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#5


「・・・え?今、『本人の前』って?」
恐らく今のは聞き間違いだ。
そう思って、聞いた。
[漢字]端[/漢字][ふりがな]はな[/ふりがな]から見れば、ハッキリ言われたことを聞き返しているだけの耳が悪い人になるだろう。
だが、それは聞き間違いだと思ったから。
いや、聞き間違いだと”思いたかった”から。
「ああそうだ。それが何だ」
相変わらずの表情と、『それが当たり前だ』と言わんばかりの口調だった。
「お前のイメージと[漢字]随分[/漢字][ふりがな]ずいぶん[/ふりがな]違っただろ?”アクターズ隊長に最も近い天才、[漢字]薄氷凪[/漢字][ふりがな]うすらひなぎ[/ふりがな]”っていう、現実とはクソほど遠いイメージとよ」
一見、普通に話しているようだった。
だが、言葉の一つ一つに軽蔑の意味が込められていた。
「・・・」
長い沈黙が流れた。
”アクターズ隊長に最も近い天才”
その一言だけなら、まだ空のイメージは裏切られたわけではない。
だが、そんなアバウトな言葉だけでは落ち着かない。
それがこの世界だった。
世界中で、この”天才”たるものの人物像が創造されていった。
やがて、それらの”最も有力な人物像”が世界共通認識になった。
ひたすら『自分にとって”こう”であってほしい』という人々の”欲望”が詰め込まれたものだったが。
本当の”天才”を知った空は、そんな”欲望”を[漢字]頑[/漢字][ふりがな]かたく[/ふりがな]なに信じていたため、絶望で声すら出なかった。
「そんなクソみたいな”欲望”なんかを勝手に信じてたお前が悪い。どうせお前も、『”天才”って言われるくらいなら』って妄想してたんだろ。自業自得だ」
それだけ言うと、どこかへ向かって歩いて行った。
ミライが慌てて追いかけて何かを話し込んでいるが、聞くほどの力は空にはなかった。
『自業自得』
本当にそうだった。
『アクターズ隊長に最も近い天才がいる』なんて言われようものなら、すぐに情報を知りたかった。
それが”嘘”でも”欲望”でも、情報を[漢字]欲[/漢字][ふりがな]ほっ[/ふりがな]していた空からしたら、全て真実に思えた。
だから、全部の情報を妄信していた。
地面に座り、下を向いてからしばらくたったころ、ミライが空の方へ走ってくるような”気がした”。

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作者メッセージ

㊗閲覧数90突破!
どーもどーもふたばです!
なんと今回、閲覧数が90回を突破しました✨(/・ω・)/
                     (↑はバンザイらしいです)
90ですよ90!
もう2ケタの一番最後じゃないですか!
当初はこんなに伸びるなんて思ってなかったですよ!
読者の皆さん本当にありがとうございます!
(人''▽`)ありがとう☆
これからもよろしくお願いします!_(._.)_
ではでは~
( ´Д`)ノ~バイバイ

2024/07/15 16:28

ふたば ID:≫9pTUPyzgbFYYM
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