act
「いてて・・・って大丈夫!?ケガ、ない!?」
慌てて手を差し伸べた。
いつの間にか、ここは丁字路になっていたようだ。
だが、その手に見向きもせず立ち上がった。
その人はすらりと背が高く、少し[漢字]睨[/漢字][ふりがな]にら[/ふりがな]みを[漢字]利[/漢字][ふりがな]き[/ふりがな]せたような目つきをしていた。
少し見られただけでも緊張するほどなのに、こうも睨まれてしまっては硬直する以外の選択肢はないだろう。
「・・・なんか用?」
面倒臭そうに言われた。
まぁ、突然曲がり角から飛び出してきてぶつかり、挙句の果てには自分をまじまじと見つめているのだから、嫌悪感の少しは感じるだろう。
「あっ・・・えっと・・・」
言葉に行き詰まっていると、大きなため息をついていた。
そして、何も言わずにまっすぐ行ってしまった。
丁度、空も同じ方向だった。
背中が遠のいていく。
その背中には”あるもの”があった。
「って、あれ?そのリュックって・・・」
「あ?」
立ち止まって、後ろを振り向く。
思っていたより距離は開いていなかった。
「もしかして、養成の1年生!?俺も今日から!一緒に行こ!」
そのことに気付いた空は、その背中をめがけて駆け出した。
「は?お前、ちょっと待て。『俺も』ってなんだ?『俺も』って」
「・・・え?」
思わず聞き返す。
空は間違いなく、この人に”養成学校の1年生”だと言った。
そして、それを確信していた。
「勘違いすんな。お前の言ってる”養成”は”アクターズ養成学校”のことだろ?」
その通りだ。
間違いない。
「俺はアクターズ科には行かねぇ。だから、お前とは別だ。それに、お前みたいな自分の自信に満ち溢れてるだけのヤツと一緒に行く気なんてさらさらない」
言われてから理解まで、少々の時間があった。
そして、冷たかった。
それでも、聞いた。
「な、なんで!?だって、君って、[漢字]十鯨[/漢字][ふりがな]とげい[/ふりがな]中の[漢字]薄氷凪[/漢字][ふりがな]うすらひなぎ[/ふりがな]だよね!?」
この辺り、いや、日本全国でもその名を知らない人などいない程、有名な名だった。
”期待の新星”
”人類の宝”
”世界の救世主”
そう呼ばれたほどだった。
「なんでアクターズ入んないの!?”期待の新星”だよね!?”世界の救世主”じゃなかったの!?」
ひたすらに聞いた。
問い詰めた。
「・・・そんなの、お前らが勝手に言ってるだけだ」
小さく[漢字]呟[/漢字][ふりがな]つぶや[/ふりがな]いた。
今までとは少し違った雰囲気を感じた。
空もそれに合わせ、頭が冷えた。
「アクターズ入んないのには、なんか理由があるんだよね?」
今度は落ち着いて聞いた。
「お前なんかに話す気はない。時間の無駄だ」
そう言われ、またも歩いていく背中を見ていた。
「ちょっと待ってよ!」
その呼び止めも虚しく、ただただ歩いて行くのを見つめていた。
途端。
慌てて手を差し伸べた。
いつの間にか、ここは丁字路になっていたようだ。
だが、その手に見向きもせず立ち上がった。
その人はすらりと背が高く、少し[漢字]睨[/漢字][ふりがな]にら[/ふりがな]みを[漢字]利[/漢字][ふりがな]き[/ふりがな]せたような目つきをしていた。
少し見られただけでも緊張するほどなのに、こうも睨まれてしまっては硬直する以外の選択肢はないだろう。
「・・・なんか用?」
面倒臭そうに言われた。
まぁ、突然曲がり角から飛び出してきてぶつかり、挙句の果てには自分をまじまじと見つめているのだから、嫌悪感の少しは感じるだろう。
「あっ・・・えっと・・・」
言葉に行き詰まっていると、大きなため息をついていた。
そして、何も言わずにまっすぐ行ってしまった。
丁度、空も同じ方向だった。
背中が遠のいていく。
その背中には”あるもの”があった。
「って、あれ?そのリュックって・・・」
「あ?」
立ち止まって、後ろを振り向く。
思っていたより距離は開いていなかった。
「もしかして、養成の1年生!?俺も今日から!一緒に行こ!」
そのことに気付いた空は、その背中をめがけて駆け出した。
「は?お前、ちょっと待て。『俺も』ってなんだ?『俺も』って」
「・・・え?」
思わず聞き返す。
空は間違いなく、この人に”養成学校の1年生”だと言った。
そして、それを確信していた。
「勘違いすんな。お前の言ってる”養成”は”アクターズ養成学校”のことだろ?」
その通りだ。
間違いない。
「俺はアクターズ科には行かねぇ。だから、お前とは別だ。それに、お前みたいな自分の自信に満ち溢れてるだけのヤツと一緒に行く気なんてさらさらない」
言われてから理解まで、少々の時間があった。
そして、冷たかった。
それでも、聞いた。
「な、なんで!?だって、君って、[漢字]十鯨[/漢字][ふりがな]とげい[/ふりがな]中の[漢字]薄氷凪[/漢字][ふりがな]うすらひなぎ[/ふりがな]だよね!?」
この辺り、いや、日本全国でもその名を知らない人などいない程、有名な名だった。
”期待の新星”
”人類の宝”
”世界の救世主”
そう呼ばれたほどだった。
「なんでアクターズ入んないの!?”期待の新星”だよね!?”世界の救世主”じゃなかったの!?」
ひたすらに聞いた。
問い詰めた。
「・・・そんなの、お前らが勝手に言ってるだけだ」
小さく[漢字]呟[/漢字][ふりがな]つぶや[/ふりがな]いた。
今までとは少し違った雰囲気を感じた。
空もそれに合わせ、頭が冷えた。
「アクターズ入んないのには、なんか理由があるんだよね?」
今度は落ち着いて聞いた。
「お前なんかに話す気はない。時間の無駄だ」
そう言われ、またも歩いていく背中を見ていた。
「ちょっと待ってよ!」
その呼び止めも虚しく、ただただ歩いて行くのを見つめていた。
途端。
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