act
ただ、今回ばかりは思い込みではなかったらしい。
本当に空の方へ駆け寄ってきたミライは、すぐ[漢字]側[/漢字][ふりがな]そば[/ふりがな]まで来ると、手を差し伸べて言った。
「君も来てよ。君の方が何かと気が合いそうだし、色々詳しそうで頼りになるからさ」
完全に少年漫画のオチのようだったが、それでも今はただ嬉しかった。
自分も漫画の主人公のように、脚光を浴びているんだと思えた。
ミライの誘いを受け、しばらく凪、ミライ、空の3人で歩いた。
時には入り組んだ迷路のような道を通ったり、人が大勢いて押しつぶされそうになるような大通りを歩いたり。
話しながらだったので時間は短く感じられたが、かなりの距離を歩いているようだ。
しばらく歩いたところで、山の中のトンネルに入った。
トンネルの中には、人が歩けるようにきちんと整備された歩道が通っていた。
周りには[漢字]鬱蒼[/漢字][ふりがな]うっそう[/ふりがな]とした森が広がっているため、視界はあまり良好ではない。
ただ、見える範囲内なら、ほとんど何もない。
車どころか、人の気配すらない。
そんな場所に何の用があるのかと、空は気になって仕方なかった。
ただ通り過ぎるだけかもしれないが、ならばもっと広くて見渡しのいい場所を選ぶだろう。
毎日毎日、テレビに出ていれば絶対に見ていた。
だからこそ、ミライが考えそうなこくらい少しはわかるのだ。
だから、あるひとつの答えにたどり着いた。
”ここが目的地”なのではないか。
ここが目的地ならば、広い道もあるのにこんな暗い場所を選ぶのにも納得がいく。
1人で勝手に考えていると、急にミライが立ち止まった。
「ミライさん?どうかしました?」
やはり、あくまでも自分の考えなため、ミライには話さなかった。
「えっと、ここからは万が一に備えて、この目隠しをつけてもらおうと思って」
そう言って白色の目隠しを手渡してきた。
「『万が一に備えて』って言うくせに、んだこりゃ」
隣で凪が呟いた。
小さな声だったのでミライには聞こえていないが、それより近い距離にいた空には聞こえていた。
何か問題があったのだろうが、空にはわからなかった。
目隠しをつけるのを嫌そうにしている凪を横目に見ながら、空は目隠しをつけた。
「じゃ、2人とも目隠しつけたみたいだし、そろそろ移動するよ」
そう言って手を引かれた空と凪は、ミライの進む方向へと手を頼りに進んだ。
「こっからは車で移動!車内でも目隠しは外しちゃダメだからね」
そう言って、車の中に乗り込んだ。
「こんなの誘拐犯のそれじゃねぇか」
凪が丁度乗り込むときだろうか。
さっきよりもすごく小さく呟いた。
独り言なのか、空に向けて話しているのかはわからないが、空も丁度、同じことを考えていたところだった。
本当に空の方へ駆け寄ってきたミライは、すぐ[漢字]側[/漢字][ふりがな]そば[/ふりがな]まで来ると、手を差し伸べて言った。
「君も来てよ。君の方が何かと気が合いそうだし、色々詳しそうで頼りになるからさ」
完全に少年漫画のオチのようだったが、それでも今はただ嬉しかった。
自分も漫画の主人公のように、脚光を浴びているんだと思えた。
ミライの誘いを受け、しばらく凪、ミライ、空の3人で歩いた。
時には入り組んだ迷路のような道を通ったり、人が大勢いて押しつぶされそうになるような大通りを歩いたり。
話しながらだったので時間は短く感じられたが、かなりの距離を歩いているようだ。
しばらく歩いたところで、山の中のトンネルに入った。
トンネルの中には、人が歩けるようにきちんと整備された歩道が通っていた。
周りには[漢字]鬱蒼[/漢字][ふりがな]うっそう[/ふりがな]とした森が広がっているため、視界はあまり良好ではない。
ただ、見える範囲内なら、ほとんど何もない。
車どころか、人の気配すらない。
そんな場所に何の用があるのかと、空は気になって仕方なかった。
ただ通り過ぎるだけかもしれないが、ならばもっと広くて見渡しのいい場所を選ぶだろう。
毎日毎日、テレビに出ていれば絶対に見ていた。
だからこそ、ミライが考えそうなこくらい少しはわかるのだ。
だから、あるひとつの答えにたどり着いた。
”ここが目的地”なのではないか。
ここが目的地ならば、広い道もあるのにこんな暗い場所を選ぶのにも納得がいく。
1人で勝手に考えていると、急にミライが立ち止まった。
「ミライさん?どうかしました?」
やはり、あくまでも自分の考えなため、ミライには話さなかった。
「えっと、ここからは万が一に備えて、この目隠しをつけてもらおうと思って」
そう言って白色の目隠しを手渡してきた。
「『万が一に備えて』って言うくせに、んだこりゃ」
隣で凪が呟いた。
小さな声だったのでミライには聞こえていないが、それより近い距離にいた空には聞こえていた。
何か問題があったのだろうが、空にはわからなかった。
目隠しをつけるのを嫌そうにしている凪を横目に見ながら、空は目隠しをつけた。
「じゃ、2人とも目隠しつけたみたいだし、そろそろ移動するよ」
そう言って手を引かれた空と凪は、ミライの進む方向へと手を頼りに進んだ。
「こっからは車で移動!車内でも目隠しは外しちゃダメだからね」
そう言って、車の中に乗り込んだ。
「こんなの誘拐犯のそれじゃねぇか」
凪が丁度乗り込むときだろうか。
さっきよりもすごく小さく呟いた。
独り言なのか、空に向けて話しているのかはわからないが、空も丁度、同じことを考えていたところだった。
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