私がアカウントを切り替えてスパチャを送ると、めもりんは喜ぶ。ああ、可愛すぎる。配信者には基本スパチャは投げないのだが、めもりんは完全に別だ。
『あ、そうだー!歌の前に、聞いてほしいお話あるのー!良いかな?」
めもりんは配信する際、どんな枠でも、本題の前に数分だけお話をする。そのお話の様子が、本当にとにかく可愛いのだ。天使かと思う。いや、めもりんは天使そのものだろう。
『なになにー?』
コメントを打つ。コメントは、早すぎるチャット欄の中に混じっていった。
『えーっとね、この前お散歩に出かけたんだけどー……』
めもりんはそう言って、雑談を始める。話をしてるだけでも可愛いって、この子本当になんなんだ?天使を超越した神を疑うくらいには可愛い。尊すぎる。
「はぁー…」
この後は、ちょっとあまりにもオタク節が効きすぎてしまったので、割愛しようと思う。
ただ、一つだけ皆に言えること。めもりんは可愛すぎた…。
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